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「不透明な宝石」70年代の華やぎ

ジュエリーには、服などのようにシーズンごとに移り変わりの速いトレンドは少ない。長い年月にわたって身につける、ロングスパンのアイテムだからだ。それでも、数年単位でのゆっくりとしたトレンドはある。近年のビッグウェーブは「不透明な宝石」だ。

「不透明な宝石」70年代の華やぎ

ショパール「ハッピーハート」マラカイトピアス44万5000円

たとえば、ターコイズやラピスラズリ、コーラル。そして金褐色のタイガーアイやくすんだ赤のカーネリアン、濃いグリーンのしま模様が美しいマラカイト。これらはモザイクなどに使われる素材で、「ハードストーン」とも呼ばれる。絵の具のように鮮やかな色彩に魅力があり、淡く透明な宝石と比べると、視覚的なインパクトが大きい。

これは実は、1970年代のリバイバル。当時は自由奔放で華やかで、ボリュームたっぷりのジュエリーが好まれた。ハードストーンとぴかぴかのイエローゴールドとの組み合わせが一大トレンドだったのだ。
現代は社会全体が停滞気味のせいか、そんな70年代のドラマチックな華やぎが求められているのかもしれない。とはいえ、最近人気が高いのは、不透明な宝石にほっそりとした繊細なジュエリーを合わせたもの。当時よりもはるかに洗練された雰囲気が漂う。

「不透明な宝石」70年代の華やぎ

ポメラートの白蝶貝(しろちょうがい)、ターコイズ、ラピスラズリ、オニキスを使った「マーマ・ノン・マーマ」リング各18万円(いずれも税抜き)

主流は大ぶりではなく、重ねづけができる軽やかなデザイン。くっきりした色彩のジュエリーをつけると、肌が明るく引き立ち、血色よく見えるのが人気の理由だ。
そういえば、ピンクゴールドやホワイトゴールドの人気が長く続いたが、70年代調のイエローゴールドも復権のきざしだ。ファッショントレンドも、色をふんだんに使ったポップな70年代スタイルが熱を帯びている。やはりどこかでシンクロしているのが面白い。
(ジュエリー・時計ジャーナリスト 本間恵子)

本間恵子(ほんま・けい)

ジュエリー・時計ジャーナリスト
ジュエリーデザイナーや宝飾誌編集者を経て、1993年に独立。国内外の時計・宝飾界を取材し、専門的な情報も含めて発信している。

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