「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理PR

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

海や自然に触れ、かけがえのない仲間が集い、ともに温かな時間を過ごす。ありのままの自分に戻り、自分にとって大切なものを選ぶ喜びを知る――。

デンマークの伝統的な陶磁器ブランド「ロイヤル コペンハーゲン」の新シリーズ「HAV(ハウ)」は、北欧の小国の人々のシンプルで豊かなライフスタイルからインスパイアされて生まれた。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

デンマークの北西部、バルト海と北海を分かつように位置するユトランド半島に、世界中のサーファーを魅了する「コールド・ハワイ」と呼ばれるコミュニティーがある(イメージ画像提供=ロイヤル コペンハーゲン

今回、デンマーク語で「海」を意味する「HAV」の美しい器を引き立てる料理を手がけるのは、レストラン「スブリム」の加藤順一シェフ。日本とフランスで伝統的なフレンチの基礎を学びながらキャリアを積んだ後、デンマークで新しい食の潮流であるニューノルディックキュイジーヌの世界に触れた気鋭のシェフが描き出す、「日本の魅力」と「楽しさ」を届ける料理とは?

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

加藤順一(かとう・じゅんいち)

フレンチの名店「タテル ヨシノ」を経て、パリの三つ星レストラン「アストランス」で修業。さらに高みを目指すため、2012年、ガストロノミーの世界に大きなムーブメントを起こしたニューノルディックキュイジーヌを学ぼうとデンマークを目指す。2013年秋から2年間、コペンハーゲンの二つ星レストラン「AOC」で働き、帰国後、「Sublime(スブリム)」のシェフに就任。

1冊の本が、デンマークへと導いてくれた

――北欧料理の道に進んだきっかけは?

専門学校2年のときに1年間、フランスへ留学しました。リヨンにあった学校とレストランで、半年間ずつ勉強し、帰国を前に各地で食べ歩きをしていた中で、もっとも感動したお店がパリの凱旋門近くにあった日本人の吉野建シェフのレストラン「ステラマリス」でした。とにかく料理が美しくておいしく、サービスも含め星付きレストランに遜色がなかった。ちょうど日本に店をオープンすると聞き、帰国後、東京に出店した「レストラン タテル ヨシノ 芝」で働き始めました。吉野シェフが手がける別の店も含め、8年ほど日本で修業しました。

その後、渡仏。それまでクラシックなフランス料理を学んでいたので、次はモダンスタイルを知ろうとパリにある当時三つ星レストランだった「アストランス」の厨房(ちゅうぼう)に入りました。1年間過ごし、「もっと自分の武器になるものがほしい」と迷っていたとき、1冊の本に出会いました。それが、デンマークのファインダイニング「NOMA(ノーマ)」のシェフ、レネ・レゼピ氏による初のレシピ本でした。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

ファインダイニング「NOMA」のシェフ、レネ・レゼピ氏(撮影・郭允)

「デンマークの料理ってどんなものなんだろう?」。それが最初の感想。デンマークの料理を見たことも聞いたこともなかったですし、そもそもデンマークがどこにあるのかもわからない(笑)。でも、とてもナチュラルで、北欧の世界観を表現するレネシェフの料理に一気に心を奪われました。何より驚いたのが盛り付け。素材が不ぞろいなのに、すごくかっこいい。1ミリ、1グラムを寸分も違わないようにという厳格なフランス料理の世界でやってきた私には、すごく新鮮でした。まったく新しいガストロノミーの潮流にとにかく興味がわき、行ってみよう!と。
とはいえ、SNSも今のように普及していなくて、情報もほとんどない。なんとかなるだろうと現地に飛び込みましたが、NOMAでは研修はもちろん、客としても半年待ちと言われあきらめることに。何軒か回った中のレストラン「AOC」で、会計の時に履歴書を出し、「働かせてください!」とお願いしました。

――デンマークで学んだことは?

液体窒素を使ったりエスプーマ(亜酸化窒素を使って食材を泡状にする器具)を使って食材をムース状にしたり、そういった最先端の技術を駆使していました。最近でこそよく使われるテクニックですが、当時の私は料理を食べても何をしているのかまったく理解できなかった。未知の世界でした。そして、「自由」をすごく感じました。お皿に肉と付け合わせを盛り付けてソースを添えて……という定型じゃなくてもいいんだ、と。料理というよりは、デザインする、クリエートするという印象を感じたのです。

その厨房で働き始めると、「日本人は初めて見た」と言われました。料理の世界でデンマークに来ている日本人なんていなかったのです。料理の技術はフランスで学んでいたのですが、新しいテクニックやビジュアル的なことに対して彼らは非常に貪欲(どんよく)だった。デザイン的に非常に優れていると感じました。

――帰国後、当時東京・新橋にオープンした「スブリム」のシェフに就任しましたが、取り組んだことは?

当初はノルディック料理にこだわり、デンマークから珍しい食材を取り寄せたりしていました。しかしあるとき、デンマーク時代の仲間からの言葉にハッとして。「デンマークと同じものを日本で出しても意味がない。君は日本人なんだから、日本らしさを出した方がいい」と。
北欧発の食の潮流「ニューノルディックキュイジーヌ」では、そのマニフェストとして「地産地消」を掲げています。輸入しなければ手に入らない食材ではなく、自国のローカルな食材を取り上げよう、と。その考えには強く共感できました。これまで身につけてきたフランス料理と北欧料理の技術を使い、日本の食材をフィーチャーすることで、私という料理人ならではのオリジナルの料理が提供できるのではないか――。そう考えるようになったのです。

気になる食材があると、休みの日に各地に足を運んでいます。最近ではホタテとカキを養殖する宮城県の唐桑漁港に。船を出してもらい海の上で味わったホタテとカキのおいしさに、思わず目を見張りました。近くに山があり、そのミネラル分が海に流れ込み味わいが豊かになるのだそうです。
この時期にはここで採れるこの食材を――。星付きのレストランではそこまでこだわり、その理由を語れないといけないと考えます。日本にはまだまだ知らない食材がたくさんある。これからも貪欲に探し、皿の上に「日本」を表現していきたい。素材を生かした、素材が感じられる料理を、という思いから、私の料理には料理名はありません。メニューには食材のみを記しています。

青、紫、緑、グレー、黒……移ろう色を、引き立てる

――今回、ロイヤルコペンハーゲンの新シリーズ「HAV」をイメージした料理を作っていただきました。「HAV」にどのような印象を持ちましたか? そこからイメージされた料理のポイントは?

ロイヤルコペンハーゲンというと、白地に青いお花柄のイメージが強かったので、モダンでスタイリッシュな「HAV」には少し驚きました。青、紫、緑、グレー、黒……と、季節や気候によって色々な色を見せる海を思わせるデザインと色調が印象的です。移ろうようにさまざまな色を感じさせる「HAV」の美しいデザインを引き立てるため、料理はシンプルな色合いに仕立てました。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

あれこれ試行錯誤したのですが、たとえばお肉やお魚のグリルなど香ばしさを感じさせる色調は、器の美しく繊細なデザインには少し強すぎると感じました。そこで、生のままのホタテ、塩とビネガーでマリネしたイワシなど、食材が持つ色を生かすような調理法に。結果、私が常に心がける「素材の持つ味わいをクリアに表現する」ことにつながりました。さらに、器を美しく見せることを第一に考えた結果、食材は魚介類が中心となり、「HAV」のテーマである「海」とも調和できたと思います。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

魚のウロコを思わせる「HAV」のデザインと、塩とビネガーで締めたイワシの美しい青みが共鳴する。マッシュドポテトとともに

正直、料理をボウルに盛り付ることは、少し難しかったですね。高さを出す盛り付けは普段あまりやらないので。ただ、デンマークではサラサラと緩めの食感のソースを使うことが多く、スープだけではなくメインの肉や魚料理でもボウルに盛り付けることがあります。たとえばコースの料理をすべてボウルに盛り付けるなど、そんな挑戦もおもしろいかもしれませんね。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

「HAV」の海を踊るようなタコの色合いが鮮やかに映える。若芽のうちに摘心(てきしん)したズッキーニやタマネギ、ミョウガを敷き詰めて

バラと灰を使ったデザートは、熊本県の阿蘇山周辺で栽培されているバラ農園の土壌に灰が混ざっていると聞き、考案した一皿です。石ころのように見えますが、灰を練りこんだ紅茶の生地でバラのアイスクリームを包んでおり、スプーンを入れると鮮やかなローズ色のアイスクリームが現れます。ピンクとグレーが「HAV」の色調と共鳴し、お皿の上で美しく映えるデザートに仕上がりました。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

一見「石?」と見間違える一皿はデザート。灰と紅茶を練りこんだ生地でコーティング。熊本・阿蘇の火山灰の土壌で育ったバラを使い、その生育環境をイメージしたデザート

――加藤シェフにとって器、盛り付けとは?

器がないと料理は完成しません。そして、私にとって器は料理の方向性を決める一番強いベクトルです。勉強のため、世界のレストランやシェフがどんな器を使っているかは常にチェックしています。目が止まるのは、器も盛り付けもかっこよく、無理がなくてナチュラルな一皿。だれの料理かを見ると「ああ、やっぱりこのシェフか」と納得します。

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

マコガレイは優しく火を入れることで水分とうま味が保たれる。骨から取ったスープを煮詰めた深みのあるソースと

盛り付けに関しては、演出も考えます。今回作った「ホタテと大根」もそうなのですが、ホタテのお刺身の上に生の大根をのせ、ホタテを隠すような盛り付けに。食べるときに大根を外すという動きが生まれ、その下にホタテが隠れているというサプライズも。それがきっかけとなり、食べ手の方と料理人やサービス担当とのコミュニケーションも生まれます。

真っ白な大根と青い花のハーブが爽やか。大根の下には宮城県唐桑漁港で獲(と)れるうま味とミネラル感たっぷりの新鮮なホタテが

真っ白な大根と青い花のハーブが爽やか。大根の下には宮城県唐桑漁港で獲(と)れるうま味とミネラル感たっぷりの新鮮なホタテが

「おいしさ」は国や個人によって嗜好(しこう)が違うため定義するのは難しいのですが、特にレストランでの食事の場合、料理のおいしさ以外の要素は非常に重要だと思っています。接客、サービス、シチュエーション……。先ほどの「隠す」という盛り付けも、石ころを模したデザートも、すべては食事を楽しんでいただくための演出なのです。

――これから目指す料理は?

これまで培ったフレンチと北欧のテクニックを駆使し、日本の食材を使って日本の魅力を感じていただける一皿を。そして、料理がおいしいことは大前提として、食べる方が心から食事を楽しむことができるよう、器を選び、盛り付けにも心を配っていく――。それが、私が目指している料理の世界です。今も、帰り際に「おいしかった」はもちろんですが、「楽しかった」と言っていただくと本当にうれしくて。私にとっては最高の誉め言葉なのです。

(文・中津海麻子 写真・石塚定人)

 

北欧×日本+フランスの「おいしい」「楽しい」を届ける

今回ご協力いただいたレストラン「スブリム」では、古典的なフランス料理とニューノルディックキュイジーヌをベースに、日本人ならではの感性を取り入れた料理とサービスを堪能することができます。また、独創的なメニューとワインとのペアリングもでき、「おいしい」と「楽しい」を提供しています。

Sublime(スブリム)
住所:東京都港区東麻布3-3-9 アネックス麻布十番1F
電話番号:03-5570-9888
公式HP:https://www.sublime.tokyo/

「海」をキャンバスに、気鋭のシェフが描く料理

スブリム内観

海のプロジェクト”Promise in Blue”

世界をおおい、たがいをつなぎ、生命をきらめかせる海。海の危機を知り、海に約束するプロジェクトを「ロイヤル コペンハーゲン」が展開します。

美しい海との思い出の写真、または海の美しさを守る約束のメッセージを募集中。送られた写真とメッセージは海に誓うアート作品に仕上げ、東京・丸の内本店で発表される予定。応募者の中から抽選で、海を表現するアートベントにご招待します。

応募アドレス:royalcopenhagen.jp.pr@fiskars.com

詳細はこちら

※この活動は日本財団「海と日本プロジェクト」賛同パートナーとして実施します。「HAV」売り上げの一部を、海の浄化活動を実施する団体に寄付し、活動をサポートします。

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■ロイヤル コペンハーゲンの公式サイトはこちら
■HAVの詳細はこちら

週末ここ行こう― イベント情報 2019年7月6日・7日

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