高山都の日々、うつわ。

#1 青いプレートとジャムトースト。

丁寧に自分らしく過ごすのが好きだというモデル・女優の高山都さん。日々のうつわ選びを通して、自分の心地良いと思う暮らし方、日々の忙しさの中で、心豊かに生きるための工夫や発見など、高山さんの何気ない日常を紡ぐ連載コラム「高山都の日々、うつわ。」をはじめます。

    ◇

#1 青いプレートとジャムトースト。

器を好きになったのは、一枚のお皿との出会いがきっかけだった。
中目黒にある手仕事の道具を扱うお店で見つけた青いプレート。
それまでは、いわゆる作家ものの器なんて持っていなくて、
料理だって必要に迫られて作るくらい。
そんな私が引き寄せられるようにそれを手に取ったのは、
その美しい青に心を奪われてしまったから。

当時、家にあったのはほとんどが白い、プレーンな器ばかり。
手に入れたはいいけれど、青い器をどう使ったらいいんだろう。
ある朝、試しにと思って、朝食のトーストを盛ってみた。

#1 青いプレートとジャムトースト。
#1 青いプレートとジャムトースト。

いつもと変わらないトーストのはずなのに、
何だろう、このワクワクした感じ。
真っ赤なジャムを塗ったら、青と赤のコントラストがきれいで、
しばらくじっと見入ってしまった。

器って、ただ料理を盛るだけの道具じゃないんだ。
そう気づいてからは、おにぎりや簡単なおかずを次々と盛ってみた。
誰をもてなすためでもない、自分のためだけの食事。
それまでは「味気ない」とすら思わない、
ただ空腹を満たすだけだった食べ物が、どんどん表情豊かになっていく。

#1 青いプレートとジャムトースト。
#1 青いプレートとジャムトースト。

青い器は、炊きたてのごはんの白をよりつややかに、
野菜の緑や赤、黄色をより鮮やかに引き立ててくれる。
手の込んだものじゃなくても、どれも立派な料理じゃないか。
そんな風に、教えてくれているような気がした。

忙しい毎日の中でも日々、作って食べること。
それはほんのひととき、時間をゆるめることのできる時間。
今日はどんな器に盛ろうかな。そう考える楽しみができたことで、
料理は煩わしいものから、日々に欠かせない大切なものに変わった。
青い器は、私の毎日を大きく、そして豊かに変えたのだった。

#1 青いプレートとジャムトースト。

今日のうつわ

島根県 森山窯の平皿
初めて買ったのが左のブルーのプレート。デニムのようなくすんだ藍色が美しくてひと目惚れ。トーストがぴったりのサイズで、おにぎりに少しのおかずをつけた和食のワンプレート朝食にもちょうどいい。友人を招いた食事会では取り皿としても活躍するとわかって、その後色違いで白も購入しました。

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写真 相馬ミナ 構成 小林百合子

PROFILE

高山都

モデル 1982年、大阪府生まれ。モデルやドラマ、舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広い分野で活躍。フルマラソンを3時間台で完走するなどアクティブな一面も。最近は料理の分野でも注目を集め、2作目となる著書『高山都の美 食 姿2』では、背伸びせずに作る家ごはんレシピを提案。その自然体なライフスタイルが同世代の女性の共感を呼んでいる。

「高山都の日々、うつわ。」

バックナンバー

#4 旅と器のいい関係。
#3 夏の麺と沖縄ガラス。
#2 雨の日の花しごと。

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#2 雨の日の花しごと。

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