朝日新聞ファッションニュース

期間限定の店舗「ポップアップストア」が花盛り 

多くのファッションブランドが、期間限定の店舗「ポップアップストア」をあちこちで開いている。新商品や限定品を打ち出し、こだわりの内装でブランドの世界観を表現し、話題集めに力を注ぐ。新たな客として若年層を取り込むのが大きな狙いだ。

期間限定の店舗「ポップアップストア」が花盛り 

「ミスディオール展」特設カフェに入場するための待ち列ができた=6月、東京・原宿

期間限定で話題性、若者に照準

クリスチャン・ディオールは6月、東京・原宿のギャラリーで、人気の香水の名を冠した「ミスディオール展覧会」を開いた。理想の女性像をイメージしたドレス、歴代の香水ボトルなどを公開すると、20~30代を中心に10日間で3万人以上が訪れた。

特設カフェやショップは行列で、香水の売り上げは想定の倍という。担当者は「歴史がよくわかったという声が多く、体験型が求められていると実感した。先細りしないよう、若い層にアピールしていきたい」。

ルイ・ヴィトンは6月末の3日間、代官山のギャラリーで、定番のバッグに若手アーティスト6人がそれぞれデザインを加えた商品を展開。担当者は「普段店舗に来ない層や、アート好きの方々に知ってもらいたい」。カルティエも5月、新作ジュエリーの発売に合わせ、9日間の限定イベントを原宿で開いた。

期間限定の店舗「ポップアップストア」が花盛り 

バーニーズニューヨーク銀座本店で、マーベルとのコラボで開かれたイベント(C)2019MARVEL

セレクトショップや百貨店内での開催も多い。

来年で日本上陸30年を迎えるバーニーズニューヨークは、今年の大型連休中、銀座本店で、米マーベルと協業し新作映画を題材にした限定品を販売した。顧客が高年齢化しているといい、「すぐ購買に結びつかなくても、バーニーズに行けば何かある、と若者に思ってもらえれば」と担当者。

伊勢丹新宿店の本館1階売り場には、出店ブランドが毎週変わるスペースがある。同店でラグジュアリーブランドの商品・イベント企画などを担当する高木隆人さんによると、「各ブランドは広告を出す感覚で力を入れている」。直営店に来ない客との接点も持てる。百貨店側も、イベント目当ての客を取り込むため積極的に企画を持ちかけて限定商品を作ることもあるという。

ネット通販、世界観を形に

期間限定の店舗「ポップアップストア」が花盛り 

池袋パルコ内の「フランコ」

ネット通販のブランドが、リアル店舗を期間限定で開く試みもある。

池袋パルコでは4~7月、主にネット展開のみのブランドが交代で出店。15日まで出店中のフランコの担当者は「ネットは通りすがりで見られることが少なく、限度がある」と話す。店にはドライフラワーやアンティーク風の小物を置く。「世界観を現実化して伝えたい。服を手にしてもらい、信頼につなげたい」

間に立ったのが、ポップアップストア事業に特化したカウンターワークス(東京都目黒区)だ。空きスペースのある不動産所有者と出店希望者のマッチングサービスを2015年に開始。三瓶(さんぺい)直樹CEOは「ネット通販も競争が激化している。実店舗を開くことで普段オンラインで買わない消費者を取り込む効果がある」と話す。触覚や嗅覚(きゅうかく)にも訴えられネットより情報量が圧倒的に多い。「客の反応を直接見られるのでいい」との声もあるという。

また実店舗側がポップアップを開くのは、消費者が来店しSNSで投稿することで、拡散を期待する背景もあるという。「これからのPRはデジタルありきで、リアル店舗は客に楽しい体験をしてもらうための空間になるのではないか」

(松沢奈々子、神宮桃子)

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