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どこで何を食べようか『マレーシア 地元で愛される名物食堂』

どこで何を食べようか『マレーシア 地元で愛される名物食堂』

撮影/猪俣博史

今でも夢に出てくるくらい、マレーシアのローカル料理はおいしく、好きな料理名を挙げろと言われれば10~20は簡単に出てくるほど、記憶にも舌にも残っています。マレーシアに住んだことこそないのですが、シンガポール駐在時にシンガポール/マレーシア料理(ほぼ同じような料理です)の味を覚え、マレーシアの政府機関勤務時は、公私にわたり、マレーシア各地を約100回は旅してきました。現地の人に連れられて食べたり、1人の時は自分の嗅覚(きゅうかく)を信じて飛び込みで店の味を試したりして鍛えた舌は、マレーシア料理というより「ローカル食のエキスパート」と自負しています。

マレーシアでは宗教的に避ける食材があるため、中華系、インド系、マレー系と料理にも種類があります。加えて中核都市の屋台やローカル食堂では、早朝から深夜はもちろん明け方まで、朝食、夕食と、それぞれ違うメニューを提供しています。

朝は仕事前に中華麺、マレーのナシルマッ、あるいはインドの甘~い練乳入りコーヒーとロティ(ナンのようなパン)にカレー。昼は安く手軽に自分で選べるナシ・チャンプル。これはおかずを選んで白飯に乗せてもらう方式で、現地では安くてボリュームがあるので、パワーランチとも言われるものですが、これを筆頭に選びきれないほどのローカルメニューがあって、毎日どこで何を食べるか迷うほど楽しい食事タイムでした。

旅行社勤務時代には、こだわり高じてマレーシアのローカル料理だけを食べ歩く「マレーシア屋台の旅」なるパッケージツアーを企画したのですが、これはさすがにマニアックすぎたようで、ツアー催行には至りませんでした。

どこで何を食べようか『マレーシア 地元で愛される名物食堂』

『 マレーシア 地元で愛される名物食堂』古川音 著 ダイヤモンド・ビッグ社 1,300円(税抜き)

そんなローカル食大好きな私が待ち望んでいた、マレーシアだけの食を集めた『マレーシア 地元で愛される名物食堂』がついに出版されました。ページをめくるたびに懐かしいラクサ、チャークイッティオ、バクテー(骨肉茶)、ナシゴレン、ムルタバ、オタオタ(全部食べ物の名前です)等々が写真付きで出てきて、見るだけでつばがたまってきます。

ガイドにも、読み物にも

「名物食堂」とわざわざ断っているように、取り上げているのは、決して豪華なレストランではなく、屋根があっても吹き抜けのお店や、フードコートの中の店舗、冷房も無く椅子やテーブルも質素な屋台に近い形式のお店がほとんどです。ぜひ汗を流しながら食べてもらいたいですし、必ず付いてくる独自のソースやテーブルの上に用意されているローカル調味料もおすすめです。味を引き立ててくれるだけでなく、自分好みの味を探しながら食べられます。

読むだけで食べたくなる名物メニューはもちろん、マレーシアを地域別に分けながら食材別の解説が付くほか、巻末には各地区の地図も付いています。しかも、各所にたくさんの写真付きで体験記やミニストーリーが添えられていて、マレーシアに行かれる方の食ガイドとして大変役に立つ構成になっています。あるいは、日本では知られていないメニューがどんどん出てきますので、食レポ旅行記としても楽しんでいただけます。

ただ、最後に付け加えさせていただければ、マレーシアの名物ローカル食は、この本に載っている料理だけでは足りません。載せきれなかったであろう名物食堂、料理を紹介していただける続編、続々編も刊行されることを読者として、食ファンとして、願っています。

(文・重野 功)

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蔦屋書店 コンシェルジュ

12人のブックコンシェルジュの皆さんに、
そのとき、一番おすすめの本を週替わりで熱くご紹介いただいています。
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間室道子(文学)
●二子玉川 蔦屋家電
岩佐さかえ(健康 美容)/大川 愛(食)/北田博允(文学)
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●湘南 蔦屋書店
川村啓子(児童書 自然科学)/重野 功(旅行)/羽根志美(アウトドア)
八木寧子(人文)/若杉真里奈(雑誌 ファッション)

重野 功(旅行コンシェルジュ)

2014年12月オープン時より、湘南蔦屋書店に旅行コンシェルジュとして勤務。旅の企画・販売、海外駐在、添乗員、海外ホテルの窓口、在日政府観光局、JICAシニアボランティアなど観光を支える「作る側」を経ると共に、アジア・南太平洋を中心に40カ国以上「旅する側」を実践する旅大好き人間。

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