料理家・冷水希三子の何食べたい?

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は夏休みの定番メニュー、冷やし中華。自宅で手軽に作れるタレで、いつもとはひと味違った風味に仕上げます。 

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。いよいよ夏本番! という感じで毎日暑いですね~。

冷水 急に暑くなったので、みなさん夏バテには注意してくださいね。

―― なんというか、ジリジリと照りつける8月の暑さはすごいですね。私も少し食欲がないような……。

冷水 あらあら、それはいけません。今の時期はそういう方が多いと思うので、暑い日でもモリモリ食べられるメニューにしましょうか。

―― いいですね! 夏にさっぱり食べられてパワーが出るお料理といえば……。やっぱり冷やし中華じゃないですか!? 「冷やし中華はじめました」ののぼりを見ると心躍りますものね。

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

鶏肉は長ねぎとしょうがと一緒に蒸すことで臭みが抑えられ、風味もアップします。ゆで汁をタレに使うので、少し深めのお皿に入れて蒸しましょう

冷水 冷やし中華はお子さんも大好きなお料理ですから、いいですね! タレも自家製なので微妙な味の調節もできますよ。

―― え! 自分でタレを作るんですか? 私はいっつも市販のタレを使っていて、夏も後半になるとだんだん飽きてきちゃうのが悩みでした(笑)。

冷水 自家製といっても、家にある調味料で手軽に作れるので、冷やし中華ラバーにはとってもおすすめです。好みの味にできますし、食べ飽きないですよ。

―― 冷やし中華ライフが変わりそうな予感です。

冷水 今回はちょっと豪華に蒸し鶏を添えようと思います。これならたんぱく質も取れて、夏バテ防止にもいいですからね。まずは鶏もも肉の処理から。

―― 臭みの原因になる余分な皮や脂を取り除くこと! これまでに何度も教えていただいている処理ですね。 

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

最初はふたをして強火で5分、その後ふたをずらして10分ほど蒸しましょう。この加減で、鶏肉がふっくら、ジューシーに仕上がります

冷水 お! いよいよ鶏肉の処理をマスターしましたね(笑)。今日はさらにしょうがと長ねぎなど香味野菜と一緒に蒸すことで、臭みを消してくれます。蒸し器に入るサイズのお皿にしょうがと長ねぎの青いところと鶏肉を入れて蒸していきましょう。

―― 香味野菜のベッドに鶏肉を寝かせるんですね!

冷水 ポイントは少し深めのお皿を使うことです。蒸し汁はタレの大切な調味料になりますから、こぼれないように注意しましょうね。

―― 承知しました!

冷水 鶏肉を蒸している間に付け合わせの野菜の準備をしましょう。野菜はお好みで、冷蔵庫にあるものを使っちゃいましょう。

―― 忙しい人にはうれしいですね。

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

タレ用の白ごまはすり鉢で軽くすってから使うと香りが立って、風味豊かなタレに仕上がります

冷水 切り方も特に決まりはありませんが、しょうがや長ネギはみじん切りにした方がタレによく馴染(なじ)んでおいしいと思います。今日はキュウリも細かいさいの目切りにしましょう。

―― 歯応えや食べ応えを求める方は大きめに、タレとの一体感を求める方は細かめに、という感じですか?

冷水 そうそう、好みは千差万別ですから、自分の好きなようにしていいんですよ。もちろんレシピの中で分量は守らないと味が変わってしまいますが、自由でいい部分もあるんです。

―― そう考えると、なんだか料理が楽しくなってきますね。

冷水 さあ、そろそろ鶏肉が蒸しあがりましたね。鳥肉は粗熱を取りたいのでお皿に取り出して、少し落ち着かせましょう。蒸し汁は脂を取り除くためにこしておきます。

―― ひと手間でおいしさがアップするんですね、ここは面倒くさがらずに、ですね!

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

鶏肉の蒸し汁はこして脂分を取り除きます。こうすることで雑味がなく、うまみたっぷりのタレに仕上がります

冷水 最後にタレを作りましょう。材料をすべてボウルに入れて、こした蒸し汁を加えます。

―― 調味料を入れる順番に決まりはないんですか?

冷水 はい、今回は順番を気にしなくても大丈夫です。調味料を加える順序が大切になってくるのは火を加える場合と、ドレッシングなど油を入れる場合なんです。塩は油に溶けないとか、理由があるんですよ。

―― なるほど~。いつも思いますが、料理って化学なんですね!

冷水 難しそうに聞こえるかもしれませんが、理解したらいろいろなお料理に応用できるお料理の公式みたいなものかも。さあ、あとは麺をゆでれば完成間近です。ポイントは麺をしっかりと冷水で締めること。

―― ああ、ここがまた面倒臭がってしまうところなんですよね……。

冷水 あと、水気をしっかり切るのも忘れずに。ここを怠ると麺が伸びてしまうので。

―― 了解です!

冷水 麺の準備ができたらカットした鶏肉と野菜を盛って、タレをかけて完成です。お好みでラー油やパクチーをのせてもおいしいですよ~。

―― わあ、しょうがとごまの香りが立って、すごくおいしい! 蒸し汁を加えているから、タレにうま味がありますね。これなら食欲倍増です!

冷水 市販のタレとはまた気分が変わっていいでしょう? 大人の方は辛さを加えたり、アレンジを楽しめたりするのも自家製タレのいいところですね。

―― 今年の夏は冷やし中華研究にハマっちゃいそうです!

今日のレシピ

冷やし中華

■材料(2~3人分)

中華麺 2玉
鳥もも肉 1枚
トマト 1個
きゅうり1本
パクチー 適量
しょうがスライス 1片分
長ねぎの青いところ 1本分
酒 60ml
塩 適量

A
しょうゆ 50ml
砂糖 大さじ1
酢 大さじ2
レモン汁 大さじ1と1/2
すりごま 大さじ1と1/2
しょうがのみじん切り 大さじ1強
長ねぎのみじん切り 大さじ2
鶏肉の蒸し汁 60ml
ごま油 小さじ2

作り方

 鶏肉の脂身などの処理をして、塩を適量もみ込む。
 蒸し器に入る少し深みのある皿にしょうがと長ねぎの青いところで挟むように鶏肉を入れお酒をかけて、強火で5分、その後ふたをずらして10分蒸す。その後火を消して10分蒸す。
 Aのタレの材料をすべて混ぜ合わせる。
 トマトは乱切り、きゅうりは千切りにする。
 麺をゆでてから冷水で締めて水気を切り、ごま油少々(分量外)を絡めておく。
 皿に麺を盛り、スライスした鶏肉とトマト、きゅうりを盛り付け、タレを適量かけて好みでパクチーを盛る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


よく読まれている記事

 

バックナンバー

「料理家・冷水希三子の何食べたい?」
「冷水料理相談室」

PROFILE

自家製タレで作る、ひんやり冷やし中華

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

リッチなソースでよそゆきに。カジキのレモンバターソース

トップへ戻る

思い立ったときすぐ作れる、大人味のコーヒーゼリー

RECOMMENDおすすめの記事