野村友里×UA 暮らしの音

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里さんと、現在カナダで暮らす歌手UAさんの往復書簡「暮らしの音」。暑い中にも“涼”を見つけて過ごす東京の野村さんが、遠くカナダのUAさんから届けられた絵にふれて浮かんだ、たくさんの「ともだち」への思いとは――。

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

お友達とまくんが先日アフリカにいき、地元の小学校で授業体験

>>UAさんの手紙から続く

うーこ
元気?
カナダ島の夏はどんな様子なのかしら?
日本はご存じの通り夏まっただ中よ。
先日あなたが来日したときはまだ東京はギリギリ梅雨明けしていなかったわね。

不思議なもので梅雨明け宣言がされてからは本当にうだるように暑い暑い。
照りつける太陽は、街中だとアスファルトからの照り返しもあるから容赦ない。
心理学の先生が、高層ビルに囲まれる環境は人を孤独にさせる、とおっしゃってたけど
高層ビルに跳ね返る灼熱(しゃくねつ)の太陽は人をゲンナリさせる暑さにもなるな~と
街中を歩いていると空調の利いた涼しいビルの中を想像しつつ
外気をより暑くさせている室外機を想像して恨めしく思ったりしてるわ。笑
原宿のお店は幸い緑が生い茂っているので目の涼は確保できてるの。
毎日打ち水してお客様を迎えいれるのだけどすぐあっという間に干上がってしまう。

けれども
水を得た石や緑はいきいき
その時間は確実にマイナス5度にはなっているかと思う。
それにお花屋さんも隣接しているのでビタミンカラーも補充されるしね。
だいぶオアシスになっているとは思うのだけど
しかし古い一軒家。
フル回転の電気系統は、すぐにブレーカーが落ちたりもしてしまうのよ。

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

夏は素麺。皮をむけば3分ほどでできる蒸しナスとミョウガで

なので料理でもより一層”涼”を感じて食欲が増すように心がけているの。
器をガラスにしたり
冷製の料理や、透明感のある料理や、酸味のある味等ね。
季節を考慮した演出や見立てって日本ならではよね。
家庭ではついつい多くの人もそうだろうけど
お素麺や冷やし中華等、のど越しが良い料理が増えると思うけど
カナダにもそんな四季の料理があるのかしら?

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

ある日の石濱匡雄さんが作ったベンガルプレート

あっそうそう夏こそカレーという人も多いわよね。
最近また人気が再熱しているかも、
カレー屋さんも。

私は友人が出した『ベンガル料理はおいしい』の著者
タブラ奏者のユザーンと石濱匡雄さんのスパイス使いにはまってます。
おいしいのよ。
簡単で煮込み時間も少なくて
特徴はいくつかあるけどマスタードオイルを使用するのよね。
今度ご馳走するか、ユザーンに作ってもらいましょ!

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

ある日の石濱さんが作ったベンガルメニュー

あなたは愛されていたという事実が、真実と勇気になる


あいさつ的な序文がついつい長くなってしまったけど
今回聞きたかったのは学校教育のこと。
私は子供がいないけどご存じ子供がだーいすき。
好きというか本気で心から遊んでいて楽しいし学ぶし発見もあるし解放できるから。
楽しくてしょうがないからしょっちゅう姪(めい)や友達の子と遊んでいるの。
その子たちから手紙をもらうと大きな平仮名で“きみのともだちより”とか書いてある。
友達にむかって 
“わたしのともだち”
なんて紹介されるとグッとくるのよね。
大事にしよって!笑
おば友として。

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

お友達からのお手紙

あのキラキラした目や元気いっぱいの姿をみていると
どんな風に成長するのか未来が楽しみでならない分
わたしたちが今できることは何かしらとより一層つながっていけることを意識するようになった私。
今ぐるぐる考えているところなの。

先日私の一つ年上のご夫婦が養子縁組をしたの。
生まれたばかりの男の子をそれはそれは精いっぱいの愛情で可愛がっていて
1年たって正式に籍も入ってね。
彼女たちは周りにも公言していて
この子が大きくなって悩む時が必ずくるだろうけど
こんなにあなたは愛されていたという事実が、真実と勇気になるはずと。
仕事も落ち着いて精神的にも余裕が生まれてからの養子の受け入れを
みんなで見守っているの。
できたらもう何人か受け入れたいって話していたわ。

うーこはカナダで子育て真っ最中。
きっと話し始めたらきりがないし
まさにこの往復書簡でも垣間みる
自然に触れてのびのび生きている様子は
言葉にしなくとも伝わってくること満載だけど。

野村友里さん「“ともだち”のために、今できること」

ニキちゃんが描いてくれた記念集合絵。ブルックリンの小学校に通っていて、母はミュージシャン カヒミ カリィさん、父はタップの熊谷和徳さん

先日の往復書簡で見せてもらったセンス光る絵をみてつい
あぁまた改めて聞きたいなって思ったの。
先日のライブnewうーこの話も聞きたいけど
それは次回、9月に会った時に!
いい夏を!

友里

PROFILE

  • UA

    1972年大阪生まれ。母方の故郷は奄美大島。1995年デビュー。1996年発表のシングル「情熱」が大ヒット。2000年、ブランキー・ジェット・シティを解散した浅井健一とAJICOを結成。同年、初主演映画「水の女」(テサロニキ国際映画祭グランプリ受賞作品)公開。2003年から放送されたNHK教育テレビ番組「ドレミノテレビ」に、歌のおねえさん「ううあ」としてレギュラー出演。2004年、数々の童謡・愛唱歌を集めた、ううあ名義アルバム「うたううあ」をリリース。2006年、菊地成孔とスタンダードジャズアルバム「cure jazz」をリリース。2010年、デビュー15周年企画カバーアルバム「KABA」をリリース。2016年、7年ぶりとなるオリジナルアルバム「JaPo(ヤポ)」をリリースした。また、2005年より都会を離れ、田舎で農的暮らしを実践中。現在はカナダに居住。4人の母でもある。α-STATION(FM京都)の番組「FLAG RADIO」にレギュラー出演中。

  • 野村友里

    料理人(りょうりびと)、「eatrip」を主宰。おもてなし教室を開く、母・野村紘子さんの影響を受けて料理の道に。主な活動に、レセプションパーティーなどのケータリングフードの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオ番組など。2009年、初の監督作品『eatrip』を公開。11年、「シェ・パニース」のシェフたちとともに、参加型の食とアートのイベント「OPEN harvest」を開催。その経験を経て日本のシェフたちとともに「nomadic kitchen」プロジェクトをスタート。12年、東京・原宿に「restaurant eatrip」をオープン。著書に『eatlip gift』『春夏秋冬 おいしい手帖』(マガジンハウス)、『Tokyo Eatrip』(講談社)、共著に『TASTY OF LIFE』(青幻舎)がある。

UAさん「『私』という肉体と思考と精神、そして魂」

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