高山都の日々、うつわ。

#4 旅と器のいい関係。

 
#4 旅と器のいい関係。

この夏、仕事で2週間ほどカナダを旅してきた。
プライベートでも旅は大好きだけれど、これほど長く海外に滞在するのは初めて。
見たことのない風景や、自分とはまったく違う暮らしをしている人々、
見るものすべてが新鮮で、
世界にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだと再確認。
外国の言葉も勉強してみたいなと思ったり。
とにかく刺激に満ちた旅だった。

#4 旅と器のいい関係。
#4 旅と器のいい関係。

食いしん坊の私としては、日々出会う異国の食べ物にも興味津々で。
マーケットに並ぶ野菜やレストランで食べた未知の味を
なんとか忘れず持ち帰りたいと、目と鼻と舌をフル稼働して味わった。

日常に戻って久しぶりにキッチンに立つと、
いつも通りに作ったはずの料理が、数日前まで滞在した土地の料理に
少し似ていることに気がつく。

味もそうだし、使う器や盛り付けも、これまでと少し違う。
旅の経験って、ちゃんと身に染み込んでいるんだ。
そう思ったら、もっともっといろいろな土地に足を運びたいと思う。

#4 旅と器のいい関係。
#4 旅と器のいい関係。

カナダの少し前、短い期間だったけれど沖縄を旅する機会があった。
このときも同じで、家に帰って久しぶりの休日、
簡単なブランチを作ろうと思ったら、迷わず沖縄で買ったプレートを手にしていた。

沖縄の土から作られた大ぶりなプレートは、
白の中にも大地のあたたかみと力強さを感じさせる独特のニュアンスがあって、
触れるとほのかに感じるざらつきに野性味がある。
よく作るたまごサンドに色とりどりのラペやピクルスを合わせたくなったのは、
その器から鮮やかな花が咲き乱れる沖縄の風景を感じたからかもしれない。

そういえば、以前訪れた石垣島の食堂でも、
素朴な料理の副菜に、カラフルな野菜がたくさん盛られていたな。
普段は気に留めていなくても、一枚のお皿を手に取ることで、
いつかの旅で見た風景や感動した味がありありと蘇(よみがえ)ってくる。
そんなときは、器を好きになってよかったなと思う。

器は、旅先で生まれた感情を閉じ込めて、日常に運んでくれる。
だから私はいつだって、旅した先々で器を探してしまうんだ。

#4 旅と器のいい関係。

今日のうつわ

沖縄県 紺野乃芙子(こんののぶこ)さんのプレート
沖縄で土作りから器制作を行う紺野さん。沖縄を旅したとき、地元の方に教えてもらって知った陶芸家で、その素朴で、かつ力強さのある風合い、佇(たたず)まいに惹(ひ)かれました。少しふちの高いプレートは、こんもりとサラダを盛ってもさまになるし、パンとサラダをワンプレートにしても収まりがいい。藍染めを思わせるブルーとニュアンスのある白のコントラストが上品で、和食にも洋食にも、冷たい料理にもあたたかい料理にもよく合います。

お茶わんは、沖縄のやちむん通りでふらっと入ったお店で買ったもの。

    ◇

写真 相馬ミナ 構成 小林百合子

PROFILE

高山都

モデル 1982年、大阪府生まれ。モデルやドラマ、舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広い分野で活躍。フルマラソンを3時間台で完走するなどアクティブな一面も。最近は料理の分野でも注目を集め、2作目となる著書『高山都の美 食 姿2』では、背伸びせずに作る家ごはんレシピを提案。その自然体なライフスタイルが同世代の女性の共感を呼んでいる。

「高山都の日々、うつわ。」

丁寧に自分らしく過ごすのが好きだというモデル・女優の高山都さん。日々のうつわ選びを通して、自分の心地良いと思う暮らし方、日々の忙しさの中で、心豊かに生きるための工夫や発見など、高山さんの何気ない日常を紡ぐ連載コラム。

バックナンバー

#5 お弁当づくりから学んだこと。
#3 夏の麺と沖縄のガラス。
#2 雨の日の花しごと。
#1 青いプレートとジャムトースト。

#3 夏の麺と沖縄のガラス。

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#5 お弁当づくりから学んだこと。

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