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「ドレス・コード」って? 装い問う 京都国立近代美術館

ファッションは時代や地域、社会階層などと結びつき、「ドレス・コード」ともいえる暗黙のルールや駆け引きとともに営まれてきた。京都国立近代美術館では「着るという行為」を通じて人と社会の関わりを問う展覧会「ドレス・コード? ――着る人たちのゲーム」が開かれている。

「ドレス・コード」って? 装い問う 京都国立近代美術館

それぞれの時代のスーツ

京都服飾文化研究財団が収蔵する衣装約90点に、装いに関する現代美術作品などを加えて展示。13の章にそれぞれ「組織のルールを守らなければならない?」「大人の言うことを聞いてはいけない?」といった抽象的な「ドレス・コード」を掲げた。

展覧会を貫くテーマの一つが「同化と差異化」だ。1900年代から現代までのスーツ20点の中で異彩を放つのは、40年代のアメリカで流行した長いジャケットと太いパンツの「ズート・スーツ」。没個性的なユニホームをあえてデフォルメする手法は、70~80年代の日本の変形学生服にも通じる。軍服由来のトレンチコートや迷彩、労働者用のデニムは当初の機能を離れて「脱文脈化」し、普遍的なアイテムとして定着した。

「ドレス・コード」って? 装い問う 京都国立近代美術館

フェンディのドレス

現代美術や音楽に見られる引用の手法もファッションの分野で試みられた。ブランドロゴのパロディーで知られるアーティスト、ヘイ・レイリーのデザインを使ったフェンディのドレスは、ブランド価値に加えロゴ自体のデザイン性や再解釈を楽しむ現代の消費者の嗜好(しこう)を反映。現代芸術家ジェフ・クーンズが手がけたルイ・ヴィトンのバッグは名画を全面にプリントするなど、近現代社会の価値付けの構造を揶揄(やゆ)している。

「ドレス・コード」って? 装い問う 京都国立近代美術館

「ニッポンの洋服」(左奥)などの展示

展示の後半は衣装を使ったインスタレーションなどで、より大衆的な装いやサブカルチャーに焦点を当てる。「極道ジャージ」「異色肌」といった先鋭的な装いの人々を撮影した都築響一によるインスタレーション「ニッポンの洋服」は、古着やスポーツウェアを取り入れた高級ブランドの服と対置され、嗜好(しこう)や表現方法が多様化した現代の「ファッショナブル」の意味を問い直す。

10月14日まで。9月16、23日、10月14日をのぞく月曜と9月17、24日は休み。
(田中ゑれ奈)

キッズにも大人のトレンド きちんと感やジェンダーレス

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