高山都の日々、うつわ。

#5 お弁当づくりから学んだこと。

 
#5 お弁当づくりから学んだこと。

この間、ふと思い立ってお弁当をつくってみた。
とくに出かける予定もなかった平日。
朝起きてこしらえたお弁当を、昼過ぎに部屋で食べる。
ああ、おいしいなあ。ひとりごと。

しっかりめに下味をつけたから揚げ、にんじんのたらこ炒め
黄身がとろとろの半熟卵。どれも定番。
これまで何度となくつくってきたおかずを食べていたら、
なつかしい思い出がよみがえってきた。

#5 お弁当づくりから学んだこと。
#5 お弁当づくりから学んだこと。

お弁当づくりを始めたのは、30歳を過ぎた頃だった。
当時熱中していたランニング以外は、
とりたてて“習慣”と呼べるものがなかった私。
毎日続けられる何かがあれば、
日々の暮らしにも張り合いが出るかななんて、
気軽につくり始めた。

でも、いざつくってみると、これが難しい。
冷めてもおいしいおかずの工夫や、味が混ざりあわない詰め方のコツ。
何より段取りが悪くて毎朝ドタバタ。
お弁当づくりって、こんなに大変だったんだ!

それからというもの、お弁当料理の本を読んだり、
インスタグラムで上手な人の投稿を見たり。
最初はまねから入って、何度も失敗を重ねて。
気づいたらお弁当づくりを始めて1年半も経っていた。

#5 お弁当づくりから学んだこと。
#5 お弁当づくりから学んだこと。

今ではつくり置きのおかずのレパートリーも増えて、
詰め方にも自分なりのルールができた。
無理に仕切りを入れなくても、混ざっていいおかずと
混ざってほしくないおかずの配置を考えればいい。

朝はまずごはんを詰めて冷まし、その間に揚げ物。
同時進行でつくり置きおかずを詰めていく。
タイミングや段取りが自分のものになれば、
お弁当づくりはとっても早くて、全然苦にならなくなった。

今、自分で作ったお弁当を食べてしみじみ思うのは、
何かを“続ける”って、大切なことなんだ、ということ。
どんなことでも、最初はみんなへたくそで、
迷ったり、へこんだり、辞めたくなったりする。

でもそれを乗り越えたらきっと、賢く、強くなれる。
実際、お弁当づくりで学んだ段取りのコツや料理の工夫は
日常の暮らしや仕事、いろいろなところで役立っている気がするから。

小さなことだけれど、私にとってはとても大切。
たくさんのことを教えてくれたお弁当に、今は心から感謝している。

#5 お弁当づくりから学んだこと。

今日のうつわ

畑漆器店の〈マリメッコ〉コラボランチボックス
石川県にある畑漆器店は、加賀市に古くから伝わる山中漆器を今も変わらぬ製法で作り続けるお店。これは北欧ブランドの〈マリメッコ〉とコラボレーションしたモデルで、洗練されたデザインの中にも木目の美しさが映えていて、とても気に入っています。木製のお弁当箱はごはんやおかずの水分をほどよく吸ってくれるそうで、これに詰めると、いつものお弁当がよりおいしく感じられるような気がします。

    ◇

写真 相馬ミナ 構成 小林百合子

PROFILE

高山都

モデル 1982年、大阪府生まれ。モデルやドラマ、舞台の出演、ラジオ番組のパーソナリティなど幅広い分野で活躍。フルマラソンを3時間台で完走するなどアクティブな一面も。最近は料理の分野でも注目を集め、2作目となる著書『高山都の美 食 姿2』では、背伸びせずに作る家ごはんレシピを提案。その自然体なライフスタイルが同世代の女性の共感を呼んでいる。

「高山都の日々、うつわ。」

丁寧に自分らしく過ごすのが好きだというモデル・女優の高山都さん。日々のうつわ選びを通して、自分の心地良いと思う暮らし方、日々の忙しさの中で、心豊かに生きるための工夫や発見など、高山さんの何気ない日常を紡ぐ連載コラム。

バックナンバー

#4 旅と器のいい関係。
#3 夏の麺と沖縄のガラス。
#2 雨の日の花しごと。
#1 青いプレートとジャムトースト。

#4 旅と器のいい関係。

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