料理家・冷水希三子の何食べたい?

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は思い立ったとき、すぐに作れる即席キムチと、合わせて食べたい韓国料理のポッサムをご紹介します。

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。朝夕は涼しくなって、気持ちのいい季節ですね。

冷水 本当に! ずっとこんな気候だったらいいのにと思いますね。

―― 秋の到来とともに食欲も爆発していて、何を食べてもおいしいです!

冷水 ふふふ、食欲の秋到来ですね! 

―― 読者のみなさんも「おいしい秋」を楽しんでいるようで、最近は料理欲も高まっているみたいです。ホームパーティーに出せるようなお料理が知りたいという声もたくさんいただいています。

冷水 たしかに、お友達とゆったりお食事を楽しみたい季節ですね。じゃあ今日は食卓が華やぐ韓国料理なんていかがでしょうか? お酒も進みますよ(笑)。

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

塩をした白菜を大きめのボウルに入れ、水を入れた計量カップを小さめのボウルに。それを重ねてぎゅっと押すと即席の重しになります

―― わあ、冷水先生の韓国料理、すごく楽しみです〜!

冷水 私は韓国を旅するのも好きで、毎年年末には自家製キムチを漬けているんです。長く発酵させるものは時間も手間もかかって大変ですが、今日はさっと作れる即席キムチをご紹介しようと思います。

―― えっ! 家でキムチが作れちゃうんですか!? それはぜひやってみたい。

冷水 発酵させないので浅漬けみたいな感じですが、爽やかでおいしいんですよ。今日はキムチと一緒に食べるポッサム(豚のゆで肉)の作り方もご紹介するので、ぜひ自宅でポッサムパーティを楽しんでください。

―― ポッサムって、ゆでた豚肉を葉っぱで包んで食べる料理ですよね?
 
冷水 そう、「ポッサム」は韓国語で「包む」という意味だそうで、豚肉やキムチ以外にもごはんはもち米なんかを包んで食べるんです。

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

キムチ用の調味料と人参(にんじん)、大根、ニラを合わせた「キムチの素」。ここに水分を切った白菜を入れて和えれば即席キムチの完成

―― 日本でいう手巻きずしみたいな感じかな(笑)。みんなでわいわい包んで食べる料理は世界共通で食卓が盛り上がるんですね!

冷水 じゃあまずは即席キムチから作っていきましょうね。白菜をざく切りにして塩をふり、水分を出すために1〜2時間ほど重しをしておきます。

―― ここまでは日本の浅漬け的な感じですね。

冷水 次にボウルに調味料を入れてよく混ぜ、そこに人参や大根の千切り、ざく切りにしたニラを和(あ)えていきます。

―― わ〜、真っ赤!! 辛そうですね……。

冷水 見た目は辛そうですが、キムチに使う韓国唐辛子はそこまで辛くないんですよ。調味料の中に梨のすりおろしを加えるのがポイントで、これがお砂糖がわりになるんです。あとはコクを出すためにナンプラーを少し、今日は発酵させないので、酸味を加えるために酢も入れてあります。

―― この「キムチの素」の作り方をマスターすれば、思い立ったときにいつでもキムチが作れるんですね~、メモメモ!

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

下ゆでした豚肉の塊は香味野菜を入れた鍋に移して1度沸かします。ここでダメ押しのアク取りをすれば、濁りのないゆで汁になります。追いだしとみそでみそ汁にしてもおいしいですよ

冷水 白菜から水が出るまでの間に、ゆで豚を作りましょう。まずは沸騰した湯で豚肉の塊をさっと湯通ししてアクを取ります。

―― 出ました! 冷水先生必殺の「下ゆで!」

冷水 ふふふ。この一手間でアクを取っておくと、豚肉のおいしいだしが出たゆで汁をスープやおみそ汁に使えるので、ぜひスキップせずに実践してくださいね。

―― はい!

冷水 別の鍋に長ネギ、しょうが、昆布、塩を入れて、下ゆでした豚肉も加えてゆでていきます。1度沸かしてさらにアクを取ったら、その後はごく弱火で40分ほど静かに煮ていきましょう。

―― 水面が静かに揺れる程度の、本当に弱火ですね……。

冷水 煮立たせるとさらにアクが出てしまうので、ここは静かに、のんびりとが鉄則です。イライラは禁物ですよ(笑)。

―― おいしいものを作るには、心の余裕が大切ですね(汗)。

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

1時間ほど重しをした白菜は、さらに手で絞って水分を切ります。水切りが甘いとせっかくの調味料が薄まってしまうので、ギュギュッとお願いしますね

冷水 さあ、そろそろ白菜から水分が出た頃かしら。ほら、こんなに。

―― おお〜! 

冷水 ぎゅっと手で絞ってさらに水分を取って、さきほど作っておいたキムチの素と和えましょう。即席キムチはこれで完成です。とっても簡単でしょう?

―― これなら作れそうです!

冷水 豚肉がゆで上がるまで時間があるので、ポッサム用の甘辛みそも作りましょうか? これがあるとないのとでは全然おいしさが違いますから。

―― ぜひ、ぜひ~!

冷水 これには青唐辛子を入れるのがポイントですから、ぜひレシピを見て作ってくださいね。さあ、豚肉もゆで上がったし、どんどん巻いて食べましょう!

―― サンチュの上にスライスした豚肉を置いて、手作りみそと即席キムチと……。う〜ん、キムチがシャキシャキしてて、歯ごたえも楽しいですね!

冷水 長く漬けたキムチもおいしいですけど、浅漬けも爽やかでいいですよね。豚肉の脂をさっぱりしてくれて、たくさん食べられると思いますよ。

―― 手作りの甘辛みそもピリ辛でおいしいですね!

冷水 みそもキムチも辛さや甘さを自分で調節できるのが自家製のいいところです。ぜひ色々な調合で自分流のポッサムを探求してみてくださいね。

今日のレシピ

即席キムチとポッサム

■材料(4〜5人分)

白菜:250g
塩:白菜の2%の分量
人参:30g
大根:30g
ニラ:1本


韓国唐辛子(荒):10g
にんにくすりおろし:1/2片分
しょうがすりおろし:1片分
なしのすりおろし:1/3個分
ナンプラー:小さじ2
酢:小さじ2

豚肩ロース塊:500g
長ネギの青いところ:1本分
しょうがスライス:1片分
酒:100ml
塩:適量 
昆布:10cm角1枚 


みそ:50g 
コチュジャン:10g 
にんにくすりおろし:少々 
青唐辛子:2本
酒:小さじ1 
ごま油:小さじ1

サニーレタスやエゴマ、青しそなど適量
もち米やご飯:適量

作り方

 白菜は一口大に切ってから塩をもみ、重しをして1時間ほどおく。

 人参と大根は千切りに、ニラは2cmの長さに切り、の材料とボウルで混ぜ合わせる。

 ポッサムを作る。豚肉の塊を熱湯で1分ほどゆでていったん取り出す。長ネギ、しょうがスライス、昆布、酒、塩ふたつまみ、ひたひたの上くらいまで水を入れた鍋に霜降りにした豚肉を入れ、中火にかける。沸いたらアクを取り、弱火にして40分ほど煮る。

 の白菜の水気を絞り、のボウルに混ぜ合わせる。

 ポッサム用のみそを作る。Bの材料の青唐辛子は小口切りにして、他の材料全てを混ぜ合わせる。

 の豚肉を5mmくらいの厚さにスライスする。

 サンチュやエゴマの葉、青じそなど、好みの葉っぱでのゆで豚やの即席キムチ、の味噌、ご飯などを巻いて食べる。
 
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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


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PROFILE

手作りキムチで楽しむ、韓国風ポッサム(豚のゆで肉)

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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