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《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

第32回東京国際映画祭(TIFF)が10月28日から11月5日まで、東京・六本木ヒルズなどで開かれる。約170本の映画が上映され、内外のゲストを交えたQ&Aやトークショーなどのイベントも目白押し。公開前の話題作を先取りしたり、新世代の才能を探したり、ワールドシネマの新潮流に浸ったり、と攻略方法はいろいろ。チケット発売開始にあたり、主要部門の注目ポイントをチェックしてみよう。

(トップ写真はラインナップ発表会見。右からコンペ部門の足立紳監督、手塚眞監督、オープニング作品の山田洋次監督、アニメ部門出品作「プロメア」の脚本家・中島かずきさん (c)2019 TIFF)

今年の開催日程は例年よりも遅め。10月22日の「即位礼正殿の儀」に伴い都心部のホテルがひっ迫したことなどが影響したという。期間中の休日は11月2~4日の3連休だけだが、平日もレイトショー時間帯まで上映があり、仕事帰りにお祭り気分を味わうこともできる。

日本映画2本がコンペに挑戦


《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

コンペ作品「ラ・ヨローナ伝説」(ハイロ・ブスタマンテ監督)。グアテマラの怪談を下敷きにした虐げられた女性たちの復讐(ふくしゅう)劇 (c)COPYRIGHT LA CASA DE PRODUCCION – LES FILMS DU VOLCAN 2019

コンペティション部門では、115カ国・地域の1804本の候補作から選んだ14本を上映する。9月のベネチア映画祭のオリゾンティ部門最高賞の「アトランティス」やベニスデイズ部門最高賞の「ラ・ヨローナ伝説」、イランのファジル映画祭で観客賞に選ばれた「ジャスト 6.5」など、海外の映画祭を沸かせた作品が登場。2012年のTIFF最優秀アジア映画賞を受賞したトルコのレイス・チェリッキ監督の新作「湖上のリンゴ」など、東京がワールドプレミアの作品も7本ある。


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コンペ部門の「ばるぼら」(手塚眞監督)(c)Barbara Film Committee

日本映画も2本エントリー。「ばるぼら」は、映像化が不可能だと言われた手塚治虫の異色作を息子の手塚眞監督が映画化。稲垣吾郎、二階堂ふみが禁断の世界に挑む。「喜劇 愛妻物語」は、「百円の恋」の脚本で高評価を受けた足立紳が自身の自伝的小説を映画化した監督第2作。売れない脚本家&毒舌な妻というカップルを濱田岳と水川あさみが演じる。


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コンペ部門の「喜劇 愛妻物語」(足立紳監督) (c)2020『喜劇 愛妻物語』製作委員会

審査委員長は中国の人気俳優チャン・ツィイー。女性がトップを務めるのは2003年のコン・リー以来16年ぶりになる。

《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

審査委員長を務めるチャン・ツィイー

また、アジア各地の長編3作目までの新鋭が競う「アジアの未来」では8本を上映。国内のインディーズ作品の登竜門の「日本映画スプラッシュ」では、フレッシュな若手作品と並んでドキュメンタリー映画の巨匠・原一男監督が今年7月の参院選を追った「れいわ一揆」が特別上映される。

近日公開の話題作も、公開未定の逸品も


《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

クロージング作品 「アイリッシュマン」(マーティン・スコセッシ監督) (c)Netflix

近日公開の新作をいち早く紹介する特別招待部門は27本と例年以上のボリューム。オープニングを飾るのは山田洋次監督の「男はつらいよ お帰り 寅さん」。誕生50周年を迎えた国民的映画が、4Kデジタル修復した過去の場面と新たに撮り下ろしたドラマを融合させて蘇(よみがえ)る。大きな目玉としてはマーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」。ロバート・デ・ニーロを主演に迎えて米国の裏社会を描く注目のNetflix作品を大スクリーンで堪能できる。


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特別招待部門の「ジョジョ・ラビット」 (c)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC

ほかにも、周防正行監督の待望の新作「カツベン!」、釜山映画祭開幕作品に選ばれた森山未來主演の日本・カザフスタン合作映画「オルジャスの白い馬」、役所広司主演の中国・日本合作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」などをプレミア上映。才人タイカ・ワイティティ監督がヒトラー役で出演も兼ねるトロント国際映画祭・観客賞作品「ジョジョ・ラビット」、「ベッカムに恋して」の女性監督グリンダ・チャーダがブルース・スプリングスティーンの音楽に乗せて英国の青春を描く「Blinded by the Light (原題)」、ノア・バームバック監督の「マリッジ・ストーリー」など映画ファンなら要チェックの作品が並ぶ。


《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

ワールド・フォーカス部門の「チェリー・レイン7番地」(楊凡監督)。反英デモが高まりを見せた1967年の香港を描く異色アニメ。現実とのシンクロぶりも話題に @Farsunfilmcompanylimited

日本公開未定の多彩な作品に触れられるのも映画祭ならではの楽しみ。世界の映画祭の秀作を集めるワールド・フォーカス部門では、カンヌ映画祭ある視点部門審査員賞の「ファイアー・ウィル・カム」、ベネチア映画祭コンペ部門で脚本賞を獲得した香港のアニメーション「チェリー・レイン7番地」、ベルリン映画祭コンペ作「ゴーストタウン・アンソロジー」など12本を紹介。毎回独自の切り口で東南アジアの最旬映画を紹介するCROSSCUT ASIA部門はホラーやSFなどを特集。斎藤工が日本編を監督したオムニバスホラー「フォークロア」や、フィリピンの鬼才ラヴ・ディアス監督の4時間43分の近未来SF「停止」など9作品を上映する。


《東京国際映画祭 2019》審査委員長はチャン・ツィイー 話題作先取りにレアもの発掘……攻略法はいろいろ

TIFFのメイン上映会場はTOHOシネマズ六本木ヒルズとEXシアター六本木。期間中は東京ミッドタウン日比谷でも人気映画の無料屋外上映などがある

チケットは10月12日から発売。詳細はTIFF公式サイト

(文・深津純子)

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