料理家・冷水希三子の何食べたい?

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は旬のキノコが主役。そのまま食べても、作り置きしてアレンジしてもおいしいマリネを教えていただきます。

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。なんだか日がぐっと短くなって、センチメンタルな季節になってきましたね。

冷水 秋と冬の間という感じで、木々が色づき始めるのも間もなくですね。

―― 私は山登りが趣味なのですが、山の上ではもう紅葉真っ盛りでした! 

冷水 あら、そうなんですか。この季節の山は美しいでしょうねえ。

―― 食いしん坊の身としては、足元にわんさかと生えているキノコが目について、目について(笑)。さすがに採って食べたりはしませんけど、山の麓(ふもと)の市場には、この季節たくさんキノコが並んでいて、いつもすごい量を買ってきちゃうんです。

冷水 まあ、山登りにはすてきな副産物があるんですね(笑)。

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

旬のキノコをどっさりと。今回は同じくこれからがおいしいサツマイモも一緒にオイル煮にします

―― それで今日はわたくしからのリクエストで恐縮ですが……、張り切って買い込みすぎたキノコを保存できるようなレシピを教えていただけたら、と。

冷水 さてはたくさん買い込んだはいいものの、食べきれずにダメにしちゃっていますね~、コラッ!

―― すすす、すみません~(涙)。先生、そんなキノコさんたちのレスキューレシピを教えてください!!

冷水 たしかに今が旬のキノコはおいしそうだしお値段も手頃ですから、たくさん買ってしまう人は多いかもしれませんね。それでは、今回はキノコとこれからがおいしいサツマイモも一緒にオイル煮にしましょう。

―― 感謝感激~。キノコに変わってお礼申し上げます!
 
冷水 今日はしいたけとしめじを使いますが、お好きなきのこを使っていただいて結構ですよ。

―― わ~、キノコが山盛り! どんなお料理になるんですか?

冷水 オリーブオイルを使ったオイル煮です。そのままでも前菜やおつまみとして楽しめますし、オイルに浸して瓶詰めにすると1週間くらい保存できますよ。

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

しめじのほかにマッシュルームや舞茸(まいたけ)などを使ってもおいしいですよ

―― おおお! まさにそんなレシピが知りたかったのです!

冷水 火が通っているので、そのままパスタと和(あ)えたり、オムレツの具にしたり、いろいろアレンジできるので、たっぷり作っておいても余るということがないですよ、きっと。

―― これで我が家のキノコちゃんたちも報われます(涙)

冷水 今日は同じく秋の味覚のサツマイモも一緒に煮ましょう。食べ応えが増しますし、食感も楽しめますからね。まずはキノコとサツマイモを食べやすい大きさにしていきましょう。

―― ローズマリーも使うんですね。

冷水 オイル煮は煮込むというより蒸すといった感じなので、ハーブを一緒に入れるとすごく香りが立つんです。

―― 見た目にもおしゃれです!

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

鍋に材料を入れてから火にかけます。キノコが多いな~と思っても、煮ると半分以下の量になるのでご安心を

冷水 作り方はとっても簡単で、お鍋にキノコとサツマイモ、潰したニンニク、種を取り除いた赤唐辛子、白ワイン、オリーブオイル、ローズマリーと塩を入れて30分程度蒸らし煮するだけです。

―― えっ、それだけ!?

冷水 ね、とても簡単でしょう。

―― 気をつけることは何かありますか?

冷水 お鍋に材料を入れたら、最初は中火くらいにして、白ワインのアルコールを飛ばさないと。でも沸いたらすぐに弱火にして、それからは弱火でじっくりと蒸らし煮てください。

―― そ、その心は!?

冷水 じっくりと熱を入れることでキノコから水分が出て、同時においしいエキスも出てきますよ。オイル煮は素材のおいしさを引き出すお料理なのです。

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

蒸らし煮することでキノコから水分が出て、全体はこれくらいの量に。キノコとローズマリーの香りがキッチンいっぱいに広がります

―― なるほど、じゃあ煮ている間は蓋(ふた)を取らない方がいいんでしょうか?

冷水 そうですね、頻繁に蓋を取らなくても、時々かき混ぜて、どれくらい水分が出ているかチェックしましょう。

―― うわ~、あれだけ大盛りだったキノコが半分以下の量になってる!

冷水 サツマイモに火が通って柔らかくなったら出来上がりです。熱々のまま食べてもおいしいですし、冷蔵庫で冷やすと味が締まって、キノコのうまみをより感じられると思います。

―― キノコのうまみもさることながら、サツマイモがおいしいエキスをたっぷり吸っていて、これまたおいしい~! 

冷水 サツマイモ、なかなかいい仕事をするでしょう?

―― 口の中が秋真っ盛りって感じです!

冷水 保存するときは保存瓶いっぱいにオリーブオイルを入れてくださいね。

―― はい! とはいえ、おいしすぎて全部食べ切ってしまいそうですが(笑)。でもこのキノコの香りが移ったオイル、パスタにしても最高ですよね!

冷水 バゲットにのせてオープンサンドみたいにしても。アレンジは無限大ですね。ぜひいろいろ活用してください!

今日のレシピ

キノコとサツマイモのオイル煮 

■材料

しいたけ 12枚 
しめじ 180g(1パック) 
サツマイモ 150g 
ローズマリー 2本 
にんにく 1片 
赤唐辛子 1本 
塩 小さじ1/3強 
EXVオリーブオイル 120ml 
白ワイン 50ml

作り方

 しいたけは4等分、しめじは石突きを切ってほぐす。にんにくはつぶして芯を取り除く。赤唐辛子は種を取り除く。サツマイモは一口大に切り水にさらす。

 厚手の鍋にの材料とローズマリーと塩を加えて混ぜ合わせ、白ワインとEXVオリーブオイルを加えて中火にかける。沸いたら蓋をして、時々混ぜながら弱火で30分ほど蒸らし煮する。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)


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PROFILE

秋のうまみをぎゅっと凝縮。いろいろキノコのオイル煮

冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

PROFILE

  • 小林百合子

    編集者
    1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

  • 関めぐみ(写真)

    写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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