自然派コスメ「ロクシタン」の約束 福島・南相馬に1301本の木を

自然派コスメ「ロクシタン」の約束 福島・南相馬に1301本の木を

ロクシタンジャポン提供

何かを買うとき、できれば人や環境にやさしい企業のものを選びたい。そんな視点でモノやサービスを選ぶ「エシカル消費」が、少しずつメジャーになってきている。私たちが日々使っているあの化粧品は、どんな企業によって、どんな哲学のもと生み出されているのだろう。ブランドの裏側にあるストーリーに、改めて思いをはせてみたい。

     ◇

1301。ロクシタンジャポンがこの秋、福島県南相馬市の沿岸部で植えた苗木の数だ。

シアバターやハンドクリーム、ヘアケア用品などで知られるフランスのコスメティックブランド、ロクシタン。植物を主な原料に、伝統的な手法で作られる自然派コスメは、豊かな自然に包まれた南仏プロバンスの伝統や感性を、世界中に伝えている。

ブランドの始まりは1976年。創設者のオリビエ・ボーサンが、農家の納屋で眠っていた古い蒸留器を手に入れ、ローズマリーのエッセンシャルオイルを蒸留したことが発端だ。以来、原材料のトレーサビリティーの確保や、適正な価格での仕入れ、環境負荷の少ないパッケージの使用など、独自のガイドラインに沿ったもの作りを続けている。

ロクシタンが、創業時から取り組んでいるCSR(企業の社会的責任)活動の理念を改めてまとめ、「ロクシタンの約束」として公表したのは、2019年のこと。

「植物の多様性を保護」「生産者のサポート」「女性の自立を支援」など六つの柱とともに、それぞれ「2025年までに1000品種の植物を保護」「2025年までにすべての生産者とフェアトレード関係を結ぶ」といった行動目標を掲げている。

自然派コスメ「ロクシタン」の約束 福島・南相馬に1301本の木を

ロクシタンジャポンのニコラ・ガイガー社長(右)、南相馬市の門馬和夫市長(中央)=ロクシタンジャポン提供

植樹はその一環だ。環境保護に取り組む国際NGO「Pur Project(ピュール プロジェ)」との協働を始めた2019年に、ロクシタンが世界11カ国で植えた苗木は、合わせて3万1656本にのぼる。

このうち10月10日に南相馬市であった植樹活動には、ホームページやSNSで募集した20~50代のボランティアや、ロクシタン社員、南相馬市の門馬和夫市長ら計49人が参加した。植えたのは、2011年の津波に耐えたサクラやタブなど、およそ20品種。10人ほどのグループに分かれて斜面に植えつけ、土の流出や乾燥から苗木を守るための稲わらを敷きつめていく。被災地で森を育てる活動をしている「鎮守の森のプロジェクト」のスタッフの指導で、作業は進んだ。

南相馬市役所は、津波から地域を守るため、2027年までに33万1千本、6.84ヘクタールの海岸防災林を整備することにしている。ロクシタンが植えた木々も、この防災林の一部になるという。

自然派コスメ「ロクシタン」の約束 福島・南相馬に1301本の木を

ロクシタンジャポン提供

植樹の日、ロクシタンジャポンのニコラ・ガイガー社長は、こんなあいさつをした。「自然と共生し、大地の恵みをお届けする製品を展開するロクシタンの社員、そして、その思いを共有してくれる消費者の方々と活動できて、とてもうれしい」

その思いは、参加したボランティアも同じだ。「以前からボランティアに興味があったものの、なかなか足を踏み入れられずにいた。良いきっかけをもらった」「楽しく活動し、かつ社会のためになることができて、とても有意義だった」。次々とポジティブな感想があがった。

社会を良くしたい。その思いで、企業と消費者がつながる。南相馬市での植樹活動は、単なる「売る」「買う」にとどまらない両者の関係性を象徴しているようだった。

ロクシタンは今後、熊本地震の被災地支援の一つとして、熊本県でも植樹をしていく。チャリティー製品「くまモンシア」の収益金を、苗木などの資金にあてる計画だ。

(文・&w編集部)

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