特集

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

寝つきが悪い、熟睡できない、慢性的に寝不足、不規則な睡眠時間……。現代女性が抱える眠りにまつわる悩みを解消するためにはどうすればいいのだろう? 睡眠学を研究する、明治薬科大学・駒田陽子准教授によりよい眠りのコツをアドバイスしていただきました。

快眠のカギは体内時計にあった

私たちの体は、朝起きて明るい光を浴びることによって、体内リズムを一定に整えるという作業を毎日繰り返しています。ですから、週末に夜更かし朝寝坊をすると、体内リズムが乱れて、夜型の体内時計になってしまいます。その結果、日曜日の夜に、明日は仕事だから0時くらいには寝なくちゃと思ってもなかなか寝付けないということに。
体内リズムは後ろには簡単にずらすことができますが、いったんずれると前に戻すのはなかなか難しく、それが寝つきや目覚めの悪さの要因になっています。これらを解決するには、体内リズムを一定にキープすることが重要です。

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

これならできそう、体内時計の七つの整え方

1)毎日の就寝時間を30分だけ早める
忙しいと言いながら、実はぼんやり過ごすことや、なんとなくダラダラしていることがあるはず。その分を睡眠に当てられるように時間の使い方を振り返って、30分でも早寝を心がける。

2)休日も平日と同じ時間に起床する
休日も普段の生活と同じように、起きて朝食を取り、光を浴びることで、体内時計がリセットできるので、まずは起きる。もし眠いとか寝足りないと感じる場合は、昼寝で補うほうが体内時計を乱さずにすむ。

3)土日こそ早めに寝るチャンス
土日はいつものように仕事がないぶん少しでも早寝をして、睡眠時間を確保する。

4)休日はアウトドアで過ごしてみる
昼はすごく明るく、夜はすごく暗い環境で過ごすことができるキャンプなどは、日常生活に比べて、メラトニンという眠りに作用するホルモン分泌の開始時刻が早まり、スムーズに眠れる。

5)日中は積極的に光を浴びる
自然光のある時間帯はできるだけ明るいところで過ごす。オフィスだから無理!と思うかもしれないが、例えば、なるべく部屋のブラインドを開ける、ランチタイムは外出したりオープンエアで食事をするなど、自然の明るさを感じる工夫を。

6)夜、自宅では蛍光灯を消す
オフィスでは日没後6〜7時間は電気がついている=光を浴びている状態にさらされているので、帰宅後は、間接照明やダウンライトのような穏やかな光にして、できるだけ明るくない環境づくりを。そうすると体内時計が、朝、昼、夜を認識し、体のリズムも変わってくる。

7)食事時間を決める
例えば、朝7時、昼12時、夜7時、決まった時間に食事を取ることも体内時計の維持には大切。残業で夕食が遅くなる場合は、残業前の休憩で半分くらい食べて、帰宅後は補う程度に。また、食べてすぐに寝ると逆流性食道炎が起こりやすくなったり、よい眠りがとれないので、入眠数時間前には夕食を終えているのが理想的。

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

睡眠不足を解消するために毎日少しずつ早寝を

そもそも睡眠時間が短いこと自体も問題です。本来成人で7~9時間の睡眠が必要と言われていますが、1日の平均睡眠時間が6時間未満の場合、睡眠不足の蓄積により心身の不調を引き起こしてしまう『睡眠負債』の状態。それは仕事のパフォーマンスを下げるだけでなく、健康面では肥満、メタボのリスクを上げ、女性に関しては、月経や妊娠などへの影響も危惧されています。

日々の睡眠不足を解消するには、土日の寝だめでまとめて返済するのではなく、前述の体内時計の整え方でも言及しているように、いつもよりちょっとでも早めに寝るよう心がけることが重要です。

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

実践したい!良質な眠りのための下準備

リラックスできる睡眠環境を演出

間接照明で部屋を暗くしたら、さらに自分がリラックスできるような寝室環境を目指そう。素材にこだわった、布団、シーツ、枕などの寝具に始まり、パジャマ、香り、空気清浄機など睡眠時間を快適に過ごすためのアイテムを取り入れてみるのもおすすめ。起きている時間の服装には気を使うけど、人生の中の3分の1、4分の1を費やす睡眠にはお金や時間をかけていないことが多い。そこに意識を向けて、ちょっとぜいたくしてみるのもいいかも。

入浴で体を温める
体の深部体温を下げていくと眠りやすくなる。深部体温を下げるためには、手足の抹消(まっしょう)血管が拡張し放熱する必要がある。そこで入浴して体を温め、リラックス、リフレッシュするのが効果的。ただし、過度に熱いお風呂は、かえって体が火照って寝つきが悪くなるので要注意。個人差はあれど、基本的には就寝1〜2時間前に適温のお風呂に入ると、眠る頃にちょうどよく深部温度が下がって入眠しやすくなる。

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

良質な眠りを妨げる、やってはダメな3カ条

1)寝る直前の飲酒・喫煙
就寝前のアルコールは睡眠の質を悪くするので避けること。もしアルコールを摂取するなら食事のタイミングで。お酒を飲むと入眠はしやすいが、眠れているようで実は熟睡できておらず、夜中トイレに行きたくなることも多い。お酒は覚ましてから寝ること。また、覚醒作用があるたばこや、コーヒーなどのカフェインも避けること。

2)激しい運動、熱いお風呂
体を動かすと疲れて眠れるような気がするが、逆効果になることもある。寝る前は心身を興奮させるような、激しい運動、仕事や悩み事など睡眠とは逆のことはせずに、体がリラックスする方向に持っていく。

3)明かりと音楽はないほうがベター
いざ眠る時にはあかりも音楽もないほうがいい。睡眠中に音が鳴っていると、眠りは阻害され、光に当たると目も覚めやすくなる。ただ、人によって暗いと眠れない、音楽が流れていたほうがリラックスできる、無音だと考え事をしてしまうということもあるので、眠ったらタイマーで切れる設定に。

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

GettyImages

自分にあった生活リズムを維持しよう

早寝早起きを!というと、一気に難易度が高くなりますが、自分のライフスタイルにあった生活のリズムであれば問題ありません。大事なのは、毎日のリズムを変えないこと。職種や個人差もあるので、例えば、8時起床、夜中1時に就寝という人は、そのリズムをキープできれば、無理やり早起きする必要はありません。また、寝なきゃ寝なきゃとか、深く眠ろうと思ったりすることで逆に、眠れなくなったりもするので、こだわりすぎないという意識を客観的に持っておくといいかもしれません。

PROFILE

ぐっすり睡眠(2):寝付けない、起きられないとは、さよなら。目指せ!快眠上手

駒田陽子(コマダヨウコ)
明治薬科大学 リベラルアーツ 准教授。早稲田大学第一文学部 心理学専修 卒業。早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程修了・人間科学博士。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所特別研究員、東京医科大学 睡眠学講座 准教授などを経て、2017年より現職。日本睡眠学会評議員、日本時間生物学会評議員。目覚め方改革プロジェクトのメンバー(https://mezame-project.jp/)。主な著書は、「子どもの睡眠ガイドブック: 眠りの発達と睡眠障害の理解」(朝倉書店)、「基礎講座 睡眠改善学」(ゆまに書房)など。

(企画構成・文 佐々木真純 写真 GettyImages)

あわせて読みたい

ぐっすり睡眠(1):快眠をサポート!素材にこだわった上質なパジャマ

ぐっすり睡眠(1):快眠をサポート!素材にこだわった上質なパジャマ

トップへ戻る

RECOMMENDおすすめの記事