花のない花屋

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

〈依頼人プロフィール〉
三浦花梨さん(仮名) 37歳 女性
千葉県在住
会社員

     ◇

15年間勤めた会社を辞め、新たなチャレンジとして10月に転職をしました。以前は製薬会社の営業として働いていましたが、今度の職場はNPOです。
転職という大きな決断をしたきっかけは一冊の本でした。駒崎弘樹さんという社会起業家の方が書いた『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』という本を読み、大きく心を揺さぶられたのです。

自分とほとんど年も変わらないのに、駒崎さんは社会の問題を解決しようと積極的に動いています。彼の著書をどんどん読み進めるうち、自分も次第に困っている人を助けられるような仕事ができないだろうか、と思うようになりました。

以前の職場は社内の人や得意先の人にも恵まれ、私も人間として成長することができて居心地のいい場所でした。しかし、一度芽生えた「やりたい」という気持ちにふたをすることはできませんでした。一歩を踏み出さずに後悔することだけは絶対に避けたいと思い、転職活動をしたところ、幸いにも希望するNPOに入ることができました。

新しい職場では仕事を覚えなくてはいけないうえ、勤務地も遠くなったので、朝は小学生の子どもたちよりも先に家を出なくてはいけません。慣れるまでは子どもたちと過ごす時間も減ってしまい、しばらくは寂しい思いをさせてしまうでしょう……。でも、私自身が頑張る姿を見せることで、子どもたちに「いくつになってもチャレンジすることが大事だよ」というメッセージが伝わったらいいな、と思っています。

そこで、当初から「やりたいならやりなよ!」と転職に賛成してくれた夫と、笑顔で「ママ頑張って!」と応援してくれる子どもたちに、感謝の花束を贈りたいです。私と夫の元気の源である、子どもたちの笑顔をイメージしてアレンジしていただけるとうれしいです。

娘はおませで優しい子で、紫色と緑色が好きです。息子はムードメーカーで甘えん坊。黄色が好きです。夫は不器用だけど優しい人で、オレンジ色が好き。私は好奇心が強く緑色が好きです。普段はシンプルな花束が好みですが、新しいことにチャレンジしている今は、カラフルな花に目がとまります。新しい一歩を踏み出した私と家族へ、やる気がむくむくとわくような花束をお願いします。

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

花束を作った東さんのコメント

新たな世界へ背中を押してくれるカラフルな花束を、というご希望だったので、大ぶりの花を使い、エネルギーあふれる花束に仕立てました。

娘さんが好きな紫色は、大ぶりのアスターとカトレア。息子さんの好きな黄色は、カラー、トリトマ、バラ、カーネーション、マリーゴールド、ピンクッションにエクメア。ご主人の好きなオレンジは、ポンポン咲きのダリアにトリトマ、サンタンカ、グズマニア。三浦さんご本人が好きな緑は、シキミアの実にセダム、ナデシコ……。

ご家族みなさんの好きな色を使いながら、大きなダリアやピンクのケイトウ、ブバルディア、アンスリウム、プルモサスのつぼみ、グリーンネックレスなど、多種多様な花を挿していきました。プルモサスはリースのオーナメントやドライフラワーによく使われる花材で、花が開くと鳥の羽のようなふわふわの毛が出てきます。多肉植物も入れたので、お花が終わった後もぜひ育ててみてくださいね。

男の子っぽく、女の子っぽくといったどちらかの方向に傾かず、できるだけニュートラルに、かつ子どもたちの好奇心を刺激するようなアレンジを目指しました。

お子さまたちの反応はいかがでしたか? 新天地でのお仕事も頑張ってくださいね。

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

(&編集部/写真・椎木俊介)

>>これまでの「花のない花屋」をまとめ読み


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    見習いたい大きな存在 99歳の祖母へ

       

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  •    

    募る後悔。なんで最期くらい、優しくなれなかったんだろう
       

       

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  •    

    しょっちゅうは会えないけど…… かけがえのない親友へ
       

       

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  •      ◇

    「&w」では、読者のみなさまから「物語」を募集しています。
    こんな人に、こんな花を贈りたい。こんな相手に、こんな思いを届けたい。
    花を贈りたい人とのエピソードと、贈りたい理由をお寄せください。毎週ひとつの物語を選んで、東さんに花束をつくっていただき、花束は物語を贈りたい相手の方にプレゼントします。その物語は花束の写真と一緒に&wで紹介させていただきます。
    詳しくは応募フォームをご覧のうえ、お申し込みください。

    フラワーアーティスト・東信 (あずままこと)

    転職で新しい一歩 子どもたちの応援を胸に

    1976年生まれ。
    2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
    作品集に「ピエール・エルメ サティーヌ」「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSII 植物図鑑」(ともに青幻舎)など。

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    http://azumamakoto.com/

    PROFILE

    椎木 俊介(写真)

    ボタニカル・フォトグラファー

    2002年、東信とともに、銀座にオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。東が植物による造形表現をはじめると時期を同じくして、カメラを手にし、刻々と朽ちゆき、姿かたちを変容させていってしまう生命のありようを写真に留める活動に傾倒していく。日々、植物に触れ、その生死に向き合ってきたからこそ導き出すことのできる、花や植物のみが生来的に有する自然界特有の色彩や生命力、神秘性を鋭く切り取っていく。

    2011年に初の作品集となる東信との共著『2009-2011 Flowers』(青幻舎)を発表以降、常に独特の視点ですべての東の作品を捉え続け、近年は映像制作にも力を入れ、多岐にわたる活動を行っている。


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