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【インタビュー】ドリス・ヴァン・ノッテン×クリスチャン・ラクロワ 2020年春夏の新作を協業で

協業で美の復権、今こそ

【インタビュー】ドリス・ヴァン・ノッテン×クリスチャン・ラクロワ 2020年春夏の新作を協業で

ヴァン・ノッテン(右)とラクロワ(左)=大原広和氏撮影

パリ・コレクションの人気デザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンは9月、2020年春夏の新作をクリスチャン・ラクロワとの協業で発表した。装飾性の高い優雅な仕上がりで、観客を驚かせた。ラクロワは1980~90年代に脚光を浴びたオートクチュール系のデザイナー。パリで2人に、今回の意図を聞いた。

    ◇

――協業に至る経緯は。

ヴァン・ノッテン 現実逃避ができそうなコレクションにしようと思って。居心地の悪いこの世界から旅立ち、別の場所に連れていってくれて、また現実に向き合うための力を与えてくれるような。ラクロワの80~90年代にそんな仕事があったので、単に参照するのではなく、いま生み出すものが重要と感じて彼にメールしました。

ラクロワ 彼は色を愛し、色の混ぜ方を熟知している。柄も同様。モードの様々な語彙(ごい)の解釈でも共通点があると確信したので。

――どう実際の作業を?

ラクロワ 構想や素材は相当出来ていたので、私の作風をどうミックスするかのアイデアをピンポンのように交わした。量感やリボンはこれくらい、というふうに。

ヴァン・ノッテン 彼の展望や自由な視点が刺激的だった。過剰なヘアメイクで、現実にはない美しいオブジェを見る雰囲気にしようと。

――多くのブランドがサステイナブル(持続可能)に注力する中、美の復権をテーマにしたのは?

ヴァン・ノッテン ファッションが商売重視の工業製品になり下がったと感じていた。だから2人のクリエーティブな人間が作る服を世に送り出すのは今だと思った。とはいえ、我々だってタフタ(織物)にペットボトルを再生した素材を使っていますよ。

ラクロワ モードの現場を離れて10年経ち、舞台衣装作りに専念する私にとっても、モード界は混乱していて直視に堪えない。しかし次世代の後輩たちのサステイナブルな意識やミックス感覚は信じているし、もっと自由になれるはず、という彼らへのエールでもあるのです。

(編集委員・高橋牧子)

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