朝日新聞ファッションニュース

アフリカから、新しい風

アフリカ発のファッションに光が当たっている。若手デザイナーの世界的登竜門とされるLVMHプライズで9月、今年のグランプリに初めてアフリカのデザイナーが選ばれた。10月の東京コレクションでも、アフリカのブランドを紹介するイベントが開かれた。

「消費ではないファッションがある」

東コレには、アフリカと日本のファッション産業の発展と交流を目指すプロジェクト「FACE.A-J」が参加。10月16日、バンドの生演奏による楽しい雰囲気の中、日本とアフリカの各3ブランドがショーやインスタレーションで作品を発表した。

アフリカから、新しい風

テベ・マググ

LVMHプライズでグランプリを受賞したテベ・マググは、黄土色や赤といったアフリカの自然を思わせる色使いが印象的だった。肩や袖に細かいデザインが施され、スポーティーでモダンなスタイルだ。

アフリカから、新しい風

ケネス・イゼ

同プライズでファイナリストに選ばれたナイジェリアのケネス・イゼは、現地で職人が手織りした生地を使い、色とりどりのチェックのセットアップなどを披露。来日したデザイナーは「欧米やアジアなど様々な場所で自分の作品を見せたい。文化を共有することが大事だ」と話した。

アフリカから、新しい風

サルバム

ケネス・イゼと同じ生地を使ったジャケットなどを見せたのは日本のサルバム(藤田哲平)。マルチカラーをすっきりとしたシルエットにまとめた。ケニアのアニャンゴ・マフィンガのショーでは、フリルのついたフェミニンなドレスなどを着たモデルが陽気に踊った。非対称な裾や袖のデザインが利いていた。

アフリカから、新しい風

アニャンゴ・マフィンガ

翌週にはナイジェリアのラゴスでも同様のイベントを開いた。企画を呼びかけた1人で、カメルーンにルーツを持つ清子(せいこ)ウンバコさんは「アフリカは貧しい、平和がない、というイメージを変えてほしい。素晴らしいデザイナーがたくさんいる」と訴える。

ユナイテッドアローズの栗野宏文上級顧問が、プロジェクトを統括する。「現在、西洋のファッションは消費するものになっている。本当は、ファッションを愛することで自分が生きていて良かったと思えるようなことが大事。アフリカにはそれがある。産業を興したいので、今後もさらに紹介したい」と話す。

<東コレの写真は野村洋司氏撮影>

サプールの精神を伝える

アフリカから、新しい風

サプール文化を紹介するショー=師玉シオン氏撮影

色鮮やかなスーツをまとい、街を練り歩く姿で知られるアフリカ・コンゴの集団「サプール」のファッション文化を紹介するショーが10月20日、横浜市内で開かれた。

サプールは「服が汚れるから争わない」というシンプルな理念を掲げて平和を愛する人たちで、90年以上続く文化だという。ショーでは、大胆な色の組み合わせがユニークなスーツ姿のモデルたちが軽やかに歩いた。

着用したのはパリを拠点とするブランド「コニヴァンス」の服。デザイナーのル・バチュロアはコンゴ共和国出身で「日本は他国に比べたら争いが少ない。いつも笑顔で人の嫌がることはしないというサプールの精神に通じる」と語った。

企画したのはサプールを撮り続けている写真家、SAP CHANOで、「ファッションを楽しむ人がたくさんいる社会は、幅があって面白い」と話した。

(神宮桃子)

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