料理家・冷水希三子の何食べたい?

ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は脂が乗った旬のサバを使ったサンドイッチをご紹介します。

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。いよいよ11月に入って、冬の気配を感じますね。

冷水 寒いのは嫌だけど、澄んだ空気は心地いいですね。

―― 冬は冬でおいしい食材がわんさか出てくるので、それも楽しみのひとつです。読者の方からもこの季節のおいしいものを使ったお料理を教えてほしいというリクエストを多くいただいています。

冷水 食いしん坊さんにはうれしい季節ですよね!

―― なかでも多かったのが、サバを使ったお料理。塩焼きやみそ煮といった定番メニューに落ち着きがちなので、何か違った活用法を知りたいとか。

冷水 この時期のサバは脂が乗っていますから、シンプルに塩焼きにしてもおいしいですが、確かにそればかり続くとマンネリになってしまいますよね。

―― サバはどうしても和食のメニューになりがちなので、何か洋風のお料理を教えていただけると気分が変わっていいかもしれません。

冷水 じゃあ、サバサンドはどうですか? 旬のサバは味もしっかりしているので、サンドイッチにしても存在感が薄れず、とってもおいしいですよ。

―― サバサンド! おしゃれなカフェのメニューで見かけたことあります。いいですね~。

ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

サバは両面にしっかりめに塩を振って、しばらく置きます。塩みが少ないとサンドイッチ全体がぼんやりした味になってしまうので、塩焼きする時と同じくらいの気持ちで。あらかじめ塩味のついた塩サバを使ってもOKです

 

冷水 サバを焼いてパンに挟むだけですから簡単ですよ。ポイントは、サバにしっかりと塩味をつけておくことです。お塩が少ないと味がぼやけてしまいますし、臭みを感じてしまうこともあるので。

―― 味付けはどんな感じですか?

冷水 今回はマヨネーズを使います。風味の決め手となるので、ぜひ手作りで挑戦してみてください。市販のものより格段においしく仕上がりますよ!

―― て、手作りマヨネーズですか!? 一気にハードルが……。

冷水 そんなことありませんよ。材料をハンドミキサーで混ぜるだけですから! 誰でも失敗知らずです。

―― 材料は、卵とオイルと酢、ワインビネガー、お塩ですね。オイルには太白ごま油とオリーブオイルの2種類がありますが、これは両方入れたほうがいいんですかね?

冷水 オリーブオイルだけだと香りが強くなりすぎてしまうので、風味が穏やかな太白ごま油も使います。米油でもいいですね。割合はお好みで大丈夫です。

ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

全ての材料をバーミックスで混ぜると、ふわっとクリーミーな手作りマヨネーズが完成。市販品より軽い口当たりで、卵の風味が豊かです

 

―― 酢も米酢と白ワインビネガーの2種を使うんですね。

冷水 これも白ワインビネガーだけだと少しツンとしてしまうのでね。でもお料理やご自分の好みでアレンジしてください。

―― なるほど~、何度か作ってみて、自分に合った「Myマヨネーズ」を作るといいってことですね。実験みたいで面白そうです!

冷水 一度で完璧を目指さなくてもいいですからね、まずはやってみることが大切。

―― 何事も一歩一歩ですね~。

冷水 次にトマトのマリネを作ります。これは具材でありつつも、ソースの役割も果たします。ある程度水分と油分がないと、せっかくのサバがパサついた感じになってしまうのでね。

―― ソースではなくてマリネを使うのはどうしてですか?

冷水 あんまり水分が多いと、今度はパンが水分を吸ってべちゃっとなってしまうので。サバのジューシーさとパンの香ばしさを生かすには、マリネくらいの水分がちょうどいいんです。フレッシュトマトの酸味や甘みもアクセントになりますからね。

―― オリーブオイルでマリネするとトマトから程よく水分が出てきて、いい感じですね。

ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

小麦粉をはたいたサバを皮目から焼いていきます。焼きすぎるとパサパサになってしまうのでご注意くださいね

冷水 さて、次はサバをソテーしていきましょう。そのまま焼いてもいいですが、今日は少しカレー粉と小麦粉をはたいてから焼こうかな。

―― そこは……気分ですか!?

冷水 そうですねえ(笑)。でも、カレー粉が少し加わるとサバの臭みが抑えられてうまみも際立ちます。粉をはたいてから焼いたほうが身崩れしないので、慣れていない方にはオススメですよ。

―― わ~、ほんのりカレーの香りがして、食欲をそそりますね!

冷水 さあ、サバが焼けたら、バゲットに具材を挟んでいきますよ。しっかり水気を拭いたレタスに大葉、紫玉ねぎ、そこにサバソテーをどん!です。

―― ぬお~! すごいボリュームですね!

冷水 はい、今日はサバが主役ですから(笑)。その上にトマトのマリネをたっぷり乗せて、バゲットでふたをしたら完成です!

―― こ、これは……、中身をこぼさずに食べるのは至難の業ですね。

ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

パンはバゲットなどハード系のパンが相性がいいと思います。レタスや大葉、玉ねぎなどはしっかりと水気を切ってから使うのがポイントです。仕上げにレモンを絞ると味が引き締まります

冷水 お客様にお出しするときは、サンドした状態をラップできつく包み、包丁で2等分するといいですよ。ラップを少しずつ剝がしながら食べると、中身がこぼれにくくなりますから。

―― ほんとだ! これなら全部の具材をバランスよく食べられて、いいですね!

冷水 お味の方は、どうですか?

―― かぶりつくと、サバの脂がジュワッとにじみ出て最高です! トマトのマリネが脂を中和してくれて、最後までさっぱりと食べられますね。大葉も爽やかで、いい仕事してます!

冷水 大葉の代わりにバジルなどのハーブを使ってもおいしいですよ。

―― そして何より、自家製マヨネーズのおいしいこと! マヨネーズを使うと、どうしても全体が「マヨ味」に支配されているように感じてしまうけど、こってり感もなくて軽い口当たりの手作りマヨネーズは、さりげなくコクをプラスしてくれているようですね。

冷水 そう、そうなんです。マヨネーズが苦手な人も食べやすいと思いますので、ぜひ作ってみてくださいね。

今日のレシピ

サバサンド

◎材料(2人分)

サバ 切り身2切れ
レタス 2枚
大葉 4枚
赤玉ねぎ 1/6個
トマト 1/2個
塩 適量
レモン 1個
カレー粉 ひとつまみ
強力粉 適量
バゲット 15㎝程度を2個
EXVオリーブオイル 適量

マヨネーズ
卵 1個
酢 大さじ1
砂糖 小さじ1
塩 小さじ1/3
太白ごま油 120g
EXVオリーブオイル 20g

◎作り方

 サバに強めに塩を振って30分ほどおく。

 トマトは1㎝角に切ってボウルに入れる。塩少々を混ぜ、EXVオリーブオイルを大さじ1混ぜる。赤玉ねぎはスライスして水に少しさらして水気をふく。
 マヨネーズを作る。すべての材料をミキサーにかける。

 サバの水気をふきとる。カレー粉を少々ふってから強力粉を薄くはたいて、EXVオリーブオイルを適量入れたフライパンで両面焼く。

 バゲットを半分に切ってマヨネーズを塗り、レタスと大葉、赤玉ねぎ、サバソテーの順にのせる。その上に2のトマトをのせ、レモン汁を適量絞ってからバゲットではさむ。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)

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    冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

    ふっくら、ジューシー、サバサンドイッチ。

    料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

    PROFILE

    • 小林百合子

      編集者
      1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

    • 関めぐみ(写真)

      写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

    <番外編>冷水先生の、一生ものの料理道具

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