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女性誌で初。一冊まるごとSDGs特集『FRaU OCEAN』

女性誌で初。一冊まるごとSDGs特集『FRaU OCEAN』

撮影/猪俣博史

2030年までの達成を目指そうと、15年に国連総会で採択された「SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)」。今年はさまざまなところで見聞きすることが増えましたが、雑誌でもソーシャル&エコ・マガジン『ソトコト』や、美容業界誌『WWD BEAUTY』が特集するなどの動きが見られました。

そんななか一番驚いたのが女性誌『FRaU』がSDGsを特集したことです。『FRaU』と言えば“旅するように、暮らしたい”をコンセプトとする、30代女性が中心読者の、おしゃれなライフスタイル誌。その『FRaU』が取り組んだということで、とても意外性がありました。しかも今年出たSDGs特集は第2弾で、昨年12月に第1弾を出すなど取り組みが進んでいるのです。

2019年1月号によると、SDGsの日本での認知率は15%で、特に女性が低いのだそう。「SDGsは地球人みんなで取り組むべき『世界からのポジティブな宿題』。まずは日本人女性に親しんでもらいたいという思いから、国内女性誌初の一冊まるごとSDGs特集号を創った」と言います。

先月、発売された第2弾のムック本では、SDGsのなかでも海の環境問題にフォーカス。洗練された美しいビジュアルで、海洋プラスチック問題の現状や、それらを変えるための国内外の取り組み、人々の熱い思いなどについて紹介しています。

“海を愛する気持ち”が原動力に

第2弾のムック本で私が一番いいなと思ったのは、海洋プラスチック問題を考えるとき、“海を愛する気持ち”が原動力になる旨を示唆してくれているところです。

巻頭ページに登場している写真家のクリス・ジョーダンは、「親が子供にピアノの練習をしなさいと毎日怒鳴りつけても、子供の耳が慣れてしまって、だんだん何とも思わなくなるように、世界がプラスチック反対と声高に叫ぶだけでは、問題は解決しない」と指摘。同時に、「人々に、こんなに美しい海があり、美しい生き物がいることを作品で知らせること。そうすればきっとみんなが大事にしたいと思ってくれるはずだと信じています」と言います。

海で活動する1人としてインタビューに登場するSUP(スタンドアップパドルボード)ガイドのクレイグも、「一度、海に恋してしまったら、海の健康を考えずにはいられなくなる」と話します。「未来の世代が、私が美しいと感じてきたものを、同じように感じることが少しでもできたら。一度、海の深遠で素晴らしい世界を知ったら、必ず守りたくなるはずだからね」

海に行こう、海を語ろう

“海を愛する人たちの本棚”という企画ページでは、著名人のおすすめ本と一緒に、それぞれが好きな海や、海の思い出が紹介されています。「石垣島、カナダ・ソルトスプリング、島周辺の海、森戸海岸」(ミュージシャン 坂本美雨)、「バルト海」(作家・漫画家 小林エリカ)、「マルタ島」(ブックディレクター 幅允孝)……。

それらを読ませてもらっていると、皆さん、それぞれに海でのかけがえのない体験があり、感動や気づき、学びがあり。これだけたくさんの人々を魅了し続けている海の偉大さを改めて感じると共に、「海ってやっぱりいいな」と、思わずにはいられません。

今年、日本財団が実施した「『海と日本人』に関する意識調査」によると、幼い頃の海での楽しい思い出が、大人になってからの環境問題への意識や、子供への海の魅力の継承などに影響を与えていることが分かったそうです。

SDGsと聞くと、世界規模のとてもスケールの大きい話で、一体、自分に何ができるのだろう、と私自身、思ってしまうところがありましたが、海に足を運んだり、海について皆で語ったりしながら、海の魅力を感じ共有することも、海を変えていくための第一歩になるかもしれません。これから寒くなりますが、ぜひ海に遊びに行きませんか? 私も次のお休みは、2歳の息子と海に散歩に行こうと思っています。

(文・若杉真里奈)


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    若杉真里奈(わかすぎ・まりな)

    湘南 蔦屋書店で雑誌、ファッションを担当するほか、湘南T-SITEの広報、イベント販促も務める。ファッション業界新聞社で編集、展示会事業を担当した後、湘南T-SITEの立ち上げに参加。
    現在、住む鎌倉は、自分にとっての“パワースポット”。

    古く素敵なモノとの出会い『北欧 ヴィンテージ雑貨を探す旅 』

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