朝日新聞ファッションニュース

【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

1枚の布をワクワクに変えて

日本を代表するブランド、イッセイミヤケのデザインを2020年春夏シーズンから手掛ける。9月のパリでのデビューショーは、1枚の布というブランドの伝統的な考え方を、明るい色柄や凝った素材で表現して喝采を浴びた。

【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

1984年生まれ。上田安子服飾専門学校卒後、07年にイッセイミヤケに入社

――パリでは、天井から降りてきた服をモデルが着て踊るなど楽しいショーでした。

初めてのコレクションだったので、いったんまっさらな状態で物作りの根源的なところから始めて、そこに喜びを重ねていくような作品にしたかったのです。

――根源的とは?

自分たちの身体性への感覚を重視することです。動く、揺れる、伸びるといったキーワードで、1枚の四角い布を基本に素材や形を発想していった。そして(創始者の)三宅一生からよく言われた、わくわくするもの、心躍るものを作ること。自己満足じゃなく、着た人が楽しんで初めて完成するような服。指示しなかったのに、モデルは自然と笑っていました。

【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

20年春夏パリ・コレクション=大原広和氏撮影

――動くと弾んだり、よく見るとロゴが織り込んであったり。素材も面白い。

弾む服は、プリーツを機械と手作業で2度掛けした。刺し子風の服は剣道着を作る工場で、薄い楊柳(ようりゅう)はステテコの工場でというふうに、日本各地の産地で特色を生かしながら糸から選んで作った。素材から丁寧に1着ずつ作るのが会社の方針ですし、そこが海外の多くのブランドとは違うと思います。

――これからどんな服を作っていきたいですか。

三宅からは常に、着る人の今後の生活を想像することを教わってきました。変わっていく生活に寄り添う服。ブランドの物づくりの姿勢を大事にしながら、自分やスタッフなりのユーモアをうまく表現して、自分たちだけでしか作れない服、着ると自然に笑顔になるような服が作りたい。

(編集委員・高橋牧子)

関連記事 【#ファッション・ビューティー

  • 【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

    西陣織、手仕事の美を世界へ イッセイミヤケ、パリ・コレで「絣」

  • 【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

    環境と創造性と、力強く 20年春夏パリ・コレ

  • 【インタビュー】イッセイミヤケの新デザイナー 近藤悟史

    服づくりの源に迫る2冊 三宅一生らの仕事をつづる

  • >>海外・国内のファッションニュース

    呉服の名品を世に、老舗の矜持 戦前に発足、高島屋の上品会

    一覧へ戻る

    クリスマス、贈り物を選ぶ楽しみ ブランドのホリデーコレクション

    RECOMMENDおすすめの記事