店でも家でも、器でおいしく

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

料理やデザートのおいしさを演出するなら、器にもこだわりたい。連載「店でも家でも、器でおいしく」では、“食の目利きたち”が敬愛する、器づかいがステキな人やお店をご紹介します。

大正ロマンをイメージした、和と洋の雰囲気を持つ空間

今回の推薦者 … 浜裕子さん(フラワー&空間コーディネーター)
紹介される店 … 喫茶店「椿屋珈琲」

「お客様との打ち合わせなどに利用させていただくことが多いお店です。チェーン店のなかでも落ち着きのあるクラシックテイストの空間を重視されていて、そこにデンマークの陶磁器ブランドである『ロイヤル コペンハーゲン』の器を使うことで、コーヒーやスイーツ、軽食をより上質に感じさせてくれます」

食の空間プロデュース・コーディネートの知識が豊富な浜裕子さんが、よく利用するというのが、喫茶店「椿屋珈琲(つばきやコーヒー)」。関東圏を中心としたチェーン店でありながらも、至福のカフェタイムへと導いてくれる器づかいとは。

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

椿屋珈琲
マイスターが1杯ずつ淹(い)れる、本格派の「サイフォンコーヒー」を楽しめる喫茶店。上品な甘さの自家製ケーキなどスイーツほか、特製ビーフカレーやサンドイッチ、生パスタなど軽食も充実

「サイフォンコーヒー」の深い香り、静かに流れるクラシック音楽、濃い茶色の木製家具と深紅の絨毯(じゅうたん)――。「大正ロマン」をコンセプトにした喫茶店「椿屋珈琲」では、タイムスリップしたような趣のある空間で、ゆっくりとした時間を過ごすことができます。

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

蒸気圧でお湯を押し上げ、高温のお湯とコーヒー粉を浸漬(しんし)して抽出する、香り高い「サイフォンコーヒー」。「光サイフォン」の光で幻想的な雰囲気に

1号店である「銀座七丁目花椿通り 椿屋珈琲 銀座本館」をオープンしたのは、1996年4月。街路にツバキが植えられた、銀座の中心でもある花椿通りに位置することから「椿屋珈琲」と名付けられたそう。その後、20年以上をかけて関東を中心に48店舗を展開しています。

「銀座本館には東郷青児の絵画を、新宿ひがし離れには竹久夢二の日本画と、店舗の立地に合わせて内装を変えていて、地域に根ざした喫茶店を目指しています」と、統括店長の岩崎哲人さん。今回取材に訪れた銀座新館はガス灯通り近くにあることから、明治時代の通りの様子を描いた錦絵や、その錦絵を模したステンドグラス、西洋式ガス灯のモチーフなどが配されています。

インテリアを眺めながら、その土地の歴史に思いを馳(は)せる至福の時間が始まります。

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

明治時代のガス灯通りを描いた錦絵

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

銀座新館の入り口に入ると、錦絵をもとにしたステンドグラスが出迎えてくれる

青と白の美しい器でもてなす、香り高いコーヒー

椿屋珈琲のコンセプトは「脱日常」。普段なかなか味わえないような極上の時間を過ごしてもらうために、器にもこだわりがうかがえます。
オープン当初から使用しているというのが、デンマークの陶磁器ブランド「ロイヤル コペンハーゲン」。白色の素地に、青色の花模様が描かれた同ブランドを代表するシリーズ「ブルーフルーテッド プレイン」のコーヒーカップに、お店自慢の「サイフォンコーヒー」を目の前でサーブしてくれます。

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

落ち着きのある上品な接客も心地良い。黒色のブラウスに白色のエプロン、頭には白色のカチューシャをつけた制服姿は、大正ロマンを彷彿(ほうふつ)とさせる

お店で使用する器として「ロイヤル コペンハーゲン」を提案したのが、96年の立ち上げから携わっている中田美由紀さん。「お茶や食事を楽しんでいただくために、気張らず、だけど特別感のある器でおもてなしをできたらと思い、様々な洋食器を調べました。クリーマーやカレーのお皿など、同じブランドの物でそろえたくて。バリエーションがある『ロイヤル コペンハーゲン』はぴったりだと思いました」

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

椿屋珈琲の一番人気のケーキは、みずみずしいイチゴがのった「ストロベリーショート」

「あくまで主役はコーヒー」と、青×白のコーヒーのアイテムが目立つように、ケーキやティーポットなどの器は白色の「ホワイトフルーテッド」シリーズを使用。重厚感のある空間があるからこそ、青と白のコントラストが美しいコーヒーカップが映えます。

<11>空間とコーヒーの質を高めてくれる、ロイヤルコペンハーゲンの器/喫茶店「椿屋珈琲」

大正ロマンをイメージした店内には、ロイヤルコペンハーゲンのアンティークの器も飾られている

「お客様からは『肩ひじ張らずに入れるクラシカルな喫茶店が減った』という声をいただくことがあります。いろいろな年代の人が訪れる銀座という土地柄、コーヒーチェーンよりも、ゆっくりと過ごすことができる場所を求めている方が多い印象です」と、本館と新館に長く在籍している岩崎さん。

一人のカフェタイム、家族や友人との食事、仕事仲間との打ち合わせなど、椿屋珈琲での過ごし方は十人十色。白熱灯の温かい光に照らされるアンティークのアイテム、そして、青と白の上品な器が、訪れる人に安らぎを与えるのです。

<店舗情報>
椿屋珈琲 銀座新館
住所 東京都中央区銀座2-6-7 明治屋銀座ビルB1階
電話番号 03-6228-6242
営業時間 平日 9:30-22:30(L.Oは22:00)、土日祝 9:00-23:00(L.Oは22:30)
定休日 不定休


今回の推薦者
浜裕子(はま・ゆうこ)

フラワー&空間コーディネーター。英語、日本語講師を経て、フラワー・インテリア・テーブルコーディネートをはじめ、食空間プロデュースおよびコンサルティング、パーティー、イベント、広告などの企画・演出を手がける。花のある暮らし、「生活空間をアートする」をコンセプトに「花生活空間」を設立。自宅アトリエにてテーブルコーディネート教室などを開催するほか、セミナーや講演活動、執筆、TV出演などのメディアでの活動も行っている。著書に『花のテーブルコーディネート』『お茶と和菓子のテーブル12カ月』(ともに誠文堂新光社)など多数。

(文・&編集部:久保田亜希 写真・齋藤暁経)

<10>料理を華やかに見せる、グレーの器/フレンチビストロ「AELU」

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<12>“おもてなし”にも“日常づかい”にも活躍する、アイデアあふれる器/宮澤奈々さん

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