北欧の器を愛でながら、くつろぐカフェタイム

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

木のぬくもりや、自然のモチーフを生かした北欧のデザインやプロダクトは日本でも愛用されてきた。なかでも身近に取り入れられる「器」は人気が高い。そんな北欧の器で、北欧のローカルフードやスイーツを楽しめる都内近郊の素敵なカフェをご案内。都心にいながら北欧気分に浸りませんか?

(企画構成・文:佐々木真純 撮影:増永彩子)

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

笑顔で迎えてくれる、オーナーの関口愛さん

豪徳寺駅から商店街を抜けて数分歩くと、グレイッシュトーンのモダンなカフェが現れる。ここ「フィーカファブリーケン」は、スウェーデンを中心とした北欧菓子を楽しめる知る人ぞ知るお店。毎日手作りお菓子を焼き、店頭でお客さんを笑顔で迎え、1人でお店を切り盛りするのはオーナーの関口愛さん。

「大学時代に学生経営のカフェの立ち上げメンバーに加わったこともあり、カフェ経営とレシピ開発の両方に興味がありました。特にヨーロッパのカフェに憧れてましたが、スウェーデンは全く想像もつかない国だったので興味が湧き、語学留学することに。実際に生活して感じたのは、街並みの美しさと、人のあたたかさ。そして、カフェを日常利用している人が多いこと。当時暮らしていた家の近所にもカフェコーナーのあるベーカリーが必ずありました」

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

ブルーとイエローのスウェーデンのフラッグカラーのキャラクターが目印

スウェーデン語でティータイムを意味する、フィーカ(fika)と、工場というファブリーケン(fabriken)を組み合わせた店名には、スウェーデンで実際に暮らした経験から学んだ思いが込められている。

「スウェーデンでは、『フィーカ』という習慣を大切にしています。仕事の合間に同僚や上司と、休みの日に友人や家族と、お菓子を食べたりお茶を飲んだりしながら、会話を楽しむ、コミュニケーションに重きを置く、生活の中に常にフィーカが存在しています。そういう人と人のつながりを大事にする時間を再現したいと思いました」

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

左:イートインスペースのテーブル&椅子は自らデザインしたオリジナル。右:お菓子を作るキッチンスペース。オーブンから香ばしいクッキーの香りが漂う

北欧カフェのトレンドを伝えるモダンな空間

お菓子を販売するだけではなく、お茶をしながらのんびり過ごせるようイートインのスペースを作った。2019年2月には、新たにカウンター部分を増設。テーブルや椅子は一からデザインし、大きなガラスの扉を設置するなど空間設計にもこだわっている。

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

スタイリッシュな空間デザインが評判を呼び、フランス、イタリアなど海外メディアにも取材されたとか

「北欧は木を使ったインテリアが多いですが、最近は、コンクリートやアイアン使いのおしゃれなカフェが増えていて若者に人気があります。今の北欧のトレンドを取り入れつつ、内装建築をやっている同年代の友人と相談しながら店舗をデザインしました。でも、食器は主に北欧のリサイクルショップで見つけたもの。エコ意識の高い北欧では、セカンドハンドという文化も当たり前のように若い子たちに根付いていて、街中あちこちのリサイクルショップで買ったお皿を使っているんです」

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

左:ニンジンとレーズンがたっぷり入った甘さ控えめのキャロットケーキ(400円)。トップのクリームチーズとバターを混ぜた濃厚なクリームが美味しさを引き立てる。プレートは「Rorstrand(ロールストランド)」の名作「モナミ」シリーズ。右:もちもちした食感と自家製シナモンペーストがくせになる。シナモンロール(280円)。「GUSTAVBERG(グスタフスベリ)」の巨匠スティグ・リンドベリによるハート型の花のイラストが可愛いらしいお皿に乗せて

旬を大事にするスウェーデンのふるさとのお菓子

店頭には、北欧の定番中の定番「シナモンロール」と、「キャロットケーキ」「アーモンドのスティックケーキ」、季節のおすすめなど計4〜5種のケーキが並ぶ。今の時期は、リンゴやバターをたっぷり使ったバターケーキ。さらに常時7種のクッキーが揃う。スウェーデンでは7種類のお菓子があると最高のおもてなしと言い伝えられているのだそう。

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

手土産にも喜ばれそうな7種のクッキー詰め合わせ。FIKA COOKIE BOX 1,800円

「北欧のお菓子は季節を大事にした素朴なものが多い。例えば、2月、3月にしか食べない『セムラ』というシュークリームみたいな、生クリームをたっぷり挟んだお菓子があるんですが、これは昔、スウェーデン人はイースター前に断食をしていたので、断食前にカロリーの高いお菓子を食べて蓄えるという習慣が今もお菓子だけ残っているもの。そういう風習にものっとって、より北欧を感じてもらいたいと思っています」

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

ショーウィンドーに並ぶ定番のキャロットケーキと、アーモンドのスティックケーキ、季節のケーキ

そのため日本で暮らすスウェーデン人が故郷の味を求めてわざわざ調べて訪れたり、「ホームシックになったらここにくる」と言ってくれることもある。また、夜は、留学中に親しくなったスウェーデン人の友人が店に立ち、スウェーデン産のクラフトビールとクラフトジンが飲めるバーになる。

自分の時間を大切にすることはカフェにとっても必要なこと

スウェーデン式のお茶の時間を生み出すファクトリー「FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)」

お客さんと会話をしながら、明日の仕込みの準備をしたり、程よい距離感でコミュニケーションできるのが魅力のカウンター席

「お店を持ってるけれど、自分のライフスタイルも大事にしたいので、年1回は、スウェーデンに出かけてパワーチャージをしたり、他の国に行ってインスピレーションを得たりしています。スウェーデンでは図書館で絶版になっている古い料理本を読んだりして、そこからお菓子のレシピを考えることもあります。こうした経験は現地に行かないとできないことなので、そういう時間をこれからも大切にしていきたいです」

<店舗情報>
FIKAFABRIKEN(フィーカファブリーケン)
住所 東京都世田谷区豪徳寺1-22-3
お店の地図

営業時間 12:00〜19:00(L.O.18:30)
定休日 火・水曜

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