北欧の器を愛でながら、くつろぐカフェタイム

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

木のぬくもりや、自然のモチーフを生かした北欧のデザインやプロダクトは日本でも愛用されてきた。なかでも身近に取り入れられる「器」は人気が高い。そんな北欧の器で、北欧のローカルフードやスイーツを楽しめる都内近郊の素敵なカフェをご案内。都心にいながら北欧気分に浸りませんか?
(企画構成・文:佐々木真純 撮影:増永彩子)

    ◇

荻窪の住宅地にひっそり佇む「istut(イストゥット)」。北欧、なかでもフィンランドにこだわったヴィンテージの器など、独自の審美眼でセレクトしたアイテムを扱うショップとカフェが一体化した店内は、センスのいい家庭にお邪魔しているかのような感覚。伊藤誠さん・志保さんご夫妻が営むこのお店には、2人の「好き」が詰まっている。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

自分たちで床に木を張り合わせ、壁にペンキを塗りDIYで作り上げた空間に、自宅で使っていたルイスポールセンのペンダントライトや北欧の家具を配した

もともと全く違う業種の仕事をしていたが、夫婦揃って40歳を機に会社を辞め、1年間世界一周のバックパックの旅に。道中、行く先々で助けられたのがカフェの存在だったのだそう。

旅先でほっと安らぐカフェという存在

「旅をしながら、この先、何をやるか話し合って決めようと思っていました。もともと料理をして食べたり、お酒を飲んだり、友人を招いてホームパーティをしたりするのが好きだったので、2人でやるなら飲食店だろうなと漠然と思っていました。その土地の市場で食材を買って、アパートで作って食べて、地元のお酒を飲んで、暮らすように旅をする。街を歩きながら休憩がてらカフェに入ってコーヒーを飲んで、を繰り返しているうちに、結論として、いろんな都市に行ったけど、カフェの存在っていいものだと改めて実感しました」と志保さん。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

フィンランドのカフェの大きい開放的な窓を参考にしたという。棚やテーブルには選び抜かれた品々が行儀よく並べられている

旅を終えてから2年弱、飲食店で見習いバイトで修業をしながら、最終的にカフェをやろうと決めた伊藤さんご夫妻。自宅のインテリアでも使っていた、自分たちの好きな北欧系のプロダクトやデザインを取り入れたカフェにすることに。そこから今度は北欧に7週間リサーチの旅へ。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

ショーケースに飾られている、アラビアで1942年~74年まで作られていた「ライス・ポーセリン」シリーズのボウル(2万3,800円)は希少な逸品。他にも、Nuutajarvi(ヌータヤルヴィ)社の1963〜72年まで作られたカイ・フランクのデザインによるデザートボウル(5,300円)など珍しいガラス製品も ※価格は全て税抜き価格です

デザインや雰囲気、フィンランドに感じた心地よさを再現

「北欧のなかでもフィンランドが自分たちに合うというか、私たちは長野県出身ということもあり、白樺の森がある風景や食べものとか、何となく共通する雰囲気を感じて心地よかったんです。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

左:1960年代まで製造されていたカイ・フランクのデザインによるアラビアの「FLモデル」スクエアボウル(9,800円)中央:「Bモデル」カップ&ソーサー(5,000円)、右:クリーマー(5,900円)奥:1950年代~60年代製のノベルティらしき「アラビア」のスクエアプレート(5,000円)※価格は全て税抜き価格です

後から考えると、アルヴァ・アアルトやカイ・フランクといったフィンランドの作家の家具、デザイン、食器が好きだったり。特にフィンランドは、家もお店もこぢんまりしてコンパクトな慎ましい感じで、インテリアもシンプル。カフェでも手厚いサービスではなく、ほったらかしな感じで、お店の人も自分がコーヒーを淹(い)れることに集中して楽しんでいる。そういう雰囲気を作りたいなと思いました」

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

キッチンやカフェの木製椅子の原点とされる、アルヴァ・アアルトによるアルテックの「66 チェア」をはじめ、店内で使う椅子もこだわりのセレクト

「座る」という意のフィンランド語「イストゥット」という店名の通り、椅子にはこだわった。様々な表情の椅子が居心地のよさに一役買っていそうだ。また、カフェで使う器も、フィンランドのメーカー「イッタラ」のカイ・フランクによるスタンダードな名作「ティーマ」シリーズが中心。名作の器でいただく、フィンランドの定番スイーツの揚げドーナツ「ムンッキ」やシナモンロールに、誠さんが淹れるビターなドリップコーヒーは素朴ながらも格別の美味しさ。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

カルダモン風味の甘みのあるパン生地を揚げたドーナツ「ムンッキ」はフィンランドの定番スイーツ。一杯一杯丁寧にドリップした香り高いコーヒーとセット(セット価格 800円)で楽しんで ※価格は全て税抜き価格です

「ジンジャーシロップ、梅シロップ、ルバーブジャム、ランチのサラダのドレッシングまで出すものはできるだけ全部自家製にこだわりたい。だから、仕込みにも時間がかかるので、なかなか長い時間営業するのが難しくて。体力と相談しつつ、無理のない範囲で楽しみながらやってます」

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

まるでギャラリーのように整然とディスプレーされたヴィンテージの食器やカトラリー

カイ・フランクを主役にビターな北欧デザインを紹介

併設しているショップでは、1950〜60年代のフィンランドの稀少なヴィンテージを中心に扱う。いわゆる植物や鳥などをモチーフにしたほっこりテイストのデザインではなく、微妙なカラーの濃淡や計算され尽くした無駄のないフォルム、シンプルな機能美を感じるドライで甘くないものをセレクトしているのが特徴。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

左:アラビアの「Revontuli(レヴォントゥリ)」シリーズ。カイ・フランクが1948年にデザインしたTMモデルのフォルムに、1954年にライヤ・ウオシッキネンによる装飾をあしらったデミタスカップ&ソーサー 8,900円 右:1953年〜74年まで作られていた、アラビアのカイ・フランク デザインの「Kilta(キルタ)」シリーズのティーポット 1万7,800円 蓋付きシュガーボウル 7,800円 クリーマー 6,500円 ピッチャー1万4,800円 ※価格は全て税抜き価格です

なかでも2人の好きなデザイナー、カイ・フランクについては、マニアックな品揃えが支持されている。他にも、長野のクラフトをさりげなくミックスするところにセンスが光る。そんな仲良しの夫婦の自宅に招かれたようなお店は、あまりの居心地のよさについつい長居してしまいそうだ。

フィンランドのヴィンテージに囲まれて過ごすアットホームなひととき 「istut(イストゥット)」

<店舗情報>
istut(イストゥット)
住所 東京都杉並区天沼3-30-41
お店の地図

電話番号 03-3398-3534
営業時間 月 11:30~L.O.15:00 水・木・日 11:30~L.O.17:30 金・土 11:30~L.O.19:00
定休日 火曜

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