リノベーション・スタイル

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす


Yさんご夫婦(夫50歳、妻47歳、猫17歳・9歳・2歳・0歳)
神奈川県横浜市/75.77平米/築18年

猫4匹と暮らすYさんご夫婦は、2002年に購入したマンションに住んでいました。気に入って決めたマンションでしたが、長年暮らすうちに不満がたまってきたそうです。キッチン設備の向きが使いにくい、リビングダイニングはソファが置きにくい、ウォークインクローゼットは風通しが悪い、玄関が暗いなど、ずっと我慢してきました。また、年齢を重ねるとともに、ご夫婦が家に対する価値観の違いでぶつかるようになり、家にいることが楽しくなくなってきました。

そこで、給湯器が故障したことをきっかけに家中を見直そうと考え、「自分たちと猫が暮らしやすい家に住もう!」とリノベーションを決めたのです。

猫も家族の一員として、お互いに快適に暮らすことがお二人の希望でした。まずは、猫グッズを一元管理できる猫ルームを作りました。猫のごはん、トイレなどを置き、猫が水を飲めるように蛇口も取りつけました(蛇口を操作するのは人です)。また、この猫ルームは人が苦手な猫にとっての、来客時の退避スペースでもあります。

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猫ルームの内部。水飲み場、猫ダイニング、トイレがある

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす

小上がりの下は、収納兼猫の退避スペース

そして、猫が楽しめるように、廊下の上部にキャットウォークを設置。リビングダイニングの一角にある小上がりから登れるようになっていて、玄関まで続いています。「帰宅したときに、猫が玄関近くのキャットウォークで出迎えてくれるとうれしいですね」とYさん。

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玄関から奥まで続くキャットウォーク。右手の腰壁上の開口が猫ルームの入り口

猫好きのお二人の、さらなる希望は「自分たちが猫を見て楽しみたい」とのこと。リビングダイニングの小上がりには、隣の猫ルームが見える小窓がついていて、ごはんを食べている猫を眺められるようになっています。トイレのドアには、後をついてくる猫がのぞけるような小窓をつけました。「猫のために作ったのですが、中から猫を見るのが楽しいんです。肉球が見えることもあるんですよ」と奥様。

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす

トイレののぞき穴。人が入ると猫がやってくる

猫に対する思いはご夫婦とも共通していますが、そもそもの家に対する価値観は違っていて、徐々にストレスになっていったそうです。Yさんは「畳でゴロゴロしているのが好き。必要なものは手の届くところに並べて、ダラダラしたい」、一方奥様は「片づいたきれいな部屋でリラックスしたい。大正ロマンの雰囲気が好き」。そこで、リノベーションを機に、Yさんがこだわる部分は守り、それ以外は奥様が管理すると決めました。

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ダイニングキッチン。キッチンの腰壁には焼き杉を貼った

Yさんのこだわりはリビングダイニングに作った畳の小上がりに集約し、パソコンがおけるデスクを造作。暮らしのほとんどのことを、ここでできるようにして希望をかなえました。また、奥様が好きな大正ロマンの雰囲気は、キッチン、小上がり以外のリビングダイニング、寝室など奥様がメインで使うスペースで表現。お互いの不満が解消され、快適な暮らしになりました。

リノベーションして暮らしやすくなると、家にいることが楽しくなり、家族の関係も良好になることがあります。自分たちがどんな風に暮らしたいかを、改めて考えることになるからだと思います。猫にとってもご夫婦にとっても、暮らしやすい家になりました。

Yさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A

1 リノベーションをして、生活が変わりましたか?

物件に暮らしを合わせる不便やストレスが元々あった上に、年齢と共に夫婦の生活スタイルが変化して家への考えがぶつかるようになり、だんだん家が好きになれなくなっていました。夫婦の希望の中間をとって選んだ家具も、結局中途半端でウンザリ。片づける気力も湧かず、掃除もおろそかになっていました。大好きな猫は最大の癒やしですが、人が快適に暮らせてない家では、やはり猫も生活を楽しみきれてなかったと思います。

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす

趣味の音楽を楽しめる窓辺の空間

リノベーション後は、全てが自分たち仕様で、とても暮らしやすいです。本物の素材で作った部屋は手入れのしがいがあるし、好みの空間や家具に囲まれているとリラックスできます。生活全体が整って色々なやる気が湧き、趣味の音楽もより楽しめるようになりました。また、お招きした人が我が家の猫になりたいと言うほど、猫も生き生きと楽しそうに暮らしています。

2 リノベーションのプロセスで楽しかったことは?

初めての家づくりだったので、打ち合わせごとにイメージが図面になっていくことや、色々な素材サンプルから選んで決めるのが楽しかったです。
建築士さんの豊富な知識・センス・アイデアに触れるのも刺激的で、希望に対して様々な専門的アドバイスが聞けるのも貴重でした。建具の据えつけ方や、仕上げの職人仕事のお話など、とても興味深かったです。家具や照明選びもご指南いただき、色使いから、国や時代背景、やり過ぎない全体のバランスなど、品よく統一感のあるコーディネートになりました。

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす

奥様の寝室。扉はオリジナルで造作した

工事中仮住まい暮らしでした。運良く自宅近くのペット可物件が見つかり、新婚時代を思い出すような暮らしができて、意外にも名残惜しいほど楽しかったです。久々の引っ越しで気持ちのリセットにもなりました。費用はかなり痛手でしたが、工事中の現場確認やご近所トラブル対応のためにも、遠方の実家には帰らなくて良かったと思いました。

工期延長も考えて、仮住まいや引っ越し費用は余計に見積もっておく必要があります。また、引っ越し繁忙期は費用が倍以上になることもあるので、リノベーションの時期選びも大切だと思いました。
 
3 自分が想像していた以上のことはありましたか?

収納家具はなるべく置かない方針だったので、キッチン、クローゼットなどの収納を作るとき、物の種類・量・サイズまで洗い出し、出し入れの動きも計算してもらった上で、棚やポールの位置・高さ・幅を決める、という作業が想像以上に大変でした。
でも出来上がってみると、全てが気持ちよくシンデレラフィット。使いたい物が使いたい所にあり、片付けも簡単です。自分ではそこまで考えてオーダーできませんが、建築士さんがリードしてくれたおかげです。

長年の家への不満をリノベーションで解決! 猫4匹と快適に暮らす

キッチンの奥はサニタリー。洗濯や料理などの家事動線がまとめられている

騒音のご近所トラブルが、一時は工事続行困難かと思うほどこじれ、想定以上に大変でした。施工会社の営業さんにも付き添っていただき、根気よくおわびにうかがって、少しでもお気持ちを鎮めていただくことに徹しました。

どうしても騒音は出てしまうので、工事前のご近所周りは念入りに幅広く、お叱りを受けることになっても、とにかく受け止めて、工事中のストレスを吐き出していただくようにするしかないと学びました。実際、工事完了後のトラブルはありません。

(構成・文 大橋史子)

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    PROFILE

    石井健

    「ブルースタジオ」執行役員
    1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
    ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
    http://www.bluestudio.jp/

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