3Dプリントの「やど」を背負ったヤドカリが美術館で見られる!?AKI INOMATAの個展

AKI INOMATAは、「人間」と人間以外の「生物」の関わりをテーマにして、生物を観察し、映像などで表現してきたアーティストです。現在、十和田市現代美術館で、個展「Significant Otherness(シグニフィカント・アザネス)生きものと私が出会うとき」が開かれています。

AKI INOMATA “Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs?” from Aki Inomata on Vimeo.

「やどかりに「やど」をわたしてみる」(トップ写真)では、透明な殻を背負ったヤドカリが動き続けます。3Dプリンターでつくった世界の各都市をモチーフにした「やど」。それを選び、引っ越しする様子を観察する。この作品は、フランス大使館で展示をした際に、土地の所有権に興味を持った作者が、ヤドカリの生態と掛け合わせてつくったものです。

ヤドカリは本来、「やど」を見つけると吟味し、より魅力的な殻を求めて引っ越しを行う習性があるといいます。ヤドカリの動きを見ていると、私たちも一度は体験しているであろう引っ越し、移住を思い出し、また現在の難民や移民問題にも重ねることができます。作品をつくる上でINOMATAは、「生物の持っている能力をテクノロジーだと思っていて、そのテクノロジーを見てみたいのが作品をつくるひとつの大きな動機です」と話します。

十和田で国内最大規模の個展開催中 1月13日まで

個展のタイトル「Significant Otherness(シグニフィカント・アザネス)(重要な他者性)」は、科学史家ダナ・ハラウェイの言葉からひいています。

一般的には生物展示が難しい美術館で、からをかぶった生きたヤドカリ、元々祖先が同じだったタコとアンモナイトを出合わせた作品、震災の影響を受けたアサリの成長記録を調べてみた作品など、思わず顔がほころんでしまうAKI INOMATAの世界観を一気見することができます。

今までの共同制作者は、ビーバー、インコ、ミノムシ、ヤドカリなど。ビーバーの習性を利用して木をかじらせてみたものを展示したり、インコと一緒にフランス語を習ってみたりと、その作品からは生物学的な視点ではなく、生物を大切に尊重し、「こうしたらどうなるだろう」という、正直でユーモアのある視点が垣間見えます。主役はあくまで生き物なのです。この展示のために、十和田に昔実在していた、南部馬をINOMATAの感性でよみがえらせた映像作品が展示されているのも注目点です。

3Dプリントの「やど」を背負ったヤドカリが美術館で見られる!?AKI INOMATAの個展

南部馬をテーマにした作品より (C)AKI INOMATA courtesy of MAHO KUBOTA GALLERY

3Dプリンターなど「先端技術」を使って、私たちに生物のもつ美しさや新たな世界の視野を広げてくれるアーティスト・AKI INOMATA。都市と環境、人間と人間以外の生物の終わりのない関係性を考える展覧会から作品の一部を《フォトギャラリー》でお楽しみ下さい!

「AKI INOMATA: Significant Othernessシグニフィカント・アザネス 生きものと私が出会うとき」

会期:2019年9月14日(土)~2020年1月13日(月・祝)
会場:十和田市現代美術館(青森県十和田市西二番町10-9)
開館時間:9:00 ~ 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、12月28日(土)〜1月1日(水)年末年始休館
入場料:企画展+常設展セット券1200円。企画展の個別料金は一般800円。団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
http://towadaartcenter.com/

AKI INOMATA

2008年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修了。
「つくる」行為が人間だけに特権的なものではないことに着目し、生きものとの関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。
主な作品に、3Dプリンターを用いて都市をかたどったヤドカリの殻をつくり実際に引っ越しをさせる「やどかりに『やど』をわたしてみる」、飼犬の毛と作家自身の髪でケープを作ってお互いが着用する「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」など。
主な展覧会に、 「AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき」 (十和田市現代美術館、2019)、 「guest room 004 AKI INOMATA 相似の詩学ー異種協働のプロセスとゆらぎ」(北九州市立美術館、2019)、「第22回ミラノ・トリエンナーレ」(トリエンナーレデザイン美術館、2019) 、「タイビエンナーレ2018」(クラビ市内、タイ、2018)、「Aki Inomata, Why Not Hand Over a “Shelter” to Hermit Crabs ?」(ナント美術館、フランス、2018)など。
https://www.aki-inomata.com/

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