特集

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

手帳売り場が花盛り。最近は手帳本体だけでなく、シールや付箋(ふせん)、スタンプといった手帳まわりの文具もバリエーションが豊富で、目移りしてしまいます。そこで今回、文具ソムリエールの菅未里さんに「手帳と一緒に使いたい文房具」7点をセレクトしてもらいました。2020年の手帳をもっと使い勝手よく、もっと自分らしく、アレンジしてみませんか。

     ◇

国内外の文具のトレンドに精通し、テレビや雑誌、様々なメディアで文具の魅力を発信している菅さん。最近、ライフログとして手帳を使う人が増えている、と話します。

「人との約束やスケジュールの管理だけでなく、生活全体を網羅するものになってきているような気がします。たとえば趣味の世界のものだと、読書記録で一冊、料理や食事で一冊、育児記録で一冊と、複数使いする方も多いようです。持ち歩かず家に置いてある、という方もけっこういますね」

ここ3、4年は、リフィルを組み合わせて使うシステム手帳がトレンドだそう。「1980年代は男性のビジネスパーソンが使うツールとして非常に人気だったわけですけど、いまは第2次システム手帳ブームって言われているんです。手帳はもともと、10月から12月にかけて売れる季節商品と呼ばれるものでしたが、いまは通年売れるようになっています」

「リフィルはいま、本当に種類が豊富で、より自由度が高くなっています。どのメーカーもピッチ(穴の間隔)がほぼ一緒なので、好きなようにカスタマイズできますし、綴(と)じタイプと違って、間違えたと思ったら抜くこともできます」

なかでも人気なのが、印刷されているのは枠だけで、日付や曜日はユーザーが書きこむブランクタイプのリフィル。「いつからでも使い始められるから、たとえば『1年の途中で異動や転職をして、使い勝手が悪くなってしまった』みたいなときも、その時々に応じたリフィルを使えますよね」

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

菅さんが愛用している手帳。クリップや予備のSDカードも入れておく

菅さんは、どんな風にシステム手帳を使いこなしているのでしょう。「私は、TO DO リストとか、文房具の歴史を書いた自作の年表や商品情報を入れていたり、仕事の内容を書き込んだり、抜き差ししながら使っています。ポケットには撮影用のSDカードの予備やクリップも入れていますし、雑誌の切り抜きや、めいと遊ぶためのシール帳も、自力で穴を開けて入れ込んでいます」

愛用のシステム手帳をパラパラめくってもらうだけで、菅さんの興味があるもの、好きなものがギュッと詰まった一冊だということが伝わってきます。これほどカスタマイズを楽しめるだなんて、システム手帳、やっぱりいいなあ……。毎年、綴じタイプばかり使っている私は、みすみす楽しみを手放しているような気までしてきました。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

手持ちのインクの種類を記すページも

セット使いもオススメ。厳選したアイテムは……

さて、菅さんに「手帳と一緒に使いたい文房具」を7点セレクトしてもらいました。選んでくれたのは、システム手帳と綴じ手帳、どちらでも使えるもの。そして、セット使いもオススメのアイテムたちです。

「何かと管理しなきゃいけないことって、多いじゃないですか。お仕事とか体調とか、趣味の記録とか。お子さんがいらっしゃれば、そっちのスケジュールもありますし。私はこういう仕事なので、手帳を何冊かに分けることもできますけど、一般的にはめんどくさいですし、1冊あればそれで終了っていうのが理想ですよね。今回は、できるだけコンパクトにまとまるもの、そして手帳一つ持っていれば、生活の全てが網羅できるようなグッズを持ってきました」

さっそく、菅さんのコメントと一緒にご紹介します。

A FLOATING LIFEのデイリープランナー

もともと文具業界って、男性社会なんですね。文具というと会社で使う事務用品が多くて。いまでこそ明るめのパステルカラーとか動物モチーフのものがあるんですが、それって実はここ最近のブームなんです。女性にも文具好きが多いということに、業界が気づいたのでしょう。

ただ、デザインがどうしてもピンクとか明るめのカラーになりがち。「&w」を見る方々はもうちょっと落ち着いた色みが好きかなと思って、A FLOATING LIFEのものを持ってきました。女性が1人で制作されているブランドで、非常にセンスがよく、ごてごて甘くなりすぎないデザインのものが多いですよ。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

横型デイリープランナーを手に

デイリープランナーは一つ持っておくと便利です。外部との約束は手帳に書きつつ、「手帳に書くほどではないけど今日やらないといけないこと」は、ここに書いて管理する。仕事のことなのか、家のことなのか、いろいろあると思うんですけど、たとえば「卵を買う」みたいなことを手帳に書いていたら、スペースがなくなっちゃうし、仕事用の手帳だと書きたくないっていうのもありますよね。

「今日はこれをやらなきゃいけない」っていうものを一枚紙で管理して、終わったらペリッとはがして捨てる。そんな感じで、手帳と併用していただくのがいいんじゃないでしょうか。手帳と一緒に持ち運びたいという場合は、小さいサイズのTO DO リストもオススメです。

PLAN do MEのページ追加付箋

こちらはフロンティアのアイテムです。いわゆる一般的な付箋より粘着面がすごく細いので、ページの端っこにつけて、書くスペースを足す感じで使えます。あとは商談でスケジュール帳を開くけど、「これ、ちょっと見せたくないな」っていうときは目隠しの用途で使っちゃう。折り目がついているので、折り返すのも簡単です。

KITTAのマスキングテープ

マスキングテープって普通ロールですよね。KITTAのものは切れているので、使うときはペラッとはがすだけ。台紙は名刺サイズなので、手帳のポケットや切れ込みに入れられて、持ち運びにも便利です。グラデーションがきれいだったり、陶器っぽい特殊な加工だったり、柄も素敵なんです。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

持ち歩くのにピッタリ。KITTAのマスキングテープ

TO DO リストには付箋タイプのものが多いですけど、はがれ落ちるのが怖いという人は、これで貼りつけて落ちないようにすると良いかなって思います。あとはショップカードや名刺をもらっても、入れる場所がないっていうことありません? ポケットに入れておいたらぐしゃぐしゃになちゃうし、財布に入れたら小銭のよごれが付くかも……。そんなときは、四隅をテープで止めて手帳に貼っておくのもいいですね。

MIDORIの「チラットINDEX」

閉じタイプの手帳はしおりひもがついていますけど、どのページが何月なのか、わかりにくいのもありますよね。そういうときにこれを貼ると、パッと探しやすくなります。MIDORIの「チラットINDEX」は見やすいけど、本当に少しだけしか出ないインデックスなので、カバーから飛び出さないんです。「チラッ」となんですよ。引っかかって千切れちゃうこともないですし、張り直しができるから、失敗しても大丈夫。

デザインがかわいらしすぎちゃうと、ビジネスの手帳では使いづらいという人もいますけど、これはデザイン的にも落ち着いていて、使いやすいですよね。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

KITTAのシリーズと、チラッとINDEX(左)

サクラクレパスのクーピーマーカー

クーピーを短く太く三角にしたもの、ですね。私も普段から結構使っています。たとえばこの間、台湾へ出張に行っていたんですね、そのときは手帳のマンスリーカレンダーに横線を引いていたんです。ただ、同じマスに出張中のスケジュールも書くと、線と文字が重なって見にくいんですよ。後になって、これを使えばよかったって思ったんです。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

出張や休みなど長期間の予定は、クーピーでマス目を塗って、その上から予定を書くのがオススメ

長期間の予定は、マスを色で広く塗った方がわかりやすいです。カラーペンだとインクがどうしても裏に抜けやすいし、紙質によっては、にじんでしまって裏のページが使えなくなっちゃうことも結構あるんですよ。それがクーピーの場合、液体のインクではないので、絶対後ろに抜けないんです。私はペンケースに放り込んでいますが、ほかのものに色がつくこともないですし、全然問題ありません。

プライベートだったり、出張だったり、ちょっと長期間連続して何かがあるときの色づけは、これがいまのところ一番使いやすいですね。

フリクションポイントノック04

細書きのペンが、いますごく出ているんですよ。手帳に細かく書くときは、やっぱり細いペンが便利ですよね。

予定を書いたり消したりしたいという方は多いと思うので、何度でも書き消しできるフリクションはおすすめです。ペン先が0.4ミリという細さになると、いままではキャップ式だけでしたが、とうとうノック式が出ました。ノックタイプで0.4ミリが出たっていうのは、文具ファンにとっては画期的なことなんですよ!

ジェットストリームエッジ

水性で0.28ミリというのはあるんですが、これは油性でペン先が0.28ミリなんです。ファン待望の(笑)。というのも、油性のインクは粘度が高いので、ペン先を細くしちゃうと出てこなくなってしまうんです。

文具ソムリエールが厳選、手帳と使いたいアイテム7点

0.24ミリのペン先なら、小さい文字もお手のもの。写真は5ミリ四方の方眼に20文字書いたところ

そんなに細くする必要あるの?っていう話になりそうですけど、狭い面積に情報を多く書ける細いボールペンって、まだまだ需要があります。「この欄に収まるようにもうちょっと細かく書きたいけど、ペン先が太いから書けない」ということがないので、手帳を小さくするきっかけにもなるかもしれません。手帳を小さくしたいとか、もっといろいろ書きたいっていう人にはこれが一番オススメです。

自分なりの一冊に

菅さんのお話を聞いて、改めて自分の2019年の手帳を開いてみると、その味気ないこと。1月にはていねいだった文字も、9月ごろになると書き殴り感が出てくるし、最初のころは、手帳が空白だらけになるのが怖いから、突然決まった飲み会や直前に入れたサロンの予約まで書き留めていたっけ……。

「手帳って空白を恐れる人、けっこう多いんです。ご自身を『ひまな人』『人生が充実してない気がする』って思うみたいで。でも、みんな考えることは同じ。空白を埋めるグッズもたくさん出ています。何も予定がないところを、シールで埋めるのも手です。でも、本当は全然恐れる必要なんかないです。スケジュールが空いていたって、心の余裕だと思えばいい。ぼーっとして何も考えない時間があるってことってすごく幸せなことですから」

変に取り繕ったり、背伸びしたりせず、手をかけながら、自分なりの一冊に育てていく。なんだか、デニムやレザーに通じるものを感じました。

「手持ちの手帳に使いにくさを感じても、追加のアイテムで解決できる場合がほとんどです。手帳の紙質とペンが合わないという場合は、究極の選択になりますけど(笑)、手帳回りのアイテムは通年探せますし、本当に『あきらめないで』と言いたいですね」

手帳は想像以上におもしろく、奥深い世界なのかもしれません。

(文・写真 &編集部・岡田慶子)

>>&編集部メンバーに聞く 手帳の活用法

&編集部メンバーに聞く 手帳の活用法

一覧へ戻る

RECOMMENDおすすめの記事