世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!PR

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

 

良いニュースは、いつも小さな声で語られる――。

「僕」がロッシーニの「泥棒かささぎ」序曲を口笛で吹きながらスパゲティーを茹でている場面から小説は始まる。季節は初夏、おだやかな午後の芝生、奇妙な鳥の石像、庭の横にひっそりと佇む涸れた井戸……。不思議な空き家の庭で、主人公岡田トオルがポニーテイルの十代の少女笠原メイと出会うシーンは眩しく印象的だ。だがそこには、どこか底知れぬ暗闇の気配が漂っている。

猫が消え、妻のクミコが失踪する。謎の女・加納クレタが痛みに満ちた人生を打明け、間宮中尉は一九三八年の満州蒙古国境での秘密を語り始める――。

『ねじまき鳥クロニクル』は、歴史や暴力もテーマとして包含する村上春樹の九〇年代の代表作だ。

「良いニュースは、小さな声で語られるものです……」

小説の中で加納クレタが主人公に語るこの言葉は、村上文学の新しい可能性を示唆していた。一九九五年夏、長編『ねじまき鳥クロニクル』(英文タイトル:The Wind-Up‐Bird Chronicle)は、ニューヨーカー誌に英訳の抜粋が掲載され、一躍注目を集めた。そして九七年秋、クノップ社から出た単行本は、野心的で想像力に溢れた傑作として国際的に高い評価を受けることとなる。深い意識の底に降り、壁をくぐり抜け、歴史にも真摯に向き合う壮大な物語は、言語や国境、世代を越えて読まれた。

そして二〇二〇年、この小説が舞台化されるというニュースが届いた。日本で「100万回生きたねこ」、百鬼オペラ「羅生門」で演出・振付・美術を手掛けた奇才インバル・ピントによるコンテンポラリーダンス・音楽・美術が融合した舞台だ。演出・脚本に藤田貴大とアミール・クリガー、音楽の大友良英も加わる。独創的な才能が村上ワールドと響き合い、表現の境界を軽やかに超える瞬間を私たちは目撃することになるだろう。

誰かが世界のねじを巻かなくてはならない……インバル・ピントの舞台に、誰も想像できなかった「ねじまき鳥」が顕われる。

(新潮社編集委員 寺島哲也)

村上春樹の世界を、ダンスで創造する喜び  インバル・ピント[演出・振付・美術]

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

演出・振付・美術を担当したインバル・ピントさん

Murakamiの小説はどの作品も美しく、奇妙で、ミステリアス。そこから多くのインスピレーションを受けてきました。『ねじまき鳥クロニクル』では笠原メイと主人公トオルの「路地」と「井戸」の存在が視覚的にも深層心理的にも重要な場面です。そこから旅が始まり、読者は別の次元に導かれ、刺激的な想像力の感覚に包まれます。この舞台では、壁やテーブル、衣裳やダンスなどすべての演劇的要素を集めて、出口のない路地を進み、深い井戸の中に降りる。私が伝えたいのは、いつどんな時にも別の次元が存在し、未知の瞬間につながる小道があるということです。すべての人はみなダンサー。Murakamiの創造した世界を壊さないように、ダンス、美術、音楽によってフィジカルに表現した世界を楽しんでもらいたいと思います。

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

百鬼オペラ『羅生門』(2017年) 撮影:渡部孝弘

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

『100万回生きたねこ』(2015年)  左:成河 右:深田恭子 撮影:渡部孝弘

PROFILE

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

インバル・ピント Inbal PINTO

イスラエルの演出・振付・美術家。1992年より自身のダンスカンパニーを立ち上げ、イスラエル国内だけでなく世界各地で公演を行う。 アメリカン・ダンス・フェスティバルの国際振付プログラムに招聘され、2000年にはニューヨーク・ダンス&パフォーマンス賞を受賞している。ノルウェイのオペラハウスにて演出・美術を手がけた『The Cunning Little Vixen』はその独創的な演出で話題となった。『100万回生きたねこ』、百鬼オペラ『羅生門』に続き、『ねじまき鳥クロニクル』が日本での3作目の演出作品となる。

舞台『ねじまき鳥クロニクル』キャストコメント

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

成河

村上春樹さんの世界とロジックの複雑さに日々圧倒されながら、お稽古しています。と言いつつ、原作とはかなり違った印象になると思います。ある意味、別ものだと思って楽しんでいただけたら。村上さんの長編小説自体、いろんな楽しみ方と捉え方がありますし、演劇として新たな世界を切り開きたい。日々、とてつもないことに挑戦している実感があります。今まで見たことのないものをお見せできると思うので、ぜひ劇場に足をお運びください。

 

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

渡辺大知

今、稽古場ではみんなでアイデアを出し合い、視覚や聴覚など様々なものを駆使して、最高に豊かな作品を目指しています。特に僕にとってダンスと身体表現は初めての体験で、刺激を受けっぱなし。この作品の魅力は、日常のすぐそばで起きていることだという点です。身近なのに僕らは想像力だけで時空をも飛び越え、移動できてしまう。映像とは違う舞台の素晴らしさをかみ締めています。この感覚をみなさんと共有できたらうれしいです。

 

世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

門脇 麦

インバル・ピントの作品は視覚的で絵画のよう。幻想的でちょっと毒っ気があり、隅から隅までたくさんのアイデアがちりばめられています。特に身体表現が独特で、稽古でも時間を忘れて見ほれてしまうほど。そのインバルの世界観と村上春樹さんの文学が演劇として出会う。カンパニーのみんながめいっぱいの愛情を詰め込みながら、この新作に取り組んでいます。個人的にも絶対に美しい舞台になると確信! 絵本を見る感覚でお楽しみいただきたいです。

 

舞台『ねじまき鳥クロニクル』
公演についての詳細はこちらhttps://horipro-stage.jp/stage/nejimaki2020/

STORY
岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていたが、猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれ、思いもよらない戦いの当事者となっていく――。
トオルは、姿を消した猫を探しにいった近所の空き地で、女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。
そんな最中、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。
だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。そしてトオルは、もっと大きな何かに巻き込まれていることにも気づきはじめる。
何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。暴力とエロスの予感が世界をつつみ、探索の年代記が始まる。
“ねじまき鳥”はねじを巻き、世界のゆがみを正すことができるのか? トオルはクミコをとり戻すことができるのか―――。

原作:村上春樹
演出/振付/美術:インバル・ピント
脚本/演出:アミール・クリガー
脚本/演出:藤田貴大
音楽:大友良英

出演:成河 渡辺大知 門脇麦
大貫勇輔 徳永えり 松岡広大 成田亜佑美 さとうこうじ
吹越満 銀粉蝶 ほか

上演:2/11(火・祝)〜3/1(日)
会場:東京芸術劇場プレイハウス
チケット:S席11,000円 サイドシート8,500円(全席指定・税込み ※未就学児入場不可 ※サイドシートはシーンによって見えにくい箇所がございます。ご了承ください。)好評発売中!
お問合せ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日10:00~18:00 土曜10:00~13:00 日祝休)
主催:ホリプロ/TOKYO FM
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団/アーツカウンシル東京
協力:新潮社
メディアパートナー:朝日新聞社
後援:イスラエル大使館
企画制作:ホリプロ

 

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世界を驚かせた村上春樹の代表作 『ねじまき鳥クロニクル』いよいよ舞台化!!

 

#13 食器棚を整える。

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