美容コラムニスト・福本敦子さん「化粧品と肌が好きなんです。乾燥肌に胸がキュンとします」
文: 草刈康代 牛久保雅美(イラスト)

自分で徹底的に試した結果、自信を持って勧められるオーガニックコスメをユーモアあふれる独特の表現で紹介する「#敦子スメ」が、Instagram(@uoza_26)を中心に世代を超えて支持を集めている福本敦子さん。
昨年は、初めての著書『今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本』(光文社)を出版した。紹介されたアイテムは品切れが続出する程の大反響となっている。そんな福本さんに、化粧品との向き合い方や、女性がきれいに生きていくためのヒントについて語っていただいた。

福本敦子 フリーPR/美容コラムニスト
「コスメキッチン」に14年間勤務後、現在はフリーランスPRとして活躍する傍ら、ビューティコラムニストとして
イベント、SNSなど多方面で活躍。オーガニックに精通した知識を武器に、ライフスタイルに寄り添った独自のオーガニック美容論が、著名人やエディターをはじめ各方面から大人気。「#敦子スメ」は「読んだ瞬間試したくなる」と数多くの反響を呼び欠品や完売商品も多数。2019年秋、初の書籍となる『今より全部良くなりたい 運まで良くするオーガニック美容本 by敦子スメ』を出版。発売前に増刷するなど話題を読んでいる。旅を愛し、占星術にも精通。 Instagram:@uoza_26
朝の2つの習慣
―― 美容に関して日々の習慣になっている行動はありますか。
朝起きたら必ず、タングスクレーパーで舌の上の汚れを取るようにしています。何年か前にインドやスリランカの伝承医学「アーユルヴェーダ」について勉強した時に「身体にたまった毒が舌の上に出てくる」という考え方があると聞いて、日々実践するようにしています。
朝は浄化の時間。排泄して口の中の汚れを取ってから、1日をスタートさせています。もう1つ私が習慣にしていることは、瞑想(めいそう)です。朝と夕方の1日2回、20分ずつやるようにしています。
朝はその日にやらなくてはいけないことや、仕事のアイデアが思い浮かばない焦りなどが、次から次へとあふれてきて頭の中が忙しくなってきます。でも、瞑想していくうちにそれが一つひとつ消えていくんです。頭の中に何もなくなるからそこにスペースができて、アイデアもひらめくようになりました。
瞑想は部屋の片づけと似ている気がします。
―― きっと気持ちも落ち着きますよね。
そうですね。私が瞑想を始めたきっかけは、「独立する」というライフステージが変わるタイミングで、心を落ち着かせる必要性を感じたからです。昨年、14年勤めていたコスメキッチンを退社してフリーランスになった際、「生活の保障がない」と一喜一憂したくないと思い、習い始めました。
実際にやってみて効果が実感できたので、良い投資だったと思っています。もしかしたら、生活の一部になっています。たまに忘れることもありますが、気が散ったら集中力を高めるためにも瞑想をするようにしています。
「自分が何を選ぶか」という視点が大事
―― 美容に興味を持ったのはいつ頃ですか。
小さい頃に母親のことを美人と褒められうれしかった時のことを今でも覚えています。その時に「きれいということは良いことなんだ」と感じました。
周囲に女性が多い環境で育ち、物心ついた頃から女の人が好きなものや美容に関心が向いていました。雑誌を読んでも化粧品のページが一番面白いと感じましたし、美容学校在校時は髪よりも肌の方に興味がありました。
昔から私は化粧品と肌が好きなんです。男の人を見る時にも乾燥肌だと胸がキュンとします。「ここに潤す大地があった!」と(笑)。
―― Instagramの「#敦子スメ」や著書が大好評ですが、紹介するアイテムはどのように選んでいらっしゃいますか。
全て自分で試して良かった化粧品を選んでいます。オーガニックコスメショップ「コスメキッチン」のスタッフとして14年間勤務していたので、化粧品に関する知識はあります。自分の使用感を率直に伝えたいので、「これをこんなふうに投稿してください」といった指示のあるお仕事は受けないようにしています。
コスメに関しては、合う合わないに個人差がありますし、その人の感性によっても評価は違ってくる。それに加え、今は情報が多過ぎて何を買っていいかわからなくなり、「信じる、信じない」の世界にはまってしまう人も多いように思います。
「自分が何を選ぶか」という視点をもつことが大切だと思います。私が試して良かったと思ったアイテムの情報が参考になって、選択肢が増えていくことが私の喜びです。でも、最後にはご自身で決めてほしいと思うんです。
「なりたい自分」と向き合おう
―― コスメキッチンで勤務していた時のスタンスも同じでしたか。
変わらないですね。接客の際、お客様にはまず「どんな風になりたいですか?」と聞いていました。そのイメージを知った上で、「では、そうなるために一緒に考えましょう」という姿勢で商品をご紹介していました。
―― 悩みを聞くのではなく、どんな風になりたいかを考えてもらうわけですね。
悩みや問題点を考えても楽しくない。「どうなりたいか」をイメージしたほうが、きれいになることへのモチベーションにつながるかなと思いました。実際に私から聞かれて、初めて「なりたい自分」と向き合ったとおっしゃるお客様も少なくありませんでした。
きっと、日々の忙しさの中で「考える時間」を作るのが難しいのかも。私もそうなんですが。でも、これからの自分に目を向けた時に開ける何かがあるということに、気づいていただければと思います。
―― 「どうなりたいか」という意識を持つことは、歳を重ねていく上でも大事なことですね。
何かをやってみたいという意欲が日常的にあることは、とても大事です。
日本では、私の母のように、自分のために生きることを我慢せざるを得ない時代に生まれた女性もいると思います。
また、子育て中の方も、自分の時間を作るのはなかなか難しいこともあるのではないかと。でも、私は基本的にはあらゆる女性に満たされた状態でいてほしいと願っていますし、自分を大切にしてほしいなという思いがあるんです。
実は、私の本を読んで「自分の時間を取り戻すことができた」「自分のために生きる幸せを思い出した」といった声が数多く寄せられていると聞き、うれしくなりました。女性たちは、もっと欲張っていいんです。
朝の新習慣で口の中がすっきり
■タングスクレーパー
福本さんご愛用のタングスクレーパーは銅製のもの。最初に使用した時には思わず「うわぁ!」と声を上げてしまったとか。
「私は今までこれを舌の上につけたまま生活していたのかとびっくりしてしまいました」。このタングスクレーパーを使うと、朝起きたての口の中のネバネバや口臭の原因となる舌苔(ぜったい)をすっきり取り除くことができるそう。日によってネバネバの具合や色が違うので自分の体調管理にも役立つことから、「否応なく自分と対峙する時間」になると、福本さん。
ブラシのタイプよりも断然使いやすいとのこと。朝の新習慣に取り入れてみたいアイテムです。
「小鼻の汚れ問題」はこれで解決!
■フェイシャル クレンザー(product)
「#敦子スメ」の中でも特に人気が高いのが、こちらのフェイシャル クレンザー。ゆるめに溶かして洗顔料としても使用できますが、福本さんのおすすめの使用法は、適量に水を加えて固めのペースト状にして小鼻に貼るように伸ばし、乾いたら洗い流す「小鼻パック」。
福本さんがこのやり方をインターネットにアップしたところ、瞬く間に5万回再生されたとか。「知らない間に汚れがたまってしまう小鼻が気になっているんですよね。このアイテムは目に見えて効果もわかるので、ぜひ試していただきたいです」。
遠慮のないゴージャスさにひたすらうっとり
■プレシャスEXオイルセラム(SHIGETA)
SHIGETAのオイルセラムは、厳選されたジェムストーンを漬け込んで作られたアイテム。「一塗りでゴージャスな満足感と肌のハリを感じられる」と福本さんも愛用しているそう。
なんと、この冬には金箔(きんぱく)入りのタイプが限定発売。「顔に惜しげもなく金を塗るなんてクレオパトラくらいですよね。そんな遠慮のないゴージャスさが大好きです!」。
このような夢のある商品は、自分を価値のある存在として大事にしていこうというマインドを持つことにつながっていくと福本さんはいいます。ちょっぴりお値段はしますが、自分の価値に比べれば安いものかも!?
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません。
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PROFILE
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草刈康代
1994年 慶応義塾大学法学部卒業、朝日新聞社入社。その後2007年にフリーライターに転身。朝日新聞広告特集(生涯学習、グッドデザイン賞)、リクルート(「住まいの設備を選ぶ本」、専門学校情報サイト)など、その他ビジネス、教育分野を中心に執筆。
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牛久保雅美(イラスト)
桑沢デザイン研究所卒業後、イラストレーション青山塾を修了したのちフリーランス。書籍、雑誌、WEBなどの媒体で活動。日常をテーマにアンニュイな女性像を描く。