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家族の絆を深める旅へ ロケ地コーディネーターの段取り術

家族の絆を深める旅へ ロケ地コーディネーターの段取り術

撮影/猪俣博史

『MY TRAVEL, MY LIFE Maki’s Family Travel Book』

2020年が始まって2カ月が経とうとしていますが、みなさんは今年の旅のご予定はもうお決まりですか? 今年こそはあの土地へ……と、訪れてみたい旅先が真っ先に思い浮かぶ方や、次の旅行を計画中という方もいらっしゃるかもしれません。

今回ご紹介する本は、当店では旅行フロア内ハワイ書籍の棚に並んでいますが、ハワイへご旅行される方だけでなく、旅するすべての人にご紹介したい一冊です。タイトルは『MY TRAVEL, MY LIFE Maki’s Family Travel Book』。著者は“ハワイのマキさん”の愛称でも親しまれている、ハワイ在住のマキ・コニクソンさんです。

マキさんはハワイだけでなく、世界中で雑誌やテレビのロケーションをアレンジするカリスマ・コーディネーター。ハワイや旅先からSNSを通して、時には楽しい、時には美しい、時には一緒に旅をしている気分になるような素敵な写真とともに、私たちを勇気づけてくれるポジティブなメッセージを日々伝えています。

この本は、Chapter1「私が家族と旅する理由」と、Chapter2「ハワイは家族旅のベスト・ディスティネーション」の2部で構成されています。

Chapter1では、旅をしたからこそ気づけた家族との絆、旅先だからこそ感じられた子供たちの成長、旅を重ねるごとに深まる両親への感謝の気持ちなど、飾ることのないストレートなマキさんの思いが、旅先でのエピソードと共に紹介されています。

小学6年生の時に家族で行ったグアムでは、悪天候で飛行機が飛ばず、みんなが不安になるなか、お父さんの笑顔に救われた日のことが書かれています。急きょ空港近くのホテルに宿泊することになり、少し残念な気持ちになるなか、その時間をみんなで楽しもう!と提案したお父さんの言葉、その日、窓から見た成田空港に飛行機が発着する景色は、今もマキさんの心に深く残っている、と。ページをめくるたびに、私自身の子どもの頃からの記憶と、旅先で起こったエピソードが同時に思い出されてくるようで、不思議な感覚が湧いてきます。

大切なのは、一緒に旅する人をよく知ること

また、この本の魅力の一つは、「ファミリートリップでは、あなたがコーディネーター! 世話のやける愛すべき家族のために、率先してプランニングしてあげましょう!」と読者自身に、家族旅の際のプランニングを提案していることです。

旅をコーディネートする上で最も大切なことは、旅先のことを知っておくのはもちろんのこと、一緒に旅する人のことをよく知り、その人たちを分析して場所を選ぶこと。そのためのコツ、日程を組むポイント、子連れ旅を楽しむための秘訣(ひけつ)、旅を成功させるための食べものなど、21年間コーディネーターとしての仕事をしてきたマキさんだからこその視点は、次の旅行を計画する際にはぜひ参考にしたいところです。

家族旅はもちろんのこと、親しい友人との旅や、自分の今いるところを見つめ自分のための旅をコーディネートする、という意味では、一人旅でも参考になるかもしれません。

Chapter2では、「ファミリートリップは、どの世代も幸せを感じられる場所がいい。だからこそ、ハワイはファミリートリップのベスト・ディスティネーション」という思いから、“子どもと旅するハワイ” “両親と旅するハワイ”という二つの視点で、おすすめスポットが紹介されています。

その中には、SNSでも度々登場し、マキさんにとってのパワースポットであり、「特等席」と呼んでいる、カピオラニ公園にあるダイヤモンドヘッドが真正面に見えるベンチも。まさに、ハッピーをみんなでシェアしよう!というマキさんの思いが伝わるおすすめスポットの一つです。

「たぶん私が旅に出る一番の理由は、自分の居場所、そしてそこと向き合う自分自身に、自分で飽きないようにするためなのかもしれません」「旅はいつも発見で満ちあふれています。何かにインスパイアされて、アップデートされた自分の目で自分の居場所を振り返る」というマキさんの言葉は、心に響きます。

同時に私も、娘として、母として、女性として、大きな原動力となるのは家族の存在であることにあらためて気づかされます。この一冊に出会えたことで、次からは、ひょっとしたら当たり前のように過ぎてしまうかもしれない家族との会話や、共に過ごす時間を、とてもいとおしいものだとかみ締めながら旅することができるかもしれません。

(文・藤井亜希子)

5夜連続の作家トーク「代官山 蔦屋書店 文芸フェス」開催

*イベントは中止になりました。
「ほんやのほん」でおなじみ代官山 蔦屋書店の文学コンシェルジュ・間室道子さんの好きな作家を呼んでトークをしてもらう「代官山 蔦屋書店 文芸フェス」。今年は「2020 春の陣」と題し、3月に5夜連続で開催されます。いずれも午後7時スタートで、参加費は1500円(税込み)。●印の回はサイン会もあります。
お問い合わせ・お申し込みは各リンク先、もしくは代官山 蔦屋書店(03-3770-2525)へ。

3月2日(月)●津村記久子さん「なんでも質問箱スペシャル!」
3月3日(火) 川上弘美さん × 岸本佐知子さん「ひな祭りゆるゆる対談」(満席)
3月4日(水)●柴崎友香さん × 小野正嗣さん「スペシャルトークショー」
3月5日(木)●クラフト・エヴィング商會・吉田篤弘さん&浩美さん × 堀江敏幸さんトークショー「ラジオ・やわやわ」(満席)
3月6日(金) 筒井康隆さん × 松浦寿輝さん「スペシャル対談」(満席)


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  • >> おすすめの本、まだまだあります

    蔦屋書店 ブックコンシェルジュからあなたへ、本の贈り物

    &wでは、「ほんやのほん」のブックコンシェルジュがあなたのために本を選び、お届けする企画「蔦屋書店 ブックコンシェルジュからあなたへ、本の贈り物」を行っています。

    「いまこういうことで悩んでいるのですが、どんな本を読めばいいでしょうか?」といった人生相談はもちろん、「恋愛に効く本は?」「こんな気分になれるお話が読みたい」などなど、どんなご相談でも構いません。選ばれた本は、編集部からプレゼント。その様子は記事でもご報告します。
    応募フォームから、ふるってご応募下さい。

    PROFILE

    蔦屋書店 コンシェルジュ

    そのとき一番おすすめの本を、週替わりで熱くご紹介します。

    ●代官山 蔦屋書店
    間室道子(文学)
    ●二子玉川 蔦屋家電
    岩佐さかえ(健康 美容)/大川 愛(食)/北田博充(文学)
    嵯峨山 瑛(建築 インテリア)/中田達大(ワークスタイル)
    松本泰尭(人文)
    ●湘南 蔦屋書店
    川村啓子(児童書 自然科学)/藤井亜希子(旅)
    八木寧子(人文)/若杉真里奈(雑誌 ファッション)

    藤井亜希子(ふじい・あきこ)

    湘南 蔦屋書店 旅コンシェルジュ。旅行会社勤務時代は、海外ホテルやオプショナルツアーなど現地への手配を担当。その経験を生かし、ハワイ・北欧・フランス・イギリスなどを中心に、旅行書の選書をはじめ世界各国の自然や文化、人々の暮らしなどその土地にまつわるフェアや旅行イベントを提案。プライベートでは、自他ともに認めるハワイラバー。

    「今、私は恐ろしいほどに寂しい」 豊かな孤独が生まれるとき

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