リノベーション・スタイル

新しくするだけではない、リノベーションで暮らしやすさを実現

Tさんご一家(夫33歳、妻33歳、長男4歳)
東京都杉並区/築18年/64.79平米

リノベーションはお金をかけてデザイン性が高い家を作ること、だから自分には難しいと思っている人がまだ多いかもしれません。Tさんも、最初はリノベーションをしたいという希望はありませんでした。中古マンションを購入し、キッチンとお風呂を新しくし、壁を張り替えるなど部分的に少し変更するくらいに考えていたそう。

Tさんご夫妻に「どんな暮らしをしたいですか」と質問をしたのですが、お二人は今まで自分たちの暮らしについて考えたことがなかったようです。仕事、家事、育児などに追われていると、自分たちの暮らしを振り返る余裕が持てないのは仕方がないもの。今回のように家を購入するという、一生のうちで何回もない機会だからこそ、「どんな暮らしをしたいのか」と真剣に考えてみてもいいと思います。

話していると、お二人から「キッチンで料理をしながら、リビングの子どもの様子が見えるといい」「子どもの絵を飾れるスペースが欲しい」など、理想の暮らしの話が出てきました。

新しくするだけではない、リノベーションで暮らしやすさを実現

ネイビーオーク柄を選定したリビング引き戸の先は子ども部屋

そこで、元々の間取り図を見ながら、「キッチンで料理をしながらリビングのお子さんの様子を見たいなら、今のクローズドキッチンではなく、壁をとってオープンに。キッチン設備の向きを変えて対面式にすれば、お子さんの様子を見られますよ」とか「リビング脇の和室の壁をとってキッズスペースにすれば、お子さんがのびのび遊べます。引き戸をつけて必要に応じて閉めれば、ご両親が遊びにきたときは宿泊場所になるなど、多目的に使えるのでは」と色々話しているうちに、Tさんご夫婦は、そんなふうに暮らしやすくなるならと、リノベーションをすることになりました。

初めは、キッチンやお風呂の設備をただ入れ替えるだけと考えていたので、予算は上がりましたが、「ローンの審査をやり直します」とTさん。その後、詳しく話をうかがい、リノベーションのプランをたてました。例えば、「子どもの作品が飾れるスペースが欲しい」という希望には、リビングの壁を有孔ボードやマグネットボードを組み合わせてアクセントウォールに。さらに、テーブルを造作してお絵かきもできるスタディーコーナーをプラスしました。

新しくするだけではない、リノベーションで暮らしやすさを実現

オリジナルのアクセントウォールには子どもの絵や作品を飾る

予算がない、時間がない、センスがないなど、自分たちには無理とリノベーションを諦めてしまうのは、もったいない。一番大切なのは、「どんな暮らしをしたいか」です。100の家族がいれば、100通りの暮らしがあります。全面リノベーションでなく、部分的でも暮らしやすくすることは可能です。

今回も、大きく変えた部分は、キッチン、リビング・ダイニング、和室(キッズスペースに変更)。あとは既存のものを生かしながら、小さく変更しました。お金をかけなくても、大がかりにしなくても、個性的にしなくても、暮らしやすい家にするリノベーションは可能なのです。

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Tさんご夫婦に聞く
リノベーションQ&A

1.一番気に入っている場所はどこですか?

リノベーションのメイン、キッチンとリビング・ダイニング、キッズスペースです。リビングの壁に有孔ボードやマグネットボードを使って、子どもの作品が飾れるようになったのは、うれしいですね。

新しくするだけではない、リノベーションで暮らしやすさを実現

キッチンからも視線が届く子ども部屋には、お片付けの練習となる収納スペース。扉の中は実は鏡

2.家の中でどんなことをしている時間がお気に入りですか?

子どもが遊んでいる姿を見ながらキッチンで料理しているときや、キッズスペースで子どもとプラレール遊びをしているときですね。

3.今回のリノベーションで一番大切にしたことはなんですか?

一番は動線や収納を意識した、暮らしやすさです。そして、人を招きたくなるような空間になることですね。その両方が実現できました。ときどき、友人家族を招いてプチパーティーをするのも楽しみになりました。

新しくするだけではない、リノベーションで暮らしやすさを実現

キッチンからもリビングからもみえるアンティーク調のブラケット時計は奥様の一目ぼれ

(構成・文 大橋史子)

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    PROFILE

    石井健

    「ブルースタジオ」執行役員
    1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
    ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
    http://www.bluestudio.jp/

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