アイスランドに住む双子の少女の成長を撮り続けた写真集「EAGIE AND RAVEN」

写真家の稲岡亜里子さんが、アイスランドの一卵性双生児の女の子を9歳から16歳まで撮り続けた写真が一冊の本になりました。
アイスランドでの滞在中に、偶然「アトナとフレプナ」という二人の双子の少女と出会い、2009年から撮り始めたこのプロジェクト。2017年に彼女たちの撮影は終了しましたが、本をつくる今年までプロジェクトはずっと続いていたといいます。写真集には、この本のためにアイスランドの小説家が書き下ろしたエッセー(日本語翻訳付き)も収録されています。

写真集公刊発売にあたって、作家・稲岡亜里子さんから&w読者の皆さまにメッセージが寄せられました。

    ◇

アトナとフレプナに出逢ったのは前作の初写真集『SOL』を制作している時期だった。ミナ ペルホネンのカタログ撮影のためにアイスランド人の現地モデルのキャスティングを手伝ってくれた親友が、近所のプールに遊びに来ていた二人を見かけ、彼女たちのお父さんにオーディションに来るように声をかけてくれたのがきっかけだった。そのとき彼女たちは6歳だった。2年後、『SOL』が出版され、私の作品の対象は自然と彼女たちに移行した。

アトナとフレプナのように、強い繋(つな)がりと調和とともにある人間の関係性を私は見たことがない。二人と過ごす時間は夢の中にいるような、不思議な感覚になる。喧嘩(けんか)をしたり言い合ったりしている姿を見たことはない。彼女たちは同じ学校に行き、放課後は毎日バレエの練習に行く。性格はおとなしいが自分の芯をもっている。子供から成人になっていく過程でも、二人の関係には変わらない安定があり、それは双子の彼女たちにしかわからない、私には想像を絶する強い繋がりがそうさせているのか、彼女たちから何かとてつもない大切なことを学ばせてもらっている感覚とともに撮影をした。

『私たちおなじ夢を見ることがあるの』と話してくれた。普通なら信じられないようなことだが、この二人ならありえることだと、この言葉が作品のテーマとなった。双子にはテレパシーの力があると話す心理学者たちもいる。ただ、双子でなくても、見えている世界とは違うところでも繋がり、共栄し合って生きていることを強く感じながら、彼女たちを撮影した。人と人、人と自然、自然と動物、地球と宇宙と、神と、星たちと、全てとともに、私たちは大きな一つのエネルギーで繋がっていることを感じながら。

「私たち同じ夢を見るの」いい夢を一緒に見よう。

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アイスランドの広大な自然とまるで自然の一部のように溶け合う双子の美しい少女。本に写る姉妹を通して、人間の持つ神秘的な美しさに思いをはせてみるのはどうでしょうか。

写真集の一部を《フォトギャラリー》でお楽しみください。

 

稲岡亜里子 『EAGLE AND RAVEN』

アートディレクション:稲岡亜里子
デザイン:津田井美香
発行:赤々舎
サイズ:B5変型 ページ数:80 pages 布装(コデックス装)
発行所:株式会社赤々舎
¥ 4,400 円+tax
購入先:赤々舎ウェブページ
http://arikoinaoka.com/(作家本人のサイトからオーダーするとサイン入りで購入できます)

PROFILE

アイスランドに住む双子の少女の成長を撮り続けた写真集「EAGIE AND RAVEN」

稲岡亜里子(いなおかありこ)

京都生まれ。17歳でアメリカ・サンディエゴに留学。高校で写真に出逢い、ニューヨークのパーソンズ美術大学で写真科を卒業。卒業後もニューヨークと東京をベースに写真家活動をした後、2011年、京都に戻り家業である蕎麦屋、本家尾張屋(1465年創業)十六代目を継ぐ。家業と写真家の二足のわらじの中で撮り続けたこのシリーズは、2008年に出版された初写真集「SOL」(赤々舎)以来の、12年ぶりの写真集となった。この作品シリーズは、スペイン、ベルギーでも展示され、アイスランドでも展覧会を予定している。

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