料理家・冷水希三子の何食べたい?

旬のイチゴで作る、ふるふる食感のパンナコッタ

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくださるという夢の連載。今回は人気のお手軽おやつシリーズ。旬のイチゴを使ったパンナコッタを教えていただきます。

     ◇

―― 冷水先生、こんにちは。今年の桜も美しかったですね~。

冷水 暖かい日も多くて、本当に気持ちのいい季節ですね。

―― 読者のみなさんも心は春爛漫(らんまん)のようで、食卓が華やぐお料理のリクエストが増えています。

冷水 そうですか、じゃあ今回は簡単に作れるおやつシリーズはどうですか? デザートを手作りするのは手間だなあと思っている人でも、さっと作れるパンナコッタはおすすめです。

―― パンナコッタ! 家で手作りできるなんてそれは朗報です!

冷水 今の時期まではイチゴが旬ですから、見た目にも華やかで愛らしいおやつになると思いますよ。

―― わ~、それは乙女心をくすぐりますね! ぜひお願いします。

イチゴのパンナコッタ

今回はフレッシュなイチゴをマリネしてソースに。旬のイチゴの甘さと酸味を味わってください

冷水 まずは、イチゴのソースから作りましょう。ソースといっても今回はイチゴをマリネしてフレッシュなまま使います。せっかく旬のおいしいイチゴですからね。

―― でもデザートのソースって、なんだか難易度が高いような先入観が……。

冷水 まったくそんなことはありませんよ。小鍋に砂糖と白ワイン、レモン汁を入れて熱し、粗熱をとったそのマリネ液にフレッシュなイチゴをつけておくだけですから。

―― なんと! そんな簡単な工程でソースができるなんて(涙)。

冷水 マリネする時間は30分から1時間くらいで大丈夫です。パンナコッタを冷やす時間があるので、それに合わせて作っておけばいいでしょう。

―― 次はパンナコッタ作りですね。今回は豆乳を使うんですか?

冷水 もちろん牛乳でもいいのですが、今回は甘さ控えめにしたいなと思います。これなら甘いものが苦手な人でも食べやすいですし、食後の口直しにさっぱりと。

―― 生クリームはすごく少量なんですね。

冷水 もちろん好みで増やしていただいてもいいですよ。

イチゴのパンナコッタ

中身を出したバニラビーンズのさやも一緒に鍋に入れて煮ます。甘い香りがパンナコッタ液に移って、ぜいたくな風味に

―― あ、まずは肝心の板ゼラチンの準備ですね。これは以前コーヒーゼリーの回でもやりましたね。冷水につけて戻すのが鉄則だったような……。

冷水 そうです、よく覚えていましたね。板ゼラチンは戻す水の温度が高いと溶けてしまうので、必ず冷水で戻してください。

―― はい!

冷水 次にバニラビーンズです。できれば、さやのものをつかっていただきたいです。さやの中に小さな黒い種が詰まっているので、包丁の先で種をしごくようにして、黒いつぶつぶを取り出します。もし手に入らなかったらバニラエッセンスでもOKですよ。量は数滴で!

―― バニラビーンズってすごくいい香りなんですね~。

冷水 そうしたら、お鍋に豆乳、生クリーム、砂糖、バニラビーンズ、そしてバニラビーンズの皮も一緒に入れて火にかけます。砂糖が溶けてきたら水けを切った板ゼラチンを加えます。

―― 板ゼラチンを投入するタイミングってありますか?

冷水 ゼラチンは80度以上に熱すると凝固する力が弱くなるので、お鍋の中が沸騰しないよう、中火~弱火で熱してください。お鍋のふちがふつふつしてきた頃がゼラチン投入のタイミングですよ。

イチゴのパンナコッタ

熱すると膜ができやすい豆乳はザルでこして滑らかに

―― 沸騰は厳禁ですね、メモします。

冷水 ゼラチンが溶けたらパンナコッタ液をザルでこして、氷水に当てながら混ぜて、冷まします。

―― どうして氷水が必要なんですか?

冷水 早く冷やすことで液体の蒸発を少なくするためです。それと温まった豆乳は表面に膜ができやすいので、混ぜながら冷やしましょう。

―― なるほど~!

冷水 あとは型に流し入れて、冷蔵庫で固まるまで冷やすだけです。

―― わわ、本当に簡単ですね。

旬のイチゴで作る、ふるふる食感のパンナコッタ

パンナコッタにオススメの器はガラス。パンナコッタの白とイチゴの赤の色味を楽しめて、とてもきれいですよ

冷水 しっかり冷やし固まったら、さっき作っておいたイチゴソースを好みでかけて召し上がれ。

―― わ~、マリネされたイチゴがツヤツヤしていて可愛い!!

冷水 パンナコッタの白とイチゴの赤のコントラストがきれいなので、ぜひ透明なグラスに入れて作ってみてください。

―― おもてなしデザートにもぴったりですね。

冷水 お味はどうですか?

―― ふるふる食感がすごくいいです! 豆乳を使っているのでパンナコッタ自体は上品な甘さで、その分イチゴの甘さが引き立ちますね。

冷水 旬のフルーツの甘さはお砂糖の甘さに勝りますよね。

―― 旬、万歳!

冷水 イチゴの季節が過ぎたら、さくらんぼや桃のマリネを乗せてもおいしいですよ。

―― 基本のパンナコッタの作り方をマスターすれば、色々アレンジできそうですね。

冷水 豆乳の代わりに牛乳を使ったり、生クリームの量を自分好みに調節したり、ぜひ色々カスタマイズして楽しんでくださいね。

今日のレシピ

イチゴの豆乳パンナコッタ

◎材料(4人分)

豆乳:250ml 
生クリーム:50ml 
砂糖:13g 
バニラビーンズ:1/4本
板ゼラチン:2.5g~2.7g 
イチゴ:100g

A
砂糖:15g 
白ワイン:50ml 
レモン汁:小さじ1

◎作り方

 イチゴソースを作る。Aを小鍋に入れて火にかけ、砂糖が溶けたらボウルに移す。粗熱が取れたら2cmほどの乱切りにしたイチゴを加え、1時間ほどマリネする。

 板ゼラチンを冷水で戻す。

 鍋に豆乳、生クリーム、砂糖、さやからこそげたバニラビーンズとさやを加えて火にかける。70~80度になってきて砂糖が溶けたら水けを切った板ゼラチンを加え混ぜて溶かす。

 をザルでこし、氷水に当てながら混ぜる。冷まして型に入れ、冷蔵庫で固まるまで冷やす。

 のソースをかける。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)

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    冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

    旬のイチゴで作る、ふるふる食感のパンナコッタ

    料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

    PROFILE

    • 小林百合子

      編集者
      1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

    • 関めぐみ(写真)

      写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

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