料理家・冷水希三子の何食べたい?

歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回はこれから旬を迎えるキクラゲを使ったサラダをご紹介します。

    ◇

―― 冷水先生、こんにちは。暖かい日が増えて、そろそろコートもいらなくなりそうな感じですね~。

冷水 これから気持ちのいい初夏に入りますから、みなさん食欲も増してくるんじゃないでしょうか?

―― はい! これからビールもおいしい季節になりますからね!

冷水 いいですね~。

―― そうだ、じゃあ今日はちょっと気が早いですけど、ビールに合うおつまみ的なお料理はどうですか? ごはんの副菜としても使えたらなおうれしいです。

冷水 まあ、相変わらず欲張りですね(笑)。じゃあ、これから旬を迎えるキクラゲを使ったサラダなんてどうですか? 旬の時期には生のキクラゲが出回りますから、ぜひ食べてみてほしいです。

―― え! 乾燥していないキクラゲが買えるんですか!? それはぜひ食べて見たいです。

歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

2時間ほど水で戻したキクラゲがこちら。ぷるんと弾力のある感じになります

冷水 今日はいつでも作れるように乾燥キクラゲを使いますが、生のものでもレシピは同じですのでご安心を。ではまず乾燥キクラゲを水で戻しておきましょうね。たっぷりの水で2時間ほどかかりますので注意してくださいね。

―― はい! ちなみに2時間以上水に浸(つ)けると何か不都合が生じるんでしょうか? 戻してるのをうっかり忘れちゃうことがあるんです……。

冷水 戻す時間が長い分には問題ないので大丈夫ですよ。戻し時間が短いと硬くなってしまうので、塩梅(あんばい)はお好みに合わせてくださいね。

―― ほっ。

歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

戻したキクラゲはだしに浸(つ)けて冷蔵庫へ。密閉できるプラスチックバッグを使うと少量のだしで漬け込みができます

冷水 さて、戻したキクラゲは5分ほど茹(ゆ)でたらザルにあげて水気を切り、温めておいた鰹(カツオ)昆布だしに浸けます。

―― へ~、おひたしみたいな感じですね。

冷水 そう、まさにおひたしです。このまま冷蔵庫で1時間ほど漬け込むと、キクラゲにだしの味がしみておいしくなるんですよ。

―― 「キクラゲ=味がない」みたいな感じがしていたのですが、それはちゃんと味を染みこませていなかったからなんですね!

冷水 中華丼とかに入っているキクラゲは味というより歯ごたえの面で料理のアクセントになっているのですが、今回はキクラゲが主役のお料理なので、このだしの味がポイントになるんです。

―― なるほど~、キクラゲもシーンによって役割が違ってくるんですね。

歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

合わせる野菜は食べやすい大きさにカット。キクラゲと同程度の大きさにしておくと全体のバランスがよくなります

冷水 じゃあキクラゲを漬け込んでいる間に、そのほかの具材を用意しましょう。今日はきゅうりとトマト、薬味にしょうがと万能ネギを使います。

―― わ~、夏らしいサラダですね。薬味も入ってビールにも合いそう!

冷水 アボカドを加えてもおいしいですよ。

―― それもお酒に合いそう。

冷水 ドレッシングは黒酢、ごま油、砂糖、しょうゆ、あとは少し粉唐辛子を入れるとよりお酒に合います。

―― 先生もお酒、好きですものね(笑)。

冷水 うふふ。さあ、キクラゲにだしが染みたらドレッシングと和(あ)えて出来上がりです。

歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

ドレッシングと和えるときはぜひ手を使って。トマトが崩れないよう、やさしく、満遍なく味が回るように

―― 彩りがきれいですね。キクラゲもぷるんっとしていて、見た目にも涼やかです。

冷水 和えるときは、お箸ではなく、ぜひ手で混ぜ合わせてください。野菜の形が崩れず、ドレッシングも均等に混ざりますからね。

―― これは冷水先生の「和え」の基本ですね!

冷水 仕上げに白ごまを指でひねりながらふりかけて完成です。

―― これまでキクラゲって地味な食材だなと思っていましたが、合わせる素材によってこんなにきれいなお料理になるんですね。ちょっとキクラゲを見直しました(笑)。

冷水 お味のほうはどうですか、こちらも見直していただけたかしら(笑)?

―― 黒酢ベースのドレッシングが爽やかですね〜。キクラゲにもしっかりだしの味が入っていて、何よりつるんとした食感が涼やかです! キクラゲが主役になる日が来るなんて、ちょっと感動です……。

冷水 この食感はキクラゲならではですからね。そこを尊重してあげると、立派な主役になれるんですよ。ぜひこれからの季節に作ってみてくださいね。そうそう、キクラゲを漬け込んだおだしは、青菜などを浸けてお浸しを作るのにも使えますから、ぜひ2回戦に使ってくださいね。

今日のレシピ

*キクラゲのサラダ

◎材料(3~4人分)

キクラゲ:15g 
鰹昆布だし:300ml 
塩:小さじ1/2
しょうが:1片 
万能ネギ:2本 
きゅうり:1/2本 
トマト:1/4個
黒酢:小さじ2 
ごま油:大さじ1 
砂糖:少々
しょうゆ:小さじ1/2 
粉唐辛子、ごま:好みで少々

◎作り方

 乾燥キクラゲを使う場合は、キクラゲは2時間ほどたっぷりの水で戻す。

 鰹昆布だしを温めて塩を加える。

 のキクラゲを5分ほど茹でてザルで水気を切り、のだしに浸けて1時間以上冷蔵庫におく。

 きゅうりは小さめの乱切りにし、塩少々(分量外)を揉(も)み込んで20分ほどおいて水気をふく。

 トマトは1㎝角に切る。しょうがはみじん切り、万能ネギは小口切りにする。

 ボウルにの材料を入れ、黒酢、ごま油、砂糖、しょうゆと粉唐辛子を加える。汁気を切ったキクラゲを加えて混ぜ、器に盛ってひねりごまをふる。

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(料理・レシピ 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子)

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    冷水希三子(ひやみず・きみこ) 料理家

    歯ごたえ楽しむ、キクラゲの爽やかサラダ

    料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

    PROFILE

    • 小林百合子

      編集者
      1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

    • 関めぐみ(写真)

      写真家。アメリカ、ワシントンDC生まれ。スポーツ誌、カルチャー誌、女性誌などで活躍。また、広告やカタログ、CDジャケット、俳優の写真集なども担当。書籍に『8月の写真館』『JAIPUR』など。

    自宅でもお店の味に。肉汁あふれるハンバーグ

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