朝日新聞ファッションニュース

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

新型コロナウイルスの影響で臨時休業していたファッション店舗が、徐々に再開している。全国の緊急事態宣言が解除されて初めての週末だった5月30日、東京・新宿や銀座は買い物客でにぎわっていた。春物を売る4~5月に店舗を開けず、季節は初夏。それぞれ感染予防策を工夫しながら、客を迎えている。

感染予防策念入り、入店制限も

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

5月30日に再開した伊勢丹新宿店では、入り口に検温のサーモグラフィーカメラが設置された

三越伊勢丹の首都圏百貨店が5月30日、営業を再開した。伊勢丹新宿店は午前11時にオープン。客は入り口で手指を消毒し、サーモグラフィーカメラなどによる検温を受けた。

あるブランドの靴がお目当てという20代女性は「靴やアクセサリーは、服に合わせて選びたいので、ネットで買うのは難しい」と再始動を喜んだ。40代女性は「サイズ感や質感は見た方がわかるし、気分が上がる」。50代男性は「いかにも楽しげに買い物をする客を見ていると、ファッションは大事なんだということがわかった」と話した。化粧品売り場では、販売員と客の間に透明の仕切りが置かれていた。商品の色は販売員の手に付けたものを見てもらうなど、なるべく接触を避けるという。

三越伊勢丹では、コロナを受けてデジタルでの取り組みを強化する。三越と伊勢丹で別々だったサイトとアプリを統合し、6月9日に新サイトを開く予定だ。スタイリストがチャットで相談に応じるオンライン接客や、店舗の混雑情報を通知するといったサービスを順次始める。伊勢丹新宿店の田中哲店長は「店舗に来なくても、商品の良さや雰囲気を伝えられるようにしたい」と話した。

高級ブランド店が並ぶ銀座では、入店制限で行列ができている店もあった。ある宝飾ブランド店の前に並んでいた20代カップルは、婚約指輪を選びに来たといい「1時間待ちらしいが、指輪は実際に試してみないと」と心待ちにしていた様子だった。

多くの店が、来店時の客の手指消毒や検温のほか、試着済みの服は高温のスチームをかけて1日置くなどの対策をしていた。革や金属など水気を嫌う素材には、UVライトを照射するところもある。休業によって低迷した売り上げを少しでも取り戻す意図からか、早くも春夏物のセールをしている店もあった。

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

エルメス銀座店は店内にオレンジ色の花を飾り客を迎えた

再開にあたり、店舗の装飾などでメッセージを発信するブランドも。エルメス銀座店は5月21日から予約制で営業し、店内をブランドカラーであるオレンジ色の花で飾った。メインのガーベラの花言葉は「希望」「常に前進」。

ルイ・ヴィトンでは表参道や銀座の店で、従業員の家族が描いたという鮮やかな虹の絵がウィンドーを彩る。アルマーニ銀座タワーでは、医療従事者への感謝を表す青い点灯を再開後も続けている。

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

左:ルイ・ヴィトン松屋銀座店、右:青く点灯するアルマーニ銀座タワー

コムデギャルソンは、「Believe in a better tomorrow(より良い明日を信じて)」など3種の言葉を描いたTシャツなどを世界の各店で販売した。

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

コムデギャルソンのメッセージ入りTシャツ

渋谷パルコは、6月1日に営業を始めた。前日に「前夜祭」として、無観客の音楽ライブなどをネット配信した。

春夏物ミックス、売れる通勤着

慎重に、でも気分上げて店へ 対面販売、各地で再開

春夏物が並ぶエストネーション銀座店

人気セレクトショップは、どんな品ぞろえで再開しているのか。
 
エストネーションは、初夏物や夏物と春物を合わせて売る。広報担当者は「ブラウスなど、春物は夏にも着られるものが多い。これから梅雨で肌寒い日もある」。職場に復帰する人が多いためか、店舗では「ワンピースや、ノースリーブニットとカーディガンなど、通勤に活躍するきれい目なアイテムが売れている」と言う。ロンハーマンも、春夏物をミックスして展開。店舗再開後は、別注アイテムやジュエリーが人気だという。

(編集委員・高橋牧子、神宮桃子)

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