窓に写しだされる物語がある 建築家・コルビュジエの“視点”をホンマタカシが撮る

雨に濡れたガラス越しにゆがむ曇り空、窓枠によって区切られ、まるで1枚の屛風(びょうぶ)のようにも見える対岸の景色――。一見同じように思える4本の直線に囲まれた窓でも、写る景色やガラスの状態によって、切り取る風景に様々な表情を与えてくれていることに気づかされます。そんな窓の中でもル・コルビュジエ建築の窓にフォーカスした、写真家・ホンマタカシによる写真集『Looking Through: Le Corbusier Windows』をご紹介します。

通常の建築写真では捉えきれない、「窓」を通して建築家が切り取りたかった風景――すなわち建築家の“視点”を追体験する手がかりを、この写真集は与えてくれます。スイス・レマン湖の水平線を眺める「母の家」から、原色のステンドグラスで広く知られるフランス東部の「ロンシャンの礼拝堂」まで、ホンマが撮影した世界各国の20におよぶル・コルビュジエ建築が収められており、モダニズム建築の巨匠の新たなメッセージに気づくことができるかもしれません。

建築の中から、外から、窓を含む風景をホンマの視線で捉えた写真は、どこか人の気配やノスタルジーを感じさせ、独特の空気が漂います。窓が、建築や建築家にとってどういう役割を果たす存在なのかが浮かび上がってくる……かと思いきや、単純にル・コルビュジエ建築を撮った写真集として気軽にパラパラめくることもできる。この写真集自体も、様々な表情を持ち合わせていると言えそうです。

そんな写真集『Looking Through: Le Corbusier Windows』の一部を、《フォトギャラリー》でお楽しみください。

窓に写しだされる物語がある 建築家・コルビュジエの“視点”をホンマタカシが撮る

ホンマタカシ/Takashi Homma
写真家。1999年、写真集『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』(光琳社出版)で第24回木村伊兵衛写真賞受賞。2011年から12年にかけて、個展『ニュー・ドキュメンタリー』を日本国内3カ所の美術館で開催。著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社)、近年の作品集に『THE NARCISSISTIC CITY』『TRAILS』(いずれもMACK)、『Symphony その森の子供 mushrooms from the forest』(Case Publishing)がある。

窓に写しだされる物語がある 建築家・コルビュジエの“視点”をホンマタカシが撮る

Looking Through: Le Corbusier Windows

 
著者:ホンマタカシ
寄稿:ティム・ベントン
ブックデザイン:ショーン・イェンドリーズ
発行元:一般財団法人 窓研究所、カナダ建築センター、ヴァルター・ケーニッヒ
仕様:22 × 30 × 1.4cm、192ページ、ソフトカバー
言語:英語(別冊仏訳、和訳テキスト付き)
発行年:2019年11月
5,900円(税抜)
窓研究所

 

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