おうちでワイン

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

夏に飲みたいワインといえば、やっぱりシュワシュワのスパークリング! ワインと料理の楽しさを提案する沢樹舞さんは、スパークリングワインの魅力をこう語る。

「さわやかでキレがあり、渇きを癒やしてくれる心地よさ。さらに、合わせる料理を選ばないストライクゾーンの広さ。カジュアルな価格帯のものから、ラグジュアリーなヴィンテージシャンパーニュまで、選択肢も多彩。スパークリングワインはたくさんの魅力にあふれています」

実はひとことで「スパークリングワイン」といっても、いろいろな種類がある。沢樹さんナビゲートで、基本を学ぼう。

今回のソムリエール
夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!
夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

 

沢樹 舞(さわき・まい)

12年間ファッションモデルとして国内外で活躍後、ワインの専門家に転身。シャンパーニュ騎士団よりシュヴァリエ(騎士)、(一般社団法人)日本ソムリエ協会よりソムリエ・ドヌール(名誉ソムリエ)を授与される。食をテーマにしたWEBサイト「たべるのhttp://www.taberuno.com」や、週末農業、料理教室などを通して、ワインと合わせる新時代の家庭料理を提案。テレビ各局の料理番組にも出演している。

 

スパークリングワイン、3種類の造り方

「スパークリングワイン」とは発泡性ワインの総称で、その造り方は主に3種類ある。

二酸化炭素充填(じゅうてん)法

一つ目は「二酸化炭素充填法」。スティルワイン(発泡していないワイン)に二酸化炭素を吹き込んで充填する製法で、スッキリとした飲み口に仕上がるのが特徴だ。

「のどが渇いたときにグイグイ飲めるカジュアルさが魅力。リーズナブルなものが多いので、デイリーで気軽に楽しむのにうってつけです」。そう話す沢樹さんの最近のお気に入りは、コンビニでも手に入るこの製法で作られた1000円のスパークリングだとか。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

(c)getty images

瓶内二次発酵

あと二つは、スティルワインに糖と酵母を加え二次発酵させる方法だ。もっとも伝統的な製法が「瓶内二次発酵」。シャンパーニュ方式とも呼ばれ、瓶の中でゆっくりと時間をかけて発酵、熟成させるため、泡がワインに溶け込み、きめ細かな泡が堪能できる。フランス・シャンパーニュ地方で造られる「シャンパーニュ」、イタリアの「フランチャコルタ」など高級スパークリングワインがこの製法で造られる。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

(c)getty images

「繊細かつ華やか、トーストなどの複雑な香り……このクラシックな製法だからこそのリッチな味わい。スペシャルなときに空けたいぜいたくなスパークリングです」(沢樹さん)

同じ製法ながらスペインの「カヴァ」は、1000円台からとコストパフォーマンスの高さが人気。やはりシャンパーニュ製法で造られるフランスの「クレマン」も、高品質ながらシャンパンに比べるとリーズナブルだ。

シャルマ方式

もう一つが、二次発酵を大きな密閉タンクで行う「シャルマ方式」と呼ばれる製法。イタリアの「スプマンテ」、ドイツでは「ゼクト」と呼ばれるスパークリングワインが、この製法で造られる。

「フレッシュでフルーティーな味わいが、シャルマ方式で作られたスパークリングワインの魅力。飲みやすいけれど本格的な香りや味わいも楽しめ、さまざまなシーンで活躍してくれます」

スティングが所有するワイナリーのスプマンテ

今回、沢樹さんが「夏に飲みたいスパークリングワイン」としてセレクトしてくれたのは、イタリアのスプマンテ「メッセージ・イン・ア・ボトル・ビアンコ・スプマンテ」。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

メッセージ・イン・ア・ボトル・ビアンコ・スプマンテ

「このスパークリング、あのスティングが所有するワイナリーのワインなんです!」

そう、ロックバンド「ポリス」のボーカル、ベースで、ソロでもグラミー賞などを多数受賞する世界的なアーティスト、スティングだ。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

イタリア・トスカーナ州にあるワイナリーを所有するスティング

イタリア・トスカーナ州で14世紀から続くワイナリー「イル・パラジオ」を、1999年、スティング夫妻が入手。当時、ワイナリーも畑も荒廃していたが、この地に住み込み自らの手で復興させた。有機栽培やビオディナミ農法を取り入れるなど環境にも配慮したワインはクオリティーが高く、赤ワイン『シスター・ムーン2011年』は「イタリアワインTOP100」に選出されるなど評価も高い。手がけるワインにはすべて自身の曲のタイトルをつけており、ファン垂涎(すいぜん)のワイナリーだ。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

スティング(左)と、妻のトゥルーディー

「このスプマンテは、かんきつ類のさわやかでキリリとした酸味に加え、リンゴやフローラル系の豊かなアロマと果実味が広がります。きめ細かでやわらかな泡とボリューム感で飲みごたえアリ。香りも味わいも複雑で、いろいろな“メッセージ”を味わえます!」と沢樹さん。

ペアリングする料理は、「ラムの夏野菜のレモン蒸し」を。野菜は沢樹さん自らが育てたものだ。

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

沢樹 舞さん

沢樹さんは12年前から畑仕事を始めた。きっかけは20年ほど前、ワイン修行のためフランス・ボルドーのシャトーに住み込んだときのこと。「ほとんどが畑作業で『ワイン造りは農業だ』と実感しました」。そこから農業に興味を持ち、葉山に畑を借りて、故郷の富山では米作りにも挑戦。「食材に対する思い、というか執念が強くなりました(笑)、野菜を眺めているだけで料理のアイデアがどんどん湧いてくるように」

この季節は、トマト、ナス、ピーマン、ズッキーニに、レタスやルッコラなどの葉野菜も。今回は収穫したばかりのズッキーニ、新ジャガなどみずみずしい野菜を使って。さらに沢樹さん、ラムの魅力を広める伝道師「ラムバサダー」としても活躍する。

「グリルなどで香ばしく焼き上げるラムチョップが人気ですが、さっと焼いたラムを蒸すと、また違うおいしさが楽しめるんです」

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

ラムと夏野菜のレモン蒸し
(材料)
ラムチョップ 4本
ズッキーニ(緑・黄) 各1本
新じゃが(中) 2個
レモン 1/2個
白ワイン、水 各50cc
顆粒(かりゅう)コンソメ 5g
はちみつ 大さじ1/2
タイム 2~3枝
オリーブオイル、塩、黒コショウ 各適量

(作り方)
① ズッキーニは1cm幅、新じゃがはよく洗って皮のまま5mm幅に切る。ラムチョップは両面に強めに塩・コショウする。
② フライパンにオリーブオイルを引き火にかけ、ラムチョップを入れて両面をこんがりと焼き付ける。火を止めて、いったんバットなどに取り出す。
③ フライパンにズッキーニとジャガイモを交互に並べ、顆粒コンソメを均一に振りかけ、ワインと水、はちみつを加える。
④ ③の上にラムチョップを並べ、レモンの輪切りとタイムを乗せ、フタをして点火する。
⑤ 始めは強火、クツクツと沸いてきたら弱めの中火にして、新ジャガに火が通るまで10分程度蒸し煮に。

「タジン鍋があればそれを使っても。お鍋やフライパンの場合、野菜やラムのうまみがたっぷり溶け込んだ水分を逃さないよう、密閉度が高いものがオススメです」と沢樹さん。

ラム肉は肉質や脂のうまみが豊かで甘く、それでいて軽やか。たくさん食べても胃がもたれない。「鮮度のいい羊肉はレアでも大丈夫。しっかりと火を通す必要がないので、ざっくりと調理してもおいしくいただける。レシピの幅が広いのもうれしいですね」

骨つきのラムチョップは見た目も「映え」て、ごちそう感たっぷり。はちみつを加えることで、白ワインとレモンの酸味にコクと深みがプラスされる。

肉料理には赤ワイン、というセオリーがあるが、「今回のスプマンテはボディがしっかりしているので、ラム肉にピッタリ。夏野菜のフレッシュな素材感とも素晴らしいハーモニーを奏でてくれます」と沢樹さん。「ちょっとリッチなスプマンテとごちそうで乾杯! BGMにはスティングを――。 そんな夏の昼下がりを過ごしてみては?」

ワインと相性のいい料理を合わせるのはもちろん、そこにさらに「季節感」や「シチュエーション」、そして「音楽」も掛け合わせると、ペアリングはもっともっとおいしく、幸せになる。

「メッセージ・イン・ア・ボトル・ビアンコ・スプマンテ」(イル・パラジオ、希望小売価格3500円・税別)

夏は、スティングのワイナリーのスプマンテで乾杯!

輝きのある麦わらのようなイエローを呈し、繊細な泡が持続する。アカシア、プラム、リンゴ、フローラルな香りが広がり、豊かな果実味が余韻まで長く続く。

「イル・パラジオ」は、世界的ミュージシャン、スティングが妻のトゥルーディーとともに経営するワイナリー。ワインだけでなく、高品質のオリーブオイルやハチミツ作りも手がけている。ワイン名の「メッセージ・イン・ア・ボトル」は、ポリスが1979年にリリースしたアルバム『白いレガッタ』に収録された楽曲。このアルバムで、ポリスはイギリスで初の1位に輝き、人気を不動のものにした。

ジェロボーム ファインワイン クラブのサイトで購入することができる。

PROFILE

中津海麻子

執筆テーマは「酒とワンコと男と女」。日本酒とワイン、それらにまつわる旅や食、ペット、人物インタビューなどを中心に取材する。JALカード会員誌「AGORA」、同機内誌「SKYWARD」、ワイン専門誌「ワイン王国」、朝日新聞のブックサイト「好書好日」、同ペットサイト「sippo」などに寄稿。「&w」では「MUSIC TALK」を連載中。

簡単、ごちそう感たっぷり! 白ワインが進むサラダ&チーズの一皿

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