ほんやのほん

とりあえず「よし!」と言おう。ご機嫌な自分をつくるもの

とりあえず「よし!」と言おう。ご機嫌な自分をつくるもの

撮影/猪俣博史

『毎日、無理なく、機嫌よく。』

皆さんは毎日、機嫌よく過ごせていますか。機嫌よく過ごすって実はけっこう難しい、と思っているのは私だけでしょうか。この春、働く親御さんの多くがそうであったように、私自身も息子が通う保育園から登園自粛要請を受け、リモートワークをさせてもらいながらの毎日でした。

パソコンに向かうなか「出たよー!」と言われれば急いでオムツ替えに走ったり、Zoom会議では騒ぐ息子が映らないようにカメラを切って参加したり。仕事、育児、家事をいかにやりくりするか、試行錯誤の日々が続くなか、自分の気持ちのコントロールがうまくいかず、思わず眉間(みけん)にシワを寄せてしまうこともしばしば……。そんななか、タイトルに引かれて思わず手に取ったのが、モデルの香菜子さんによる新刊『毎日、無理なく、機嫌よく。』(すばる舎)です。

香菜子さんは、モデルとして雑誌『ナチュリラ』などに登場しているほか、イラストレーターとして活動したり、「HOTEL VILHELMS」というプロダクトブランドも手掛けたりしている2児の母。そんな香菜子さんが日々、実践している“40代からの暮らしを楽しむ小さなヒント”について、香菜子さんらしい遊び心をちりばめながら紹介しています。

「とりあえず『よし!』と言う」は、仕事から帰宅後、夕食作りなどに奔走する時間帯に、香菜子さんがしている習慣。偶然にも私自身、同じ時間帯に「よし!」と自分を鼓舞しながら、保育園のお迎え、夕食作り、息子の入浴・寝かしつけを乗り切っていたので、「香菜子さんもそうだったんだ!」と、救われた気持ちになりました。

「2時間だけの帰宅拒否」は、まっすぐ帰宅して夕食を作る気分になれないときに、カフェに立ち寄ってしばし息抜きをすること。平日にぽっかり予定が空いたときの「ひとりワンデイトリップ」もそうですが、機嫌よくいるためには、やはり自分時間をきちんと確保することが大切だなと感じます。

おまじないのような言葉

「あえて『しない』という選択」をするなど、潔い習慣も参考になります。目まぐるしい日々のなかで、いろんなことを頑張りすぎてつらくなってしまうくらいなら、しないことはしないときっぱり決めて、少しでも気持ちに余白をつくれた方が確かによさそうです。

「そうじゃなかったとき」の視点の変え方も、本当に大切だと思いました。特に子育てでは、思うように事が進まないのが当たり前と日々実感しつつも、思うように進められなかったときに、「何でできないんだろう」と、がっかりして自分を責めがち。もっと視野を広く持てたら、随分と気持ちが楽になれる気がします。

香菜子さんは、下のお子さんが中学生となり、子育てが少し落ち着いてきたので、最近、習い事を再開したそう。今の私には、自分のための習い事が、かつてなく遠い世界のことのように思えますが、「子供が中学生くらいになったら、そんな時間も持てるようになるんだ。そのときが来たら、私は何をしようかな……」と、将来の自分の在り方にも少しずつ思いを馳(は)せられるようになりました。私のようにまだ幼い子供がいる方には、子育て生活の次のステージを想像するきっかけももらえる一冊だと思います。

実は今回、こちらの本を私たちのお店で販売するにあたり、香菜子さんに特別に、直筆サイン入りポストカードをご用意いただきました。その際、メールで直接やり取りをさせていただいたのですが、大変だっただろうに「こつこつ作業が好きなので、楽しかったです」と、普段から暮らしを楽しまれている姿が垣間見られる、うれしい言葉をくださいました。

毎日、無理なく、機嫌よく――。子育て中は自分のことがおざなりになりがちですが、香菜子さんのように、自分が機嫌よく過ごせるよう、もう少し工夫しながら、穏やかに楽しく暮らせたら。そんな思いも込めて、最近、心のなかで、おまじないのようにタイトルを唱えています。

(文・若杉真里奈)

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    湘南 蔦屋書店で雑誌、ファッションを担当するほか、湘南T-SITEの広報、イベント販促も務める。ファッション業界新聞社で編集、展示会事業を担当した後、湘南T-SITEの立ち上げに参加。
    現在、住む鎌倉は、自分にとっての“パワースポット”。

    未知の読者へのラブ・レター。多和田葉子の“探索者”より

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