パリの外国ごはん そのあとで。

軽やかだけど旨味しっかり。野菜たっぷり汁なし混ぜ麺/Ngoc Xuyen Saigon

連載「パリの外国ごはん」では三つのシリーズを順番に、2週に1回配信しています。
《パリの外国ごはん》は、フードライター・川村明子さんと料理家・室田万央里さんが、暮らしながらパリを旅する外国料理レストラン探訪記。
この《パリの外国ごはん そのあとで。》では、室田さんが店の一皿から受けたインスピレーションをもとに、オリジナル料理を考案。レシピをご紹介します。
《パリの外国ごはん ふたたび。》は川村さんによる、心に残るレストランの再訪記です。

Ngoc Xuyen Saigonで食べた汁なし麺。様々な具材をワッシワッシと麺とソースと混ぜ込み、混然一体にするところ。甘辛のトマトソース。ギュッと搾られた柑橘(かんきつ)に、唐辛子。ポキポキの生もやし。好きーーーーー!! 思わず叫びたくなるくらい私の好みどんぴしゃりの麺料理。絶対に次回の「そのあとで。」はこれにしようと即決でした。

具として入っていた鶏肉の代わりに何を入れようかな?と想像するところから始めます。心打たれた外国ごはんを自分なりの野菜メインの一皿に作り変える作業が大好きです。

軽やかだけど旨味しっかり。野菜たっぷり汁なし混ぜ麺/Ngoc Xuyen Saigon

「万央里はベジタリアンなの?」とよく聞かれます。昔そうでした。でも今はそこまで菜食を徹底してはいません。人の家に呼ばれて肉が出れば食べるし、仕事でも食べる。娘や旦那に肉料理も作るし、魚は青身魚メインでちょこちょこ食べています。スタンスとしては、ほぼ野菜だけどたまに食べる、です。

一つには自分の身体(からだ)に野菜中心のこの食生活が一番心地いいこと。もう一つは、食料として育てられる動物の肉を工業製品のように消費するのにちょっと抵抗があるからなのです。

私たちの食べる肉や魚は生きていたわけで、それが命を絶たれて私たちの口に入ってくる。そのプロセスは、今の社会では非常に見えにくい構造になっています。でも、あえて想像してみるとまあ、魚は自分で殺せるけど、動物を殺すのは無理なので、だったら食べないという選択をする方が自分の中では腑(ふ)に落ちる、というのが理由です。日々なんとなく食べている食材がどうやって「作られて」きたのかを考えることによって、それを本当に自分が食べたいのか見つめ直す、という作業をすると、自分に必要なものが見えてきてスッキリします。

さて、話が長くなりました。要は私は野菜が大好きで、私の料理が皆さんがもっと野菜を食べてくれるきっかけになれば本当にうれしい、ということです。揚げたキノコやナッツを使うことで、軽やかだけどしっかりした旨味(うまみ)が夏にピッタリのレシピになりました。

ベジタリアン、ヴィーガンの方も、みなさんぜひ作ってみて下さい。

汁なし混ぜ麺

軽やかだけど旨味しっかり。野菜たっぷり汁なし混ぜ麺/Ngoc Xuyen Saigon

材料と作り方(2人分)

トッピングA:キノコペースト

植物油(香りのないもの)
キノコ 片手いっぱい(生シイタケ、マッシュルーム、エリンギなどを混ぜても1種類でも。マッシュルームなら5個くらい)
ナッツ 10粒くらい(アーモンド、カシューナッツなど)
しょうゆ 小さじ1
みりん 小さじ1

1.鍋に油を1センチくらいの深さまで入れ、ナッツを入れからりと黄金色になるまで揚げる。ナッツを取り出してキノコをきつね色になるまで揚げる。
*仕上げでトッピングするエシャロット薄切り1個分(無ければ玉ねぎ小1/4個)も揚げて取っておく。

2.しょうゆ、みりんを小さじ1杯ずつ、キノコとナッツと一緒にフードプロセッサーまたはハンドミキサーでペースト状にする。
 

トッピングB:トマトソース

トマト缶(ホール)400g 
にんにく 1片
エシャロット 1個(なければ玉ねぎ小1/4個)
ショウガ 親指大

○オイスターソース 大さじ1
○ニョクマム 大さじ2
○しょうゆ 大さじ1
○砂糖(あれば黒糖)大さじ2
○沙茶醬(サーチャージャン)小さじ2(好みで)
(ベジタリアンの方は○印の調味料の代わりに、しょうゆ大さじ3、砂糖大さじ2と1/2、みそ小さじ1~2)

1.キノコやエシャロットを揚げた油大さじ2を鍋に取り、みじん切りにしたニンニクとエシャロット、ショウガを、きつね色になるまで炒める。

2.トマトを手で崩しながらトマト缶を入れ、調味料を加えてとろみがつくまでくつくつと20分ほど中弱火で煮込む。

軽やかだけど旨味しっかり。野菜たっぷり汁なし混ぜ麺/Ngoc Xuyen Saigon

その他トッピング

セロリ 1/2本(葉の部分も入れて斜め薄切り)
さつま揚げ 1枚 または 厚揚げ 1/2丁(1センチ薄切り。出来ればオーブントースターやフライパンで軽く温めておく)
ニラ 3本(3センチ幅に切る)
コリアンダー 4本ほど(茎ごとざく切り)
バジル 5枚ほど(あればタイバジル)
揚げエシャロット(トッピングAの工程で揚げておいたもの)

モヤシ 一つかみ
生の赤唐辛子 適量(小口切り)
国産レモン 1/6個×2

米麺(乾燥)160~200g
 

仕上げ

1.米麺をたっぷりのお湯で、袋の表示通り茹(ゆ)でる。

2.深さのある大きな器を2人分用意。茹でたての麺を入れ、モヤシ、唐辛子、レモン以外のトッピングと、キノコのペースト、トマトソース(麺の量にもよるので少し残して後から調節しても良い)を乗せ、そこから混ぜる。モヤシ、唐辛子、レモンは一緒に混ぜても、後から足しても。私はある程度麺と具を混ぜ終わった後にモヤシと唐辛子を乗せ、ひと混ぜしたところにレモンをぎゅーっと搾るのが好きです。

軽やかだけど旨味しっかり。野菜たっぷり汁なし混ぜ麺/Ngoc Xuyen Saigon

大切なのは冷めないうちに食べる! 実はこの料理、卵麺を使用しても良いそうで、なんと米麺と卵麺ハーフアンドハーフもアリだとか。ふと思いつき、うどんでも後日やってみましたがバッチリうまい。好みの麺で試して下さい。本家は豚肉でとったクリアなスープがつくのですが、こちらは手がかかるのでちょっと省略。すみません。

キノコペーストにトマトソース、この二つを倍量作って小分けにして冷凍してもいいです。キノコペーストはご飯に炊き込んでピラフ風にしたり、トマトソースはスープに溶くと、あっという間にエキゾチックなスープになったり、かなり使い勝手よし! ぜひお試しください!

 
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PROFILE

室田万央里

無類の食べ物好きの両親の元、東京に生まれる。17歳でNYに移り住んだ後、インドネシア、再び東京を経て14年前に渡仏。モード界で働いた後に“食べてもらう事の喜び”への興味が押さえきれずケータリング業に転身。イベントでのケータリングの他、料理教室、出張料理等をパリで行う。
野菜中心の家庭料理に妄想気味のアジアンテイストが加わった料理を提供。理想の料理は母の握り飯。未だその味に到達できず。

おかわりが止まらない、中華風カレー汁。白身魚や野菜のフリッターと/Pavillon aux Pivoines

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