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ミナペルホネンのデザイナー皆川明さんの働く哲学、4冊の本に

ミナペルホネンのデザイナー皆川明さんの働く哲学、4冊の本に

半生や感じたこと「ヒントになれば」

ブランド設立25周年を迎えるミナペルホネンのデザイナー皆川明(53)が仕事や半生を語る本4冊が、このほど相次いで出版された。独自の物づくりや経営を支える哲学や感覚が丁寧に語られている。

生きる はたらく つくる』(つるとはな)は、生い立ちから現在の仕事までをたどるインタビューを元に構成。プライベートな経歴を詳細に述べたのは初めてという。

1人で黙々と泥団子を作って遊んだ幼少期や、魚市場でのマグロをさばくアルバイトと並行してブランドを始めたこと、パリ・コレクションへの参加をやめ、服だけでなく食や住の分野まで枝葉を広げたいきさつなどがエピソードと共につづられる。

皆川独特の経営論に的を絞った本『Hello!! Work 僕らの仕事のつくりかた、つづきかた。』(リトルモア)の聞き手は、伊藤忠ファッションシステム取締役でジャーナリストの川島蓉子。国内工場と一体化した服作りや、セールをせず直営店に特化した販売方法、会社組織や人事のあり方について説く。効率最優先で大量生産を加速させてきたファッション界では珍しい手法や考え方が紹介される。

一方、皆川がこの約10年にわたり週に1度、その時々に感じたことを書き続けて一冊の本にした『Letter』(つるとはな)は、詩集のようにみずみずしい言葉が並ぶ。また、『つづく で起こったこと』(青幻舎)は、昨年から今年にかけて開催した展覧会でのトークイベントなどをまとめた。

皆川は「私にとって、働くことが生きる喜び。働き始める人や、時代が変わって働き方をどうとらえていいか迷っている人に多少のヒントになれば」としたうえで、コロナ禍をふまえ「これからは領分を取り合うのではなく、それぞれが自分たちの居場所を作る時代になるのでは」と話した。

(編集委員・高橋牧子)

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