野村友里×UA 暮らしの音

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里さんと、現在カナダの島で暮らす歌手UAさんの往復書簡「暮らしの音」。今回はちょっと間が空いての、野村さんからのお便りです。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

伸びきったロメインレタスと軽井沢の父の畑。土いじりはたくさんのことを気づかせてくれるね

>>UAさんの手紙から続く

うーこへ

この1カ月半のことを文章にしようと思っても
あまりにも日々たくさんの “出逢(あ)い” や “出来事” “感じ方” があるから
何もなくて書けないというより
まだ言葉に表すところまで到達できてない泡だらけ
という状況なのであります。

そのまま消えてなくなる泡も多々あるけれど
泡が面白いように膨らんで
そのまま何かと合わさって
おいしいパンや漬物、飲み物になりそうなものもたくさんある気もする。
良くも悪くも。。。いや、良い! 良い!

とっても恵まれているわよね。
泡がたくさん生まれるアワアワ日々。

でもこの往復書簡には、とんだとばっちり。
書いては消え、書いては手が止まり、遅くなってしまったわ。
すまぬ。
でもね、いつかこの手紙の中で、
最近心の泉を覆っている、雨雲のような気持ちを吐きだすだろうな~と思っている。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

イチジクになりたかったというくらい、うーこが好きな果物。イチジク、届けられなかった

ところで、うーこ
今回の滞在は本当にまたしても濃かったわよね、きっと。
予測はしていたものの、きっと本当に同じ一日はなかったのではないかな〜と思っておりますよ。

カナダの暮らしとはうってかわっての
歌手 ”UA” としてのマインドが大方を占める日々だものね。

今回の滞在期間中のうーこ出来事ランキングは
私の中でもいろいろとありますが
やはりまず、祝インスタ解禁、
そして、soilでの音・食ライブ ”UA trip”
さらに、番外編はやっぱり映画車宿泊事件かしらね〜。

いやまだあるな。。。
とはいえ、うーこ旋風たくさんの種をまいた感じもするから、来年芽吹く時が楽しみでならない。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

高松聡さんの写真展で展示されていた、宇宙食。だいぶ話しこんでいたね、うーこ。懐かしさを感じる宇宙への視点の展示だったよね

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

共通の友人・藤野三浦さんにいただいた、カラカラになったヘチマ

私は、この長く続くであろうウイルスとの共存生活の中
レストランの真横でせわしなく進められている都市開発工事のクレーン車数台を横目に
地盤工事の振動からくる震度3を日々体感しながら
古い木造の2階でこの往復書簡を書いております。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

商店街居酒屋ツアー町歩きの西荻窪ツアーいけなかったね。今度ね!

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

下町・浅草のオムライスとサンマご飯。散歩、食べ歩きしたかったね〜

ねぇ、私のボヤキもうひとつ聞いてくれる?
私がふとPCを2日ぶりに開いたら、そこにはいい不動産屋さん情報が!
すぐ担当者に連絡したのに「すでにお申し込みが入りました。」って! これ3回目。
タイミングといえどもね。。。どうも遅い。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

近世麻布研究所・吉田真一郎さんの大麻布の話は、次回紹介したい。太古から密接に日本人の暮らしを支えてきた大麻布の話は、目からウロコ

そもそも私の人生
自分的には、まわりと比べると、だいぶ周回遅れ。
いろいろと気づくのがゆっくり、というか遅い。
ゆっくりすぎて間に合わなかったり、遠回りしすぎていたり、取りこぼしだらけ。
だから人生100 年といわれるようになった昨今、
人として生まれて人生の醍醐味(だいごみ)を味わうためには、私にはちょうどよかったのか?
とつじつま合わせるためにも、自分を鼓舞している。

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

新橋駅前ビル。壊される前に案内したかった。ビルの中に入ると異国のような空気に包まれている

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

今年は11年前に撮った映画『eatrip』の上映が北海道や山口でありました。長女を宿したうーこの大きなお腹の写真と誕生で、映画は終わるのよね。写真は山口県長門での上映風景

で、うーこ。
早熟というか早くて濃い人生を重ね
お子も幼子から最高な大人になっている子までいて
人生の基盤も決意してカナダという地に移住して
食べるものから住む場所、建物まで作り始めてて開拓している。
そして、日本との行き来の2拠点だけでなく
母と歌手という生き方も行き来している2ライフ。

周回遅れの私は、何にふり切りきって猛ダッシュするのか。
今日もメールの戦いで逃した
庭つき一軒家で暮らしている妄想をフツフツとしながら
夜中にジャムを炊いております。

友里

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

eatrip soilでのライブ「sounds blow」!!! 風がほんとに吹き抜けるような時間だった。ありがとう。吉野弘さんの”祝婚歌”の朗読、その後も反響だいぶいただいたわ。”生きていることのなつかしさ”

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

soilでの集合写真。”祝” インスタ解禁の瞬間の現場ね

野村友里さん「周回遅れの私、ジャムを炊きながらの妄想」

東京滞在中のうーこ。私が撮った、オフショット

    ◇

往復書簡「暮らしの音」へのご感想をお寄せください! UAさんと野村友里さんへの質問やメッセージなども、こちらの応募フォームから受け付けています。

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PROFILE

  • UA

    1972年大阪生まれ。母方の故郷は奄美大島。1995年デビュー。1996年発表のシングル『情熱』が大ヒット。以降、浅井健一(元ブランキー・ジェット・シティ)らと組んだ「AJICO」、ジャズサックスプレーヤー菊地成孔とのコラボ、映画主演、NHK教育テレビでの歌うお姉さんなど、活動は多岐にわたる。2016年、7年ぶりとなるオリジナルアルバム『JaPo(ヤポ)』をリリース。ライブ、フェス、楽曲制作と精力的に活動している。また、2005年より都会を離れ、田舎で農的暮らしを実践中。現在はカナダに居住。4人の母でもある。α-STATION(FM京都)の番組「FLAG RADIO」にレギュラー出演中。2020年6月21日、デビュー25年を迎えた。

  • 野村友里

    料理人、「eatrip」を主宰。おもてなし教室を開く、母・野村紘子さんの影響を受けて料理の道に。主な活動に、レセプションパーティーなどのケータリングフードの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオ番組など。2009年、初の監督作品『eatrip』を公開。11年、「シェ・パニース」のシェフたちとともに、参加型の食とアートのイベント「OPEN harvest」を開催。その経験を経て日本のシェフたちとともに「nomadic kitchen」プロジェクトをスタート。12年、東京・原宿に「restaurant eatrip」をオープン、19年、表参道・GYREに「eatrip soil」をオープン。著書に『eatlip gift』『春夏秋冬 おいしい手帖』(マガジンハウス)、『Tokyo Eatrip』(講談社)、共著に『TASTY OF LIFE』(青幻舎)がある。

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