つむぱぱの幸せの気づき方

サンタさんから母に届いたスノードーム

娘の「つむぎちゃん」や、息子の「なおくん」との何げない、ほっこりした日常のイラストをInstagramに投稿する「つむぱぱ」さん。

そんなつむぱぱさんが、みなさんの「家族との、個人的な幸せの思い出」をもとにイラストを描く連載「つむぱぱの幸せの気づき方」。

今回は、ある家族のクリスマスのお話。

>連載「つむぱぱの幸せの気づき方」

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神奈川県在住・30代女性

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サンタさんから母に届いたスノードーム

私が幼少期を過ごした北海道では、クリスマスの頃に窓の外が銀世界になることがよくあった。いわゆるホワイトクリスマスだが、当時はそれが特別だなんて、まったく思わなかった。

でも関東に住むようになって、雪があまり見られなくなってから、あの美しい景色や当時のクリスマスをよく思い出すようになった。

サンタさんから母に届いたスノードーム

あれは確か、私が幼稚園に通っていた頃だったと思う。二つ年上の兄とおもちゃ屋さんのチラシを見ながら、それぞれに欲しいものを決めて、サンタクロースに手紙を書く。

サンタさんから母に届いたスノードーム

すると母は、「サンタさんに確認するからね」と言って電話をかけ、私たちに聞こえるように「大丈夫ですか。じゃあ、よろしくお願いします」とか、そんな会話をしていた。

サンタさんから母に届いたスノードーム

それを聞いてうれしくなった兄と私は窓を開け、一面の雪の上で少し明るくなった夜空に向かい、念を押すようにプレゼントのお願いをする。冷たい外気のことなんて、全然気にならなかった。そして、クリスマスイブの夜は、わくわくしながらベッドに入った。

サンタさんから母に届いたスノードーム

翌朝、いつもより早く起きた兄と私は、枕元に自分の頼んだものを見つけて、大はしゃぎ。するとなぜか、包装紙に飾られた箱がもうひとつあることに気づいた。

サンタさんから母に届いたスノードーム

「この箱、お母さんへのプレゼントじゃない?」と2人で母を起こすと、「わあ、お母さんにもサンタさんが来たのね」と彼女はものすごく驚いていた。包みを開けると、ずっしりとしたスノードームが入っていた。

サンタさんから母に届いたスノードーム

「きれいねえ」と母は心から喜んでいる様子だった。また私たちのプレゼントと同じように、手紙が添えられていて、母はひとりでそれをじっくりと読んでいた。

サンタさんから母に届いたスノードーム

今になって振り返ると、あのスノードームの送り主がサンタではないのだと分かる。でも当時の父は、母にそんなサプライズをするタイプには見えなかった。観光バスの運転手をしていた父は、出張で家にいないことが多く、帰宅してもあまり口数は多くなかったように思う。

それでもクリスマスの朝に、粋な計らいをするなんて、2人はけっこう仲良くやっていたみたい。母が読んでいた手紙の内容は知らないけれど。それに子供の頃はなんとも思わなかったスノードームも、今ではとても素敵なプレゼントに思える。

だから自分が結婚してからは、私も夫にスノードームをいくつか買ってもらった。私たち夫婦は、どちらも日本の歴史、特に戦国時代が好きなので、なかにはお城バージョンのスノードームもある。名古屋城のものなんて、雪ではなくて、金粉が舞う。でもこれはこれで、けっこうロマンチックだと、私は思っている。

最近は北海道も気温が高く、昔に比べると雪が少ないこともあるらしい。私もずいぶん長いこと、雪を見ていない。今年のクリスマスには、あのころのように雪が降ってくれるといいな。

サンタさんから母に届いたスノードーム
(文・構成/井川洋一)

つむぱぱさんの言の葉

粋なお父さんですね。普段は「サプライズするタイプに見えなかった」とのことですので、もともとはシャイであまり思いを伝えるようなタイプではないのでしょうか。

クリスマスプレゼントを口実に、普段表現できていない分まで喜んでほしいという気持ちが込められているように感じました。

それはそうと、僕もスノードームが好きだったなあ、とふと昔のことを思い出していました。

旅行に行くと必ず東京タワー、金閣寺などが入ったスノードーム的なやつと、テレフォンカードを買っていました。当時はそれらをどうしても欲しかったのでしょうね。テレフォンカードなんて安くても1000円ほどするので、ほいほい買える金額ではなかったと思うのですが。

いつかはテレフォンカードとして使えるのだから、別に高くないと自分に言い聞かせて集めていましたが、カードに穴が開くことが嫌で結局一枚も使うことなく、どこに行ったのかもわからなくなりました。

最近よく思うのですが、人生で買ってきたものの中で、本当に必要だったものは一体どのくらいあるのだろうかと。結局、8割くらいは「あとあと考えるとどうでもいいもの」なのではないかと思っています。

そう考えると、人生随分損してるよなぁと思わずにはいられない一方で、同時に、長い人生には必要な消費なのではないかとも思います。

無くても人生というストーリーには全く影響がないのだけれど、あった方が人生の趣(おもむき)が、奥行きがでるような。

それはものでも出来事でもきっと共通しているように思います。自分が死ぬ間際に思い返す光景があるとしたら、おそらくそういう取るに足らないどうでもいい光景なのかもしれません。

つむぱぱ

娘「つむぎちゃん」、息子「なおくん」との日常をInstagramで、ほっこりとしたイラストで表現し、子育て世代を中心に幅広い人気を誇るインスタグラマー。Instagramアカウントのフォロワーは、60万人を超える。

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