リノベーション・スタイル

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

Aさん一家(夫52歳、妻51歳、長男12歳、長女7歳)
東京都港区/68.74m²/築36年

     ◇

子どもが成長して個室が必要になったとき、どうする? 多くの人が直面する課題です。さらに、最近は、テレワークのために家で仕事をしている人も増え、個室が欲しいというニーズが高まっています。今回は、コンパクトな家で個室を作ったリノベーションを紹介します。

Aさんは、私たちブルースタジオでのリノベーションは2回目です。1回目は、この連載でも紹介しましたが7年ほど前(「天板3枚重ねのオリジナルテーブルを」)。子どもが生まれたことをきっかけに、中古マンションを全面リノベーション。その後、小学生だったお兄ちゃんは中学生に、赤ちゃんだった妹は小学生なりました。

個室が欲しい年齢になったので、子ども部屋をメインにした2回目のリノベーションをすることにしました。68.74㎡というコンパクトなマンションなので、広い場所に住み替えることも検討しましたが、立地の良さ、子どもたちの学校などの生活基盤ができていることを考えて、リノベーションを選択しました。

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

リノベーション前の間取り図。図の左下が4畳のスペース

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

左:7年前の子ども部屋 右:廊下にある洗面所

リノベーション前の子ども部屋は、4畳ほどのスペースにIKEAの2段ベッドを置いて2人で使っていました。ワークスペースを、または収納スペースを子ども部屋にするなど間取りを変更する案も考えましたが、ご夫妻の希望は、今の子ども部屋を寝室兼パーソナルスペースにしたいというもの。4畳の空間をどのように活用するか、三つの案を提案しました。その中で、2段ベッドを中央に配置し、窓側にはデスクを二つ、出入り口側には収納スペースを作る案が採用されました。

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

子ども部屋の間取り図(リノベーション後)。ピンク色は、2段ベッド1段目の部屋 、緑色は2段ベッド2段目の部屋。はしごを上り下りしてベッドとデスクのある部屋へ

ベッドスペースは、ゲストハウスのドミトリーのような雰囲気です。枕元には棚があって、好きな本や雑貨を並べれば、自分だけの空間に。デスクに座るには、このベッドを通り抜けて行くことになり、まるで秘密基地のような「こもり感」があります。

広さはリノベーションの前と変わらず4畳なので、1人分を2畳と考えるとかなりコンパクトですが、狭い空間を楽しむ子どもは多いもの。実際、Aさんご夫妻から「子どもたちは、自分の時間は部屋で過ごすことが多いですね」という話もあり、2人ともマイスペースを気に入っているようです。

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

お兄ちゃんの部屋。兄妹の勉強スペースは南西にひらけた窓際に設けた

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

子ども部2段目のベッド入り口部分。妹ちゃんスペースは薄紫の塗装に。ベッドから入り口と反対側の階段を下りると妹ちゃんの勉強スペース

子ども部屋のリノベーションなのですが、テレワークで落ち着ける場所が欲しい人、趣味のスペースが欲しい人など、自分だけのスペースが欲しい場合にも応用できます。家が広くないから、個室は無理かなと思いがちですが、考え方を変えるだけ。キャンピングカーの車内や飛行機のファーストクラスの座席でも十分に個室感を味わえるので、そのくらいのスペースなら今の家に作ることも不可能ではありません。

もちろん、居住スペースがここだけなら狭苦しいですが、LDKや寝室など他に広い場所があるなら、問題ありません。家族と一緒にゆったり過ごしたければLDKに、1人でこもりたいときは個室に、こんな風に使い分けることができます。

「コンパクトな家で個室」を実現した、アイデアあふれるリノベーション

2段ベッドの2段目。ベッドの奥には好きなものを飾れる棚をデザイン

(構成・文 大橋史子)

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PROFILE

石井健

「ブルースタジオ」執行役員
1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。
http://www.bluestudio.jp/

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