MUSIC TALK

アナログとデジタル、それぞれの音を楽しむ テイ・トウワ[PR]

  • 2017年3月31日

テイ・トウワさん
最近愛用しているヘッドホンは、オーディオテクニカのプロ用「ATH-R70x」

 デジタル技術の進歩とともに、大きく変化してきた音楽の聴き方。近年では、ハイレゾ音源の配信、無線通信のBluetoothに対応したワイヤレスヘッドホンの登場などによって、いつでもどこでも高音質で聴ける環境が整ってきている。一方、自宅でぬくもりのあるアナログの音に触れたいという人も増え、レコードへの注目も高まっている。

 そんな中、ユーザーから高い支持を集めているのがオーディオテクニカの製品だ。1962年にレコードのカートリッジメーカーとしてスタートした同社は、音楽を取り巻く環境が変化しても、カートリッジ作りの歩みを止めず、それを進化させてきた。近年ではヘッドホンで国内販売台数首位に。

 アナログとデジタルをともに大切にするオーディオテクニカ。それは、1994年にソロデビューし、変わりゆく時代の中で活動してきたDJ、アーティストのテイ・トウワさんの姿とも重なる。テイさんに過去から現在までを振り返っていただきながら、アナログとデジタルの魅力についてうかがった。

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YMOの「音」に心を奪われた少年時代

――音楽を聴き始めたころ、「音」に対してのこだわりはありましたか?

 子どものころは音楽が嫌いでした。好きだったのはゲーム。ゲームセンターに通ってはアーケードゲームに100円玉をつぎ込んでいました。ところが中学生のときに、レコード屋の店頭で流れていたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の「ライディーン」のPVを見て衝撃を受けた。翌日にはセカンドアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」を手にし、すり切れるほど聴き込みました。その後聴いたファーストアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」では「コンピューター・ゲーム」という曲にとても引かれて。今思うと、僕はゲーセンで100円を払ってピュンピュン、ピコピコという電子音を聞きたかったのかもしれません。

 YMOのレコードは、自分の部屋にあった一体型のオーディオコンポで聴いていました。最初にかけたとき、「速い曲だなぁ」と。33回転のところを45回転で聴いていたんです。コントみたいだよね(笑)。そのぐらい音楽に鈍感だった僕が、YMOの「音」に心を奪われた。たとえばベースの音ひとつとっても、電子音と重なりながら曲ごとに自由奔放に鳴ってる。それがおもしろくて、今日はベースの音を聴こう、今日はドラムだけを聴いてみようと、オタクっぽい聴き方をしていました。自分でもこういう音を出してみたい――。その思いが、今につながっています。

  

“デジアナ・スタイル”のDJ

――80年代初めにCDが登場し、一気に普及していきました。

 個人的にはレコードの音のほうが好きだった。それは今も変わりません。90年にニューヨークで「Deee-Lite」としてデビューした時も、デビューアルバムはレコードとCDと両方出したものの、基本はレコード、というのが僕の考えでした。

 あのころ世界のあちこちの都市をツアーし、1カ月ニューヨークに帰れないなんてことはザラ。ゆっくりレコードで音楽を聴けないことが、すごいストレスだったんです。一方で、音や曲作りの現場では、デジタルがすごい勢いで進化していった。その恩恵はすごく受けたし、今僕が音楽をやれてるのは、デジタル技術のおかげだと思います。

――DJも、レコードをターンテーブルで回すスタイルから、コンピューターに保存したデジタルデータを使えるようになりました。

 DJするときも僕はアナログが好きでね。並べたジャケットの中から選び、レコードを出し、セットして回す。なんかその一連のストロークがきれいで、やっていても気持ちいい。手触りや動きが人間の生理にすごく合っている気がするんです。カートリッジを変えるのも楽しいですね。クラブで回すときは、音がいいことはもちろん、音が飛ばないことも大事なので、そこはこだわって選びます。

 とはいえ、最近はPCを使うことが多いですね。5千曲ぐらい持って行けるし、それをジャンルやアーティストなど色々な軸で検索をかけられるのは便利。METAFIVEのライブでは、急に思いついてiTunesストアで曲をダウンロードして、その場でスクラッチしたり。そんなこともできちゃう。ただ、やっぱりアナログ派なので、PCに入っている音楽をレコードを使って回すようにプレーできる機材が気に入っていて。いわば“デジアナ・スタイル”。僕にはそれが合ってる気がする。

レコードプレーヤーのカートリッジ。写真はオーディオテクニカの「VM750SH」。豊かな中低域を実現する無垢シバタ針を採用した上級モデル

職人がつくるアナログ盤の音と、デジタルならではの音のタイトさ

――近年はハイレゾ音源が配信されるなど、デジタル技術は飛躍的に進化しています。一方で、国内外のアーティストがレコードをリリースするといったアナログ回帰も。アナログ、デジタル、それぞれの魅力とは?

 アナログ盤はカッティングやプレスの技術にも左右されるのですが、愛あるカッティングとプレスが施されたレコードは本当にいい音がする。一方でデジタルは、音が飛んだりしないし、音質はデジタルならではのタイトさが特徴です。

 最近は、オーディオシステムを持たず、スマホやパソコンで「聴けさえすればいい」という若者が音楽業界にもいて驚きます。それって、食事で言えばコンビニ弁当しか知らないのと同じ。MP3は、圧縮した音をチンして解凍したようなものだから。ただ、通勤途中しか音楽が楽しむ時間がないとか、大音量で聴ける環境がないとか、そういう人もたくさんいる。スマホやPCの音もかなりよくなってきているので、だからこそ、せめてイヤホンやヘッドホンにはこだわり、少しでもいい音で聴いてほしいですね。

作り手としては、いい音で届けたい

――テイさん自身のイヤホンやヘッドホンへのこだわりは?

 DJをするときや、移動中に確認しなければいけないときにヘッドホンを使っています。密閉した感じが苦手なので、オープンエア派。長いことドイツ製を使ってたんだけど、最近はオーディオテクニカのATH-R70xを愛用しています。すごく今っぽい音で、実際の音に近い。疲れない使用感も気に入っています。

 iPhone7にイヤホンジャックがなくなり、ワイヤレスのヘッドホンやイヤホンも増えてきています。音を飛ばすために音声データの変換が余儀なくなるけれど、なるべく変換によるバイアスをかけずに元の音源に近い形で聴けたほうがいいに決まっている。いい音で録(と)って、いい音で鳴らして、いい音で届けたい。作り手としてはそう思っています。

オーディオテクニカのワイヤレスヘッドホン「ATH-DSR9BT」を試す、テイ・トウワさん。「グレーなのがイイですね。装着感も音もタイトです。(普段はオープンエアーを好みますけど、)送迎バスに揺られて温泉に向かう時に、iPhone7から飛ばして聴いてみたいと思います」

オーディオテクニカのワイヤレスヘッドホン「ATH-DSR9BT」。同社が長年にわたり培ってきた技術と最新のテクノロジーが詰め込まれている

ニューアルバムの製作は、アナログとデジタルをシームレスに

――3月にリリースされた「EMO(エモ)」はどんなアルバムですか?

 音楽もアートも映画もそうなんだけど、エモーショナルな部分が引っかからないと、僕は聴こうとも観ようとも思わない。ただ僕の考えるエモーションとは、センセーショナルとかドラマチックな、という意味ではなく、「今日の最初のコーヒーがおいしい」なんていう日々のささいな感情です。今回はそれを曲に落とし込みたいと思いました。

 METAFIVEが参加した曲「Brand Nu Emo」はまさにそういう日常のたわいのないことをつづってるし、UAが歌う「Sugar」はUAならではのエモーショナルなラブソングに。「Xylocopa」は、クマンバチに刺され死にそうな思いをした経験から生まれた曲。自分の中にバイアスをかけることもなく、エモいことならなんでもっていうフリーでフラットな感覚で、52歳の僕のエモと初老のテクノを表現できたと思います(笑)。

――製作でこだわったことは?

 プロデューサーでミックスエンジニアのGOH HOTODAさんと全曲一緒にやりました。彼の自宅兼スタジオが熱海にあって、そこで最後のミックスの作業をやろうと決めて。温泉に入れるから(笑)。何より、GOHさんは僕よりも年上だけど新しい機材にすごく明るいんです。

 今回GOHさんは、ミックスはデジタルで、最後に書き出すところで使うディエッサーやコンプレッサーはアナログにこだわった。さらに最後のマスタリングは、METAFIVEのメンバー砂原良徳くんがフルデジタルでやってくれた。その組み合わせはすごくよかった。アナログとデジタルがシームレスに連携する感じは、今の僕の感覚にすごく合っているんだと思います。CDに加え、アナログ盤と、さらに今回はハイレゾの配信もします。作っている段階と同じ音が聴きたい人は、ぜひハイレゾ版を。

  

――改めて「音」に対する思い、こだわりをお聞かせください。

 アナログにデジタル、その上ハイレゾが普及するなど「音の質」は進化、多様化してるけど、「音への意識」がまだまだかな、と。たとえばリゾートホテルなどに泊まって朝食に行くと、クラシックやジャズが流れていることが多い。間違いじゃないんだけど、結構激しいクラシックやフリーキー・トーンなジャズだったりすると、なんか違う。曲のトーンが朝ごはんに合ってないんです。

 音楽は、アートやインテリアと同じで、その空間、雰囲気、季節や気分によっても感じ方、聴こえ方が変わってくる。その部屋や壁に合ったアート作品を飾ったり、季節ごとに掛け替えたりするように、音楽を選ぶ。その楽しさ、豊かさを伝えていきたい。それが、これから僕がやりたいと思っていることなんです。

(文/中津海麻子 写真/山田秀隆)

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TOWA TEI(テイ・トウワ)

1990年、Deee-Liteのメンバーとして、アルバム「World Clique」で全米デビュー。その後活動の拠点を日本に置き、94年「Future Listening!」でソロデビュー。2017年3月22日、9枚目のソロ・オリジナルアルバム「EMO」を発表。リリースを記念したDJツアーを4月から実施。

心にひびく専門メーカーの技術



1962年、カートリッジメーカーとしてスタートしたオーディオテクニカは、その原点を大切に新製品開発を続けてきました。VMカートリッジは、50年以上の長い歴史の中で愛され続けてきたシリーズです。
ヘッドホンでは、オーディオテクニカが8年連続で国内販売台数第1位。ワイヤレスヘッドホンは、伝統の音響設計と先進のテクノロジーが生み出す至高のBluetoothサウンドを誇ります。
アナログの音と、デジタルの音。そのどちらもオーディオテクニカ製品でお楽しみください。
オーディオテクニカ公式ホームページはこちら

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