野村友里×UA 暮らしの音

生きるために、本当に必要なものは?

  • 文・写真 野村友里
  • 2018年2月9日

根室の猟師、川越さん。獲物を射止めたところ

 フードディレクターの野村友里さんと、歌手のUAさんが往復書簡を交わす連載「暮らしの音」。今年最初のテーマとして二人が選んだのは、「情報」です。まず、野村さんからUAさんにお手紙をつづりました。

    ◇

さて
うーこ

年末はインタビューを通して
ずいぶん話し込んだわね。
聞き手が昔からよく知っている川口さんだったこともあって
何だか二人で話しているときと違って、改めて話すこともあったし

想いを曖昧(あいまい)にせずに、きちっと言葉に出してちゃんと伝えようとするものだから、何だか濃かったー!!

そして「食の鼓動」(※)でもありがとう。
あれは一つのスイッチだったのか種だったのか
いまだみんなの中に打つもの育っているものを感じるの。

(※野村さんが昨年末、企画・演出したライブパフォーマンス)

さて
次回書くテーマは何にしようかとうーこと話していて、
思わず「情報」なんて言ってしまったけど、
言ってしまった矢先から
これはなかなかハードな議題だったぁ.....と。。。
でもね
今の社会の中で生きるには欠かせないトピックよね。

そんなに意識しなくとも、情報はいつのまにか耳に入ってきたり
目に入ってきたりするけれど
特に都市部の住人としては、その情報からすぐ行動に移せたり
日常に反映できたり
判断材料になったりと
影響されたりするから危険!!!

過剰になり
不安になったりもするしね。。。
知らなくていいこともたくさんあるからね。。
同時にわからないことがあったり、知りたいことがあったりしても
すぐネットを検索すればたーーくさん答えがでてくるからね
それでまたネットサーフィンと化していって
頭の中はオーバーヒートしてしまう。

その中でもどれが的確か
自分にフィットするのか
自分で選び抜く力っていうのも多少なりとも必要になってくる。
それに、目だけで追うあの情報は脳が疲れるよね

画面から入ってくる情報は、距離なくダイレクトに、ジャカジャカ入ってくるからかしら
なぜか、後になってまったく記憶に残らない。。。。

時として
パタンっと耳を目を閉じる勇気も必要よね。


ネガティブなことばかり書いてしまいがちになるけど
ネットに助けられているのもまた事実。

暮らし全般の自給を目指しながら四万十で暮らす、ささ たくやさん

レストランの新しい料理の情報やイベントの情報なども、ほとんど写真とともに文字が書けるインスタグラムだし、
私がよくお付き合いさせていただいている農家さん達との連絡網はもっぱらFacebook
LINEはスタッフとの連絡網でグループをつかっているし
海外にいった時もフリーでメッセージ送ったり話したりもする

私のお仕事も、紙媒体よりどんどんwebでのお仕事が増えてきたし
現にこの今私たちがやりとりさせていただいている往復書簡も、web読みものだしね!

でもだからこそ、情報ばかりでなくて、
遠く離れて暮らすうーこから、体温を感じる声が聞こえたり、
メッセージや写真が届いたりするのが大事だと思ったのだけど
最近思うのは
島で暮らしている”音”も、たまに聞こえてきたりしたらいいのにって!!
思ってたぐらいなんだけどね!
どう??!!笑

私は以前のこの往復書簡の中でも書かせてもらったのだけど
どうも情報の波からはズレてるみたいで、乗れてないタイプ。

得ているのは、信頼している人からの情報
その情報をもとに、先入観を持たずにトライしてみたり、興味を持って臨むことが多くて、
そこから何かが開けることがとっても多い。一番確かよね。
そんなわけで、
うーこは私の中で、その代表のような存在なのだけど。

アメリカのジョシュア・ツリー国立公園にて

うーこからいつだったか聞いた
アクセス・コンシャスネスの「バーズ」
その考え方は大きくうなずくことあったなぁ。
つまり人間の脳をコンピューターに例えると
データがたまりすぎてパンパンになったらデリートするのと一緒で
人間の頭もパンパンになってきたら、不必要な情報を排除していくことを意識的にしていかないと、ということ

自分の無意識の要求や声をないがしろにしてしまったり
埋もれさせてしまったりすると
本当に病気になるからね!

この年になってくると
ある程度の情報はもう自分の中に蓄積されている。
本当に必要なのは、蓄積に気づいたり、その深度を上げたりすること

自分の中を掃除して、クリアにしていくと
必要なものはすでに持っていたり知っていたりする、ということに気づいて、
案外満たされていると思うことはあるからね。

そして
同時に思うのは
自然の中に放りだされたときに生きるための情報が、
自分の体の中にない。。。という事実。
弱さが明るみにでる。

獲物は仕留められないし
畑をして作物も収穫できないし
野生の草花を見たりキノコ見ても、食べられるか危険なものかの判断もできない
火もおこせないし
飲み水もくみに行けない
住む家も建てられない。。。
他力本願の生き方だ。。。

そんなわけで、うーこが以前私にいった言葉が、時々こだまするの
”ゆり、これからは、生きる力のある男性が大事なの”と。

私は女性ですが、生きるための野生を取り戻すことを意識していこうかと思う今年なのでしたっ。。!

友里

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PROFILE

野村友里(のむら・ゆり)料理人(りょうりびと) / 「eatrip」主宰

野村友里

料理人(りょうりびと)、「eatrip」を主宰。おもてなし教室を開く、母・野村紘子さんの影響を受けて料理の道に。主な活動に、レセプションパーティーなどのケータリングフードの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオ番組など。2009年、初の監督作品『eatrip』を公開。11年、「シェ・パニース」のシェフたちとともに、参加型の食とアートのイベント「OPEN harvest」を開催。その経験を経て日本のシェフたちとともに「nomadic kitchen」プロジェクトをスタート。12年、東京・原宿に「restaurant eatrip」をオープン。著書に『eatlip gift』(マガジンハウス)がある。http://www.babajiji.com/

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