50㎡台までのコンパクト暮らし

新しい仕事のきっかけになった、49平米のインテリア

  • 文・大橋史子(ペンギン企画室) 写真・井上佐由紀
  • 2018年3月6日

キッチンが印象的な崇島さんのお宅。ダイニングテーブルは、奥行きが狭いので、幅があっても圧迫感がありません

[崇島邸]
崇島亮さん(アートディレクター)
友理さん(「I.M.GALLERY」主宰)
神奈川県横浜市/夫婦と子どもの3人暮らし/1LDK・49㎡

    ◇

 今回、取材をさせていただいたのは、この連載のアイコンにもなっているアンティークのスツールのある、崇島亮さん、友理さんご夫妻のお宅です。横浜の東横線沿線の駅から徒歩10分ほどの静かな住宅地に、築35年のマンションを購入し、リノベーションしました。

 「インテリアが好きだったので、中古マンションを買ってリノベーションしようと、物件を探しました。70㎡、角部屋、窓がたくさんある、東横線か井の頭線の最寄り駅から徒歩10分圏内、金額は1500万円以下と希望する条件を決めたものの、なかなかぴったりの物件は見つかりませんでした。そんなとき、サイズ以外は理想通りという今の家に出合ったんです」と崇島さん。

アンティークの窓枠をつけて、コウモリランを飾ります。 崇島さんの手作りですが、アートのようです

この連載のアイコンにもなっている、スツール。一人がけの椅子はおしゃれで小振りなものがあるので、おすすめです

 金額も大切なポイントでした。大きな住宅ローンを抱えてしまうと、足かせになって自由に動けないこともある。広くて素敵な家だとしても、住宅ローンが重荷で人生を楽しめないのは良くないと考えました。そこで、会社を辞める選択もできるように、ローンの金額を低く抑えました。

 崇島さんはこの家に住み始めて2年半ほどたったときに、勤めていた会社をやめて独立しました。「部屋のインテリアの写真をインスタグラムでアップしたら、見てくれた人から相談がくるように。そこで、インテリアのコーディネートなどの好きなことで仕事を始めました。いつか独立しようと思っていたので、家が新しい仕事のきっかけになりました」。

崇島亮さんと奥様の友理さん。それぞれが、好きなことをお仕事にされていました

 そんな崇島さんが、一番こだわった部分はキッチンです。部屋の一部と考え、オーク材とアイアン素材をメインにしました。システムキッチンは無印良品とコラボレーションしているサンワカンパニーのもの。印象的な上部の棚は、リノベーションで棚板だけを作ってもらい、自分でカゴを組み合わせました。ベージュがおしゃれな雰囲気ですが、ネットで見つけたスーパーのカゴ。プラスチック製で500円くらいのものだそう。軽いので、普段はあまり使わないストックなどを入れる収納として使っています。

キッチンは鍋やフライパン、調理器具もインテリアの重要アイテム。インテリアの邪魔になるものは中にしまいます

食器棚はディスプレイ棚を活用したコンパクトサイズ。ここに入るだけの食器しか持たないようにしました

 スペースを有効に活用するように、ムダな壁、廊下などをなくし、広めのリビングダイニングにしたのですが、あえて個室にしたのは、友理さんの仕事部屋です。「散歩のときにかぶる犬の帽子を作り、ブランドのウェブショップで販売しています。白内障などの病気の予防と対策のために、紫外線から目を守るものです。他にも、熱中症予防のための暑さ対策、そして寒さ対策、けが予防など、犬の健康と安全のために、帽子をかぶることをおすすめしています」と友理さん。実際に、友理さんが手作りしているので、大量の布、ボタンや針、糸などの細かいものを保管するために個室にしたほうがいいと考えました。作業しやすい、シンプルなインテリアです。

 装着が簡単で、犬にとってのかぶり心地も考えた帽子は、少しずつ人気を集めています。そして、デザインが豊富なので、自分の犬にピッタリの帽子を選ぶ楽しさもあります。

お二人の仕事部屋。上部の棚はキッチンと同じもの。おそろいの段ボールで統一感を出しました

友理さんが作っている、犬の帽子。実用的で、デザインもすてきです

 今は、独立した崇島さんもこの仕事部屋でいっしょに、仕事をしています。

「子どもに個室が必要になったら、仕事場を外に借りて、ここを子ども部屋にしようと思います。状況に合わせて、部屋の役割を変えていくのがいいと思っています」と崇島さん。

 リノベーションしたから家は完成ではありません。住んでいる人が心地よく暮らせるように、変えていくものなのだと改めて思いました。

壁に作った棚に、専門学校のパンフレットやアロハシャツの箱など、好きなものを飾ります

崇島亮さんのインスタグラム

崇島友理さんのホームページ「I.M.GALLERY」

>>写真をじっくり見る

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BOOK

『55m2までの心地よい コンパクト暮らし』

『55m2までの心地よい コンパクト暮らし』
(朝日新聞出版) 大橋史子 著

2018年4月6日、本連載が朝日新聞出版から書籍化されました! 本連載には出ていないお部屋を含めて大幅加筆、都市部に暮らし、55㎡までの「狭い家」を選んで、毎日を快適に楽しく暮らす人たちのインテリア・収納実例集。好きなモノをあきらめない人、グリーンがすてきな部屋、快適なリノベーション術などコンパクト暮らしの工夫が満載です。
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税込1296円

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