川島蓉子のひとむすび

<37>じゃがりこもポッキーも勢ぞろい。カルビーの店「イエトモ」(前編)

  • 文・川島蓉子 写真・鈴木愛子
  • 2018年3月14日

新宿駅東口の「イエスタデイズ トゥモロー」。さわやかなイエローを基調にしたショップが目を引きます

 新宿駅東口改札を出て、すぐのところに広がっているのが「ルミネエスト」。若い女性向けのファッションブティックが並び、たくさんの人でにぎわっています。その一画に、2017年10月「イエスタデイズ トゥモロー(愛称イエトモ)」というショップが登場しました。

 イエローを基調にした明るい感じの店構えは、ファッションブティックの中にあって目を引く存在。袋や箱に入ったお菓子がぎっしり並んでいてにぎやかそう。近づいてみると、「じゃがりこ」や「たべっ子どうぶつ」など、なじみ深いお菓子が勢ぞろいしています。

 何より「楽しそう!」と感じたのは、入り口にある量り売りコーナー。たくさんの仕切りがある円形の棚に、200種に及ぶお菓子が並んでいて、好きなものを好きなだけ袋に入れて買えるのです。「ぐるぐる」と名づけられているのですが、巡りながらお菓子を選ぶ行為は、年齢に関係なく楽しめるもの。高度経済成長期に育った私にとって、1960年代のデパートにこういうコーナーがあったのを思い出しました。

 小型箱に入った「ミニコロン」や、1個包装の「カントリーマアム」をはじめ、「クッピーラムネ」や「都こんぶ」など懐かしいお菓子もあって、あれもこれもと袋に入れてしまいます。そばに秤(はかり)が置いてあるので、自分で値段を計算できるのもいいところ。1グラム=3円で、たくさん詰めたと思ったのに意外と安いのにびっくりしました。スーパーやコンビニで売っているお菓子は、高級スイーツに比べるとリーズナブルと改めて感じたのです。

カルビーが出している「エッセンポテト」は、このショップと、「カルビープラス」だけで売られています

 そのすぐ近くに、カルビーのコーナーがありますが、「エッセンポテト」や「紅娘グラッセレモン風味」など、普段はあまり見かけないものも箱入りになって、少しおすましした風情で並んでいます。

 さらに店内を巡っていくと、「じゃがりこ」や「ポッキー」「たべっ子どうぶつ」など、おなじみのお菓子がずらり。一方、長野の「小布施ミルククッキー」や山形の「ミルクケーキ」など、地方のお菓子も顔を並べています。

 実はここ、大手菓子メーカーのカルビーが運営しているショップ。「身近な日本のお菓子を楽しめるスイーツワンダーランド」をうたって登場したのです。日本の約120社のお菓子メーカーのロングセラーや限定品、地元だけにあったお菓子などが集めてある店は、他にないもの。スーパーやコンビニではないところで出会ったお菓子の群れは、新鮮でありながら親しみ深いと感じました。

 店名の「イエスタデイズ トゥモロー」は、「昔描いた未来」を意味しています。かつて「鉄腕アトム」や「ドラえもん」が登場した頃の「未来」は、とんでもないことが実現できそうな期待感と、人間味あふれるレトロさが同居しているイメージがありました。

  

 一方でお菓子は、誰かと一緒におしゃべりしながら、あるいは一人でつまみながら、ささやかな楽しさを感じるもの。新製品はもちろん、ロングセラーも季節ものも、日常にちょっとワクワクを添えてくれる――スイーツが「ハレ=非日常」ならば、お菓子は「ケ=日常」と言っていいのかもしれません。身近で温かみがあって、楽しいイメージを持っているのです。そこが「昔描いた未来」と相通ずるところがあると、ショップ名は「イエスタデイズ トゥモロー」としたのです。

カルビーの工場に置いてある包装機械を通して、オリジナルラッピングもできます

 ここにあるお菓子は、オリジナルラッピングで「ギフト」にすることもできます。カルビーの工場で使っている包装用の機械を使い、キュートなピローバッグに詰めることもできますし、同じくオリジナル柄の布のバッグに入れることも可能。

アドベントカレンダーのギフトパッケージ。

 ほかに、通常はクリスマスで使われる「アドベントカレンダー」を模したギフトパッケージ――イラストが描かれた箱に窓がしつらえてあって、日ごとに開けていくことができる造りで、中に入れるお菓子を選べるもの。贈った相手が、ひとつずつ窓を開けていく様子を想像するだけで、自分の気持ちも躍ってきます。

 そうやって、あっという間に時間が経っていて、「お菓子を買う」というより、「お菓子を食べたり贈ることを想像する」こと自体を楽しんでいる自分に気づきました。それも日常の延長でリラックスした気分で――それは、ラグジュアリーブランドのブティックを巡る時のぜいたく気分とは、ひと味異なる豊かなひととき。人の暮らしは、さまざまな楽しさに彩られていると思ったのです。

  

 次回は、カルビーが、どうしてこういうショップを作ったのか、そのストーリーに触れたいと思います。

■Yesterday's tommorow(イエスタデイズ トゥモロー) ルミネエスト新宿店
東京都新宿区新宿3丁目38番1号 ルミネエスト新宿B1

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