リノベーション・スタイル

<171>趣味とともに暮らす。リビングを充実した生活空間に

  • 文 石井健
  • 2018年6月6日

[O邸]
Oさん一家(夫33歳、妻31歳、長女1歳)
東京都練馬区 築17年/111m²

    ◇

 広いリビングに設置したキッチンとDJブースをつなぐ長い木のカウンターが印象的なリノベーション。最近の傾向のひとつ、“リビ充(リビング充実)”の好例といえるでしょう。

 もともとこちらはOさんのおじいさまが建てた2階建ての家。おじいさまが亡くなった後、Oさんは奥さまの妊娠を機に実家に戻り、空いていた1階をリノベーションしてご家族で住むことに。家はもともと1階と2階で玄関が分かれている重層長屋だったので、すでに二世帯が住みやすい状態でした。

 Oさんのご希望は、広くて明るいリビングと自転車やベビーカーが置ける土間があること、趣味のレコードや本、衣類をしまえる場所、DJブース、大きなキッチンがあること……など。そこで、もともとあった2間の和室を一つの広いリビングにし、そこにお二人の趣味を詰め込むことにしました。

 広々としたリビングにはご希望通りの大きなキッチンとDJブースを隣り合わせて設置しました。その二つを5.6メートルの木のカウンターでつないでいます。キッチンとDJブースが隣り合っているので、油や水がはねないよう少し間をおきました。カウンターの下はトンネルのようにくぐれるようになっており、お子さんの格好の遊び場のよう。キッチンカウンターの全面は黒板になっていて、絵を描いたりすることもできます。木を多用していますが、ところどころ黒で締めているので、ほんわかしすぎず、大人っぽい印象です。

 サンルームだった場所は、ゴロゴロひなたぼっこができる畳スペースと土間にしました。寝室はリビングの裏にありますが、そこへ行くには本やレコードが壁にびっしりと収まった廊下をくぐり抜けていきます。毎晩、好きなものを眺めながら寝室に行けるんです。

 Oさんは「何でもデータで保存する時代、レコードや本の魅力はそれがモノであること」とおっしゃっていました。モノであるからこそ、それを目にしたときに“出合う”ことができます。廊下のレコードや本の収納は子どもにいつか偶然の出合いを作るための“装置”なのです。

 アナログの感覚を大事にしながら、長く、楽しく住む家……。ゆったりしたスペースにお二人の趣味がつまった遊び心ある部屋ができあがりました。

>>気になる間取りとリノベーションの写真のつづきはこちら

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)「ブルースタジオ」執行役員

写真

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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