はじめてのサウナ

<1>タナカカツキさん「サウナは、水と熱だけのオーガニックコスメ」 

  • イラスト ほりゆりこ
  • 2018年7月2日

このごろ、サウナの話題を目にすることが多い気がしませんか? でもまあ、サウナといえばおじさんのものだし、暑くて苦しそうだし……。そう思っていた&w編集部にも、サウナの熱風が届きました。“日本サウナ・スパ協会公認サウナ大使”、タナカカツキさんの新著『はじめてのサウナ』。表紙には「サウナ=我慢ではなく、キレイになるところ!」という文字が。え、ほんとですか……? タナカさんに話を聞いてみました。(&w編集部)

    ◇

タナカさんとの待ち合わせで指定されたのは、横浜駅近くの日帰りスパ「スカイスパYOKOHAMA」のレストラン。もちろん館内着で現れたタナカさん、話は6月上旬にスウェーデンで開かれた、国際サウナ会議の様子から始まった。

国際会議は4年に1回開かれ、タナカさんは参加2回目。リラックスしたムードで裸のお付き合いを深めるのかと思ったら皆スーツにネクタイ姿、大きな会議場で3日間、サウナの効用やトレンドを報告し合う、学会のような雰囲気だという(もちろん、3日めはサウナに入る日で、大小30ほどのサウナが並んだ湖畔に行くらしい)。

スウェーデンの国際サウナ会議で発表されていた、最新のサウナ。湖に浮かんだドーナツ状のサウナ室であたたまったら、中央に飛び込んで体を冷やす仕組み

「しかも、自分の国のサウナが一番だと思っている人たちが集まるので、サウナの方向性をめぐって、ケンカごしの激しい議論になることも多いんですよね……」

と、いうタナカさんも会議最終日、最後のワークショップで「日本のサウナ文化」をテーマに発表した。面白かったのは、観客の反応。カプセルホテルがついていたり、サウナ室内にテレビがあったり、音楽が流れていたり、自動的に蒸気を発生させたり……という日本では当たり前のサウナの風景を語るうちに会場がざわつき始め、興奮と驚愕のあまり立ち上がり、「日本に答えがある!」と叫ぶ人もいたという。

「もともと、スウェーデンやフィンランドなど、ヨーロッパでは、サウナは神と交信する場所、神聖な場所という意味が強いですから、日本のサウナは、伊勢神宮本殿に泊まったり、テレビがあったり、全自動でお祓いをやってるようなものなんです」

国際サウナ会議で、日本のサウナ文化について発表するタナカさん

国際会議に出てタナカさんが改めて思うのは、「日本のサウナって、すごく特殊」ということ。

「まず、ここまで男性ばっかりに偏ったサウナ観が支配しているのは日本だけ。世界では、美容意識と健康意識が高い女性中心にたしなまれているんです。日本ではサウナはオッサンのイメージ、それも終電に乗り遅れたら行く場所だったり、男性専用なんてのもありますから、それは珍しい」

特にこれまで日本のサウナは、汗をかくことを目的にするので温度が高く、カラカラのサウナ室ばかりが増えてきた背景があったという。

「それがさらに女性を遠ざけてしまった。でも、その使い方はどうもよくないぞと。しんどいなと、昨今みんな気づきだして、サウナ自体が変わってきているんですね」

サウナに入った私たちに起こる一番大きな変化は、体の中の血流が変わることだという。

「サウナでは、ガマンはしなくていい。つらくなったら出て、水風呂につかり、またサウナ室に戻ってくる。これが基本的なサウナの入り方です。温冷交代浴といいます。熱いところ冷たいところ、交互に行くことによって、熱いところでは血管が開き、冷たいところでは閉じるので、血が巡るわけです。脳にも酸素がたくさん送られる。そこで外気浴ができればなおいい。やがて心が静まり広がっていく、すばらしい感覚が訪れます」

その状態を、サウナ好きの間では「ととのう」という。一度覚えてしまうと、忘れられない快感だという。

水風呂は怖くない?

そうはいっても、水風呂は怖い。これまでは、心臓や脳血管に負担がかかって倒れるんじゃないか、と心配で、入れても足首ぐらいまでがやっとだった。でもタナカさんによれば、それも最初のコツがあり、慣れていくから、大丈夫らしい。

「日本人って41~42度のお湯に平気で肩まで入って気持ちいい~ってなるじゃないですか。あれ、妄想なんです(笑)。海外では、あっちのほうが信じられないと言われる。しかもサルも入ってて、謎の国みたいになってます。確かにすごく特殊で、私たちは幼少の頃から肩まで熱湯にはいって、さらに10まで数えさせられて……。毎日修練させられた結果こうなってるわけです。

水風呂も同じように徐々に慣れていきますし、そんなに長く入らないですから、安心してください。半身浴だと、私たち小さい頃から肩まで入ってるんで、風呂に入った気にならないし、岩盤浴も時間がかかるんですよ。サウナはその時間をきゅっと縮めてくれる。お肌の汚れもどんどん毛穴から出てきてキレイになれる。本場でのサウナは水と熱だけのオーガニックコスメと言われています。

危ないなって思ったこと? 危ないなと思いますよ。めちゃめちゃ冷たい、もうフィンランドの湖なんて凍ってますから。0度なんて、ほんと死を覚悟です(笑)。でも繰り返すうちにめちゃめちゃイキイキしちゃうんですけどね」

ということで、これからタナカさんにサウナの効用、水風呂の入り方、そしてととのえ方を、さらにくわしくお聞きしていきます。

BOOK

『はじめてのサウナ』

『はじめてのサウナ』(リトルモア)
タナカカツキ 文 ほりゆりこ 絵

時代は空前のサウナブーム!
ヨガ・ピラティス・岩盤浴に続き、
いま感度の高い女性が足しげく通っているのは、サウナです!

日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使・タナカカツキが語るから、
未体験の人にもゼロからまるっとわかる。
まるで絵本のような女性向けサウナ指南書です!


税込1512円

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PROFILE

タナカカツキ マンガ家

著書に『オッス!トン子ちゃん』『サ道』『すばらしきインドア大自然~水草水槽のせかい』、天久聖一との共著『バカドリル』など。水草レイアウトの世界ランカーであり、日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使でもある。カプセルトイ「コップのフチ子」の企画、デザインなども。
http://kaerucafe.com/

ほりゆりこ イラスト

1978年大阪生まれ。さそり座 A型。デザインやイラストの本職のかたわら「大自然と一体化」をテーマに主に関西を拠点に活動するTent Sauna Party所属。リトアニアのサウナハットアーティスト、ヴィクトリアからワークショップを受け「TSP式サウナハット」を考案・制作。

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