It's me! and w

妻、母、私。どんな時も「自分でいられる場」を作ってきた

  • 文・写真 忠地七緒
  • 2018年6月26日

  

「It’s me! and w ―写真で切り取る、わたしらしさ―」は、毎月読者のみなさんを1人撮影しお話を伺い、一人ひとりの「わたしらしさ」に思いをはせる新連載です。>>第1回 「わたしらしく生きる」って何ですか?

   ◇

妻、母、私。どんな時も「自分でいられる場」を作ってきた

「夫と2人きりの生活は21年ぶり。家族に振り回される毎日でしたが、子どもが自立し、ようやく肩の荷が下りました」。そう笑顔で話す島田康子さんは大学3年生と1年生のお子さんを持つ女性。進学を機に長男、次男が一人暮らしを始め「第二の人生の始まりとして、今の自分を撮影してもらいたい」と、応募をいただきました。

島田さんは結婚・出産と同時に、研究職の仕事を退職。子どもを持つ多くのお母さんがそうであるように、家事・育児に追われる毎日。子どもが生まれたばかりの頃は、自分らしさを見失い、ただただ孤独だったと話します。

「私、本当は仕事を続けたかったんです。結婚前と変わらず、同じ職場で働いている夫が心底うらやましかった。子どもは可愛いけれど、何をしてもどこへ行っても『○○君のお母さん』でしょう。子どもが生まれた時『私は一生お母さんなんだ』って覚悟したけれど、やっぱり誰かのお母さん、誰かの妻だけではなく、個人としての自分を認めてほしいという気持ちもずっとありました。」

「自分でいられる場を作りたい」、そう決めた島田さんは、次男が幼稚園の年長に進級したタイミングで実験補助のアルバイトをスタート。「職場では仕事をする一人の人間として自分を見てくれました。それがうれしくて」。仕事の他に写真を撮るという趣味にも目覚め、少しずつ自分の世界を増やしていきました。

  

中学受験、反抗期、大学受験を経て、子どもが自立。4月からは新しい研究支援の仕事を始めています。

「子育て中は諦めることも多かったけれど、今は時間を気にせず思う存分仕事ができるし、出張にだって行ける。65歳まで働けるとしてあと17年。やりたいことは今やるしかない。前向きというよりは切実です(笑)」そう話す横顔はとても生き生きとしています。「人生を振り返ると、苦しいことも傷ついたこともありました。でも過去があるから今があるし、今が未来につながっていくんだと思う」

結婚、出産、育児、再就職。いくつもの節目を越えた島田さんにとって、わたしらしさとは?

「相手の要望に応えることかもしれません。作ったご飯を喜んで食べてもらえるとうれしいし、子どもの希望に応えて物事がスムーズに進むと本当に良かったなって思う。私、リクエストに応えたい性分みたいです(笑)」

家族の気持ちに寄り添い、サポートしてきた21年間。その中で少しずつ色濃くなっていった私という個性。「自分でいられる場を大切にする」その積み重ねが、島田さんの未来を形作っていくのかもしれません。

  

次回の更新は7月23日(月)です。

あなたの「今」を撮影させてください〜撮影協力者募集〜

忠地七緒さんに撮影・インタビューしてもらいたい方を募集しています。
撮影した写真と伺ったお話を&wで紹介させていただきます。

「わたしらしさって何だろう」「毎日忙しくて自分のやりたいことが分からない」「新たな一歩を踏み出したい」そんなあなたの今を写真と文章で切り取ることで、一緒に「わたしらしさ」と向き合ってみませんか。あなたの物語が誰かの力になるかもしれません。

It's me and w 撮影協力者募集

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

忠地七緒(ただち・なお)フォトグラファー / ライター

忠地七緒

1987年兵庫県神戸市生まれ。
上智大学文学部新聞学科卒業後、雑誌編集者を経て2017年に独立。主に女優やアイドルのポートレート撮影、インタビュー執筆を中心に雑誌・ウェブメディアで活動。作品制作にも力を入れており、2017年写真集『Ambivalence』を出版、2018年2月に表参道ヒルズにて写真展を開催。女性の飾らない姿を切り取る写真に定評がある。東京・清澄白河で夫と二人暮らし。HP:http://naotadachi.com/
インスタグラム:@naotadachi

今、あなたにオススメ

Pickup!